今や国民的人気スポーツとして野球と並んで、熱狂的なファンが多くなったのがサッカーですね。
日本代表がワールドカップに出場することも当たり前になってきて、国際試合は必ずと言っていいほど中継されます。
ところが国際試合の中継なんか見てみると、外国人アナウンサーはサッカーの事をフットボールと呼んでいます。
また国際サッカー連盟FIFAの名称に使われているのも、サッカーではなくフットボールです。
あれ?サッカーって呼ばないの?どっちが正しいの?
学校の体育でもフットボールをやったことがあるけど、サッカーとは違ったスポーツだったよ?
このような疑問を抱いている人は多いでしょう。でも国際的にはサッカーではなくフットボールと呼ぶ国が多いのです。
ではサッカーと呼ぶようになった由来は何なのか?
今回はサッカーの語源について調べるとともに、日本でサッカーと呼ばれるようになった経緯と、日本以外でサッカーと呼ぶ国についても紹介していきます。ぜひご覧ください!
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サッカーの語源はある英単語から?
今でこそ当たり前のように使われるサッカーという言葉ですが、その語源を探ってみると実はある英単語から派生したものだったのです。
その英単語とはズバリ「association」!
日本語で「協会」を意味する英単語ですが、サッカーの正式名称は「協会式サッカー」といいます。
このassociationの真ん中の「soc」を取って、「c」を加えて、最後に人を意味する接尾辞の「er」を加えて、「soccer」(サッカー)となったわけです。
soc + c + er = soccer
また「soc」は「仲間」を意味するラテン語で「socius」と同義で、これが使われている英単語として、「社会」を意味する「society」があります。
こうしてみるとなんだか無理矢理な感じのある造語ですね。
そもそもサッカーではなく、本来は「football」(フットボール)と呼ぶのが世界では一般的です。
ヨーロッパや南米などサッカーが広く普及している地域では「フットボール」で統一され、サッカーと呼ぶのは日本やアメリカなどごく一部の国です。
歴史を紐解けば元々はフットボールという言葉しかなかったのですが、とある軋轢によって2つの英単語に分かれることになったのでした。
ではその経緯を詳しく探っていきましょう!
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サッカーの成り立ちについて
サッカーの起源はイギリスというのは有名ですよね。その起源はイギリスで中世に行われていたフットボール祭であると言われています。
足を使ってボールを蹴るスポーツなので、文字通りfootball(フットボール)と呼ばれるようになりました。
しかしほぼ同じ時期に、ラグビーというスポーツも誕生しました。
ラグビーも敵の陣地にボールを運んで、最終ラインにスコアをするという点ではフットボールと共通していますね。違いは手で持つか足で蹴るか、という点ですね
この2つのスポーツは両方ともフットボールという枠組みに属していますが、当時は今で言うサッカーはまだありませんでした。(ラグビーも正式名称は「ラグビーフットボール」と呼びます。)
極端な話、サッカーとラグビーはほぼ混同されていた時代なのです。
19世紀半ば頃になるとイギリスの各学校で、それぞれ独自のフットボールのルールを設けるようになりました。
このままでは制度的にも不便だということで、イギリスで1863年に「Association Football」(協会式フットボール)を設立し、各地域でバラバラだったルールを統一させました。
ところが新しいルールではラグビーで認められている「ボールを持って走る行為」や「ボールを持っている相手を抑える行為」などが認めれれなくなり、ここでラグビーが「協会式フットボール」と分岐したのです。
これ以降、正式なルールに基づいて行われるのが「協会式フットボール」と呼ばれるようになりました。今で言うサッカーというスポーツが、改めて正式に誕生した瞬間です。
サッカーと呼ぶようになったのは?
サッカーの正式名称が「協会式フットボール」で、ラグビーや他のフットボールと区別するために呼ばれました。
しかし「association football」と呼ぶのは、正直長いですよね(汗)
名称が長いと言うことで当時のイングランドの若者の間で、言葉を短くして愛称にしようとしました。
そこで考えられたのが、「association」の真ん中の「soc」を抜き出して「soccer」という新語にするという案でした。
このサッカーという単語がこれ以降英語圏で広まるようになったのですが、当時はサッカーとフットボールが混同して使われていました。
1904年に国際サッカー連盟がパリで発足したのですが、この組織の正式名称名は「Federation International de Football Association」(FIFA)で、サッカーは使われずフットボールが採用されました。
これ以降はFIFA加盟国の拡大、さらにW杯の開催なども成功して、徐々にフットボールという名称で浸透していきました。
しかしこの名称はラグビーやその他のフットボールが普及している地域では浸透しませんでした。
代わりに普及したのが、愛称として付けられたサッカーの方でした。
特にアメリカではアメリカンフットボール(アメフト)の方が人気だったために、同じ呼び方だと混同するのでサッカーの名称が広まりました。
現在ではアメリカでフットボールと言えば専らアメフトを指します。そのアメリカでも最近ではサッカー人気は上がっているようです。
スポーツ大国アメリカの4大スポーツの中にサッカーの名前はなかったのですが、近年では野球よりも人気が上がりつつあるようです、特に若年層の間で。競技人口の多さも既に中国を越えていてアメフトと並ぶ人気になるのは時間の問題かもしれません。
またアメリカ以外でもフットボールが盛んな国(オーストラリアやニュージーランド)では、サッカーが一般的です。
日本語での名称は?
