多くの飲料水の缶の原料に用いられる金属と言えば「アルミニウム」!
現代社会に欠かせない金属ではありますが、ここで問題です。「アルミニウム」を漢字で何と書くでしょう?
うーん何だろう。当て字で「阿瑠美丹生武」かな?
飲料缶によく使われるから「缶金属」とかじゃない?
いろいろな当て字表記が出てきましたが、さすがに分かる人は少ないみたいです。
そもそも漢字表記があるのかさえ疑問になりますね、本当にあるのでしょうか?
今回は「アルミニウム」の漢字表記ついて詳しく見ていきましょう!
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「アルミニウム」を漢字で書くとこうなる!
「アルミニウム」とは原子番号13の元素で、記号で「Al」と表記されます。それも当て字ではなく、いろいろあることがわかりました!
これ全部「アルミニウム」って意味なの?
では、それぞれの「アルミニウム」の漢字の由来について詳しく見ていきましょう!
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「軽銀」の由来は?
まず1つ目の表記である「軽銀」ですが、結論から言うとこれは「アルミニウム」の見た目と性質から来ています。
「アルミニウム」は上の画像の様な見た目をしています。外見はパッと見で銀に見えますね。
そして「アルミニウム」は鉄の約35%の比重と、金属の中でも比較的軽いのが特徴です。
そのため「アルミニウム」は「軽い銀」とも喩えられるので、「軽銀」という表記が当てられました。
「礬素」の由来は?
2つ目の漢字表記は「礬素」です。
かなり難しい漢字が使われていますが、「礬」とは「ミョウバン(明礬)」の「バン」となります。
では「明礬」って一体何でしょうか?
正直聞き慣れない言葉なので疑問に思う人も多いでしょう、「明礬」とは消火剤、防水材、さらに食物には根菜やイモ類のアク抜きに用いられる粉末で、アルミニウムと硫酸の混合物となります。
単に「明礬」と行った場合は、正式名称「硝酸カリウムアルミニウム十二水和物」という長い名前になります。
化学の授業で習ったけど、化学式はけっこう複雑だよね
「礬」とは「明礬」のことですから、「アルミニウム」は「(明)礬の素」となる金属、だから「礬素」と表記するわけです。
「亞爾密紐母」の由来は?
3つ目の「亞爾密紐母」という表記ですが、結論から言うと完全な当て字です。
これは幕末に活躍していた宇田川榕菴という蘭学者によって考案された表記です。
今ではほとんど見ませんが、江戸時代や明治時代には外来語に馴染みのない日本人に向けて、外来語に漢字表記を当てることを生業としていた学者もいます。
「亞爾密紐母」の漢字をそれぞれ分けて考えますと、
- 「亞」は音読みで「ア」
- 「爾」は音読みで「ジ」
- 「密」は音読みで「ミツ」
- 「紐」は音読みで「ジュウ」
- 「母」は音読みで「モ」
全て音読みで繋げても「ア・ジ・ミツ・ジュウ・モ」となり、なんとなくですが「アルミニウム」と聞こえます。
ただし若干無理矢理な感じでもあります。
2文字目の「爾」は「伯剌西爾(ブラジル)」の「ル」に使われていますし、4文字目の「紐」は「ニューヨーク(紐育)」にも使われています。
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そして5文字目の「母」はこの場合「ム」と読むわけですが、実は同じような当て字で「リチウム」は「利知烏母」と書きます。
※この規則は「リチウム」や「アルミニウム」以外にも「カルシウム」、「マグネシウム」についても同様です。
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以上のことから「爾」を「ル」、「紐」を「ニュウ」、「母」を「モ」にすれば、確かに「アルミニュウム」になり、確かに「アルミニウム」と繋がりました。
「アルミニウム」を中国語で表記すると?
最後は「アルミニウム」の中国語表記についてです、やはり漢字となると中国語での表記も気になります。
中国語で「アルミニウム」は「钢精」または「铝」と表記します。
一つ目の表記ですが、簡体字だと「钢精」、繁体字だと「鋼精」と表記します。両方とも発音は「ガンジン」となります。
意味としては「精錬された鋼鉄」、「アルミニウム」は鉱石を精錬しないと作られないことからこの様な表記になっています。
単なる金属名や元素名としての表記だと、「铝」一文字となります、発音は「ルー」です。
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まとめ
今回は「アルミニウム」の漢字表記について紹介しました。それではまとめといきましょう。
- 「アルミニウム」を漢字で書くと「軽銀」と「礬素」と「亞爾密紐母」
- 「軽銀」の由来は、「軽い銀」から
- 「礬」は「明礬」、「アルミニウム」が「明礬」の原料だから
- 「亞爾密紐母」は蘭学者によって考案された当て字
- 中国語では「钢精」または「铝」と表記、発音は「ガンジン」と「ルー」
中国語表記を見かける機会も増えたので、中国語の「アルミニウム」も覚えておけば何かと役に立つでしょう。
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