激しくぶつかり合う球技、といえば「ラグビー」ですね。

多くの人が抱くのは、ボールを持って走って敵のゴールエリアに持って行けば得点、というイメージだと思います。

足で蹴るサッカーとは反対で、ラグビーは手で持って走ってゴールを奪うのが特徴です。


ですがその「ラグビー」を漢字でどう書くか、と聞かれたら多分答えられない人も多いでしょう。

少年

うーん、何だろう。「男塾」って漫画だと「羅惧美偉」になるけど?

いえいえ、ちゃんと「球」という漢字を使います。


またどうして「ラグビー」だなんていう言葉で呼ばれているのか、ちょっと不思議ですよね?

サッカーは国際的には「フットボール」と呼ばれていますが、サッカーとラグビーの起源はイギリスという点では共通しています。

調べてみるとラグビーの語源は凄く単純でした。そしてサッカーとの意外な関係も見え隠れします。詳しく見ていきましょう!




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「ラグビー」を漢字で書くと「闘球」!

「ラグビー」を漢字で書くと、実は凄く意外な漢字2文字になります。正解は

闘球

です。

「ラグビー」の試合を見ると、選手同士激しくぶつかり合ったり、スクラムと言って、敵の選手と味方の選手同士が密集し組み合っている光景をよく目にします。

これらの光景があたかも「闘っている」ように見えることで「闘球」と名付けられました。

「闘球」の由来は敵性語から

歴史を辿ると「闘球」の表記の由来は、どうも第二次世界大戦にありました。

当時の日本ではカタカナ表記の外来語を使用することが禁じられ、「ラグビー」の代わりに「闘球」を使うよう義務付けられたわけです。

中国語だと違う表記?

日本では「闘球」となりますが、隣の中国語では全く違う表記となります。「ラグビー」は中国語で

橄榄球

となります、発音は「ガンランチウ」です。


橄榄」とは果実の「オリーブ」を意味します。恐らく「ラグビー」に使用する球が「オリーブ」に似ているから、という理由でしょうが、正確な由来は不明です。

若いギャル

大きさは全然違うんだけどなぁ



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ラグビーの語源を一言で!

ラグビー(Rugby)の正式名称は「ラグビーフットボール」と言って、2つのチームに分かれ楕円形のボールを奪い合って、相手陣のゴールまで運び得点を競うスポーツです。

イングランド発祥の競技ですが、現在は日本を始め、オセアニア、南アフリカ、アルゼンチンで人気が高いです。

中でもニュージーランドはワールドカップで3回も優勝している超強豪国です。


そのラグビーの語源についてですが、一言で解説したらこうなります。


ラグビーの発祥であるイギリスのラグビー校の名前から取った


そのままですね(笑)


しかしここで気になるのがラグビー校についてですよね。

ラグビー校とは現在のイギリスにある名門私立学校の一つで、その所在地はイングランド中部の「ウェスト・ミッドランズ州」内にあります。

そしてラグビー校がある町の名前も、ラグビー(Rugby)市と言います。


市町村名がそのままスポーツの名称として扱われるようになったのは、意外ですよね。

日本人の感覚でいえば「渋谷」や「品川」、「名古屋」といった名前をそのままスポーツ名に使うみたいなものです。


行政上は「バラ・オブ・ラグビー」に属する町で、人口は2005年時点で91,600人、ラグビーにあるからラグビー校という名前です。

ラグビー校自体は16世紀頃から存在していて、イングランドで最も古い歴史を誇ります。生徒達は映画『ハリー・ポッター』で描かれるようなハウスと呼ばれる寮で暮らすそうです。

とある少年のエピソードが由来?

ラグビーの発祥として今でも語り継がれているのが、このラグビー校に在籍していた1人の少年のある行為です。

その少年はいつものようにフットボールの試合に臨んでいたのですが、ある日とんでもない行動に走りました。


外国人男性

エリス少年が試合中にボールを持って、相手チームのゴールを目指して走り出した!