サッカーはご存知英語なのですが、では日本語では何と呼ばれるでしょうか?
サッカーは「ボールを蹴る」スポーツなので、その「蹴る」という言葉を使って「蹴球」という漢字で表記します。
ものすごく難しそうな漢字に見えますが、実はサッカーの元々の言葉であるフットボールと近いニュアンスです。
フットが「足」を意味する英語、ボールが「球」を意味する英語なので、ほぼそのままくっつけたような感じですね。
このように「蹴る」と「球」を組み合わせた言葉にしている国は日本だけでなく、例えばイタリアの「càlcio」(カルチョ)もこれに該当します。
他にはハンガリーやベトナムでも、同じような言葉で読んだりします。
なぜ日本ではサッカーが浸透?
ところが日本語の「蹴球」という名称は、「野球」のように普及することはありませんでした。
それどころか現在の日本では専らサッカーが使われ、フットボールという名称は用いられません。
何故こうなったのかといいますと、そこには戦後のGHQによる占領が関係していたのです。
日本にサッカーが伝来したのは明治6年の時で、イギリス海軍のダグラス少佐と海軍兵が日本軍に教えたのが始まりとされています。
この時に広まった名称としては、英語の「Association Football」の頭文字のAと、日本語の「蹴球」を混ぜて「ア式蹴球」だったそうです。
実際早稲田大学のサッカー部の名称にもその名残があります。
しかし昭和21年に常用漢字表が制定されるのですが、その中に「蹴」という漢字は難しいという理由で採用されませんでした。
結果として蹴球という言葉が使えなくなり、フットボールに改めようとしようとしたのですが、GHQから「アメリカンフットボールと紛らわしくなる」と注意されます。
そこで当時アメリカで呼ばれていた、協会式フットボールの別名であるサッカーを日本でも採用した、ということになったのです。
日本サッカーの歴史について知りたい方は以下の記事をどうぞ!
日本サッカーはどんな歴史をたどってきたのか?日本にサッカーが伝来してきたのはいつか?初の国際大会への参加は?またJリーグ発足へ至る経緯とワールドカップまでの険しい道のりも合わせて紹介していきます。
韓国や中国では何と呼ぶ?
日本に近い韓国や中国ではサッカーの事をそれぞれ以下のように表現しています。
- 韓国:サッカーは「축구공」と表記し、読みは「チュック」
- 中国:サッカーは「足球」と表記し、読みは「ヅゥー チ(ォ)ウ」
中国は日本と同じ漢字圏なので、日本語の「蹴球」と似ていますね、読みは全然違いますが(;^^
おまけ:協会名にサッカーを用いる国とは?
日本以外でサッカーという名称を一般的に用いる国は、アメリカやカナダ、オーストラリアなどサッカー以外のフットボール(アメフトやラグビー)が盛んな国が多いです。
しかしサッカー協会の英語名にsoccerを用いているのは、アメリカとカナダ、さらにアメリカの自治領であるヴァージン諸島の3つの国と地域だけとなります。
- アメリカ合衆国サッカー連盟=United States Soccer Federation(USSF)
- カナダサッカー協会=カナダサッカーきょうかい、Canadian Soccer Association
- アメリカ領ヴァージン諸島サッカー連盟=英: United States Virgin Islands Soccer Federation
※他には、セント・マーチン島、ニウエ、パラオも該当する。
日本も日本サッカー連盟(JFA)はありますが、正式名称は「Japan Football Association」でサッカーではなくフットボールが採用されています
まとめ
今回はサッカーの語源を詳しくまとめました。それでは最後に今回の内容をおさらいします。
- サッカーの語源は「association」、「soc」に「c」と「er」をくっつけて「soccer」
- サッカーの正式名称は「協会式フットボール」、ラグビーや他のフットボールと区別するため
- 日本語では「蹴球」と呼ぶが、常用漢字でないため採用されなかった
- 日本でサッカーという名称が浸透したのは、アメリカが関与したから
- 日本以外でサッカーと呼ぶ国はアメリカやカナダなど主に北アメリカ
今回は以上となります、その他にもサッカー関係の記事がありますので興味のある方はぜひご覧ください!
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