ここで登場するエリス少年の本名はウィリアム・ウェッブ・エリスで、1823年に当時17歳だった彼が上記のような行動を取ったことが、そのままラグビーの起源とされています。


もちろん他にも上記のような行動を取った人物はいるかもしれません。

しかし発明者の対象として名前が分かっている人物が彼だけなので、ラグビーの歴史を語る上では彼の名前は外せません。現在でもラグビー市にはエリス少年の銅像があります。

またラグビーのワールドカップの優勝記念カップは「ウェブ・エリス・カップ」で、彼の名前が使われています。

サッカーの試合中ではない!

日本の資料では「サッカーの試合中にボールを持って走り出した」と書かれた物もありますが、これは間違いです。

そもそも当時はまだサッカーというスポーツが正式に確立されておらず、あくまでフットボールという扱いでした。

※サッカーの語源と歴史、ラグビーとの関係について詳しくは以下の記事をどうぞ!

当時のフットボールでは手を使うこと自体は許されていました。

エリス少年がルールを破ったとされるのは、ボールを手で持ったことではなく、手で持って走った行為、すなわち「ランニング・イン」を指します。

その後ラグビー校ではボールを持って走ることがルールとして一般的になり、ラグビーは連合王国中で人気となりました。

しかし一部の高校でしか行われていないことや、さらにトリッピングやホールディングといった行為がスポーツマンシップに反するという理由で、近代サッカーと分裂することになりました。

こうしてサッカーが「FA」(フットボール・アソシエーション)として1863年に正式に誕生し、ラグビーは1871年にラグビー協会が設立しました。

因みにサッカーという名称は、イングランドの若者が言葉遊びで誕生しましたが、同時にラグビーも「ラガー」(rugger)という愛称で呼ばれました。

それ故、ラグビー選手のことを「ラガーマン」(rugger man)と呼んだりします。


ラグビーの起源は中世ヨーロッパ?

ラグビーの発祥はイギリスのラグビー校が最も有力な説ですが、実は中世ヨーロッパで行われていた民族フットボールが起源という説もあります。

原始フットボールとも呼ばれていますが、これは村同士が一つのボールを奪い合って互いの村まで運ぶものでした。

即ちラグビーの源流は既に中世から存在していて、「ラグビー市が町興しのために、エリス少年の名前を使って創作した」という説も一部で囁かれているようです。




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おまけ:ラグビーに関する用語の語源

ラグビーには、「トライ」や「ノックオン」、「スクラム」などいろいろな用語が出てきますよね。

いずれもラグビーの醍醐味となっている用語なのですが、せっかくなのでこれらの用語の意味と語源も見てみましょう!

トライの意味と語源

英語で「try」と表記し、相手のゴール領域にボールを接地して得点することを指します。

語源は「try at goal」から来ていて、昔のルールでは相手ゴール領域に接地しただけでは得点にならず、ゴールキックに挑戦する機会が与えられるだけでした。

日本語で「挑戦する」という意味なのに、「得点する=ゴール」という意味と同じなのはちょっと違和感ありますが、由来を探ると納得ですね。

ノックオンの意味と語源

英語で「knock on」と表記し、ラグビーにおける反則の一つです。お笑い芸人の中川礼二がものまねしたことでも有名ですね。

普通に訳すと「ドアをノックする」となるのですが、ラグビーにおけるノックオンとは簡単に言えば、「ボールをこぼしたり、落として前に推し進めた行為」のことです。

ラグビーではキック以外でボールを前方にパスしてはいけないので、たとえパスミスで誤って前方に落ちても反則と見なされます。

スクラムの意味と語源

英語で「scrum」と表記し、試合を再開するために選手が組み合うこと、いわゆるセットプレーの一つです。

英単語の語源としては「scrummage」から来ていて、意味は「小競り合い」を指します。

複数人の選手同士が密集し組み合っている様子が、小競り合いをしているように見えるから付けられました。

まとめ

今回はラグビーの漢字と語源、歴史についての解説でした!

ラグビーの語源が高校の名前から取っていただけということで、凄く単純でしたね。

ワールドカップの影響もあって、日本でのラグビー人気が今後も高まることに期待したいです!

※カタカナのスポーツ名の漢字表記をほかにも知りたい方は、以下の記事もどうぞ!







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