日本の国民的スポーツと言えばプロ野球人気もあって圧倒的に野球でしたが、ワールドカップ出場やJリーグの人気なども高くなってサッカー人口も増加しています。

多くの子供たちが未来の日本代表を目指して日夜サッカーの練習に明け暮れていると思います。

そんなサッカーで使われるボールですが、多くの人がイメージする色と言えば下の画像のように白と黒ですよね。

改めてですがどうしてサッカーの色が白黒というイメージが浸透したのか、気になりますよね?

その理由について今回は初期のサッカーボールのデザインなど、歴史を紐解きながら解説していきます。また最新の公式試合球についても少しだけ紹介したいと思います!




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初期のサッカーボールは茶色だった?

多くの人が想像する一般的なサッカーボールと言えば、冒頭でも紹介した白黒の色ですよね!

子供の頃に自分もよくサッカーで遊んでいましたがやはり白黒でした、学校の授業でも同じでしたね。


ただサッカーが誕生してから1960年代までは、今とはまるで違った外見でした。

そもそもサッカーボールの規格について解説しますと、実は色に関しては特に指定されているわけではありません。

ボールに求められる規格

  • 球形である
  • 革皮または適切な材質である
  • 外周は68-70cmとする
  • 重さは試合開始時に、410-450gとする
  • 空気圧は0.6-1.1気圧とする。

引用元:日本サッカー協会のサッカー競技規則第2条

大昔のサッカーボールの形状は球体ではあったものの色は全面茶色でした、下の画像のようにラグビーボールが真球になったような感じですね。

また牛の天然革皮で作られていたので雨が降ると水分を吸収し重くなったと言われています。

因みにこのボールは、アイルランド発祥の球技ゲーリングフットボールと同一のボールでだったそうです。

白黒のボールがW杯で採用されたのは1970年から

白黒のサッカーボールが初めて採用されたのは1970年のメキシコワールドカップでした。

この大会で公式試合球を初めて製作することになったアディダスは、今でもFIFAワールドカップの公式試合球を生産している会社でありますが、そのアディダス社が提案したテルスターと呼ばれるサッカーボールが由来です。

このテルスターの登場で、「サッカーボールの色と言えば白黒!」と言われるようになりましたが、実はこれよりも前に既に日本で白黒のボールが使われていたそうです。




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白黒サッカーボールの元祖は日本メーカー?

日本にサッカーが伝来したのは1873年とかなり昔ですが、ヨーロッパとは違って日本では芝生が少なく、茶色い土の上でプレイするスタイルが主流でした。

多くの学校のグラウンドも土しかないと思います、それもそのはずで昔の日本はサッカーよりも野球の方が人気が高かったからです。

そのため色がそれまでと同じ茶色だと、地面の色と見分けがつきにくいというのが問題になりました。

それを解消するために考案されたのが、白黒のデザインです。

このデザインを考案してボールを製作したのが日本のスポーツ用品メーカーの『モルテン』です。

モルテンが考案したのは、白色の六角形20枚と黒色の五角形12枚で構成された切頂二十面体という立体ですが、この立体に空気を入れるとより球形に近づきました。

土のグラウンドでも見分けがつきやすいということ、またより球体に近いという理由から1966年に生産して以降瞬く間に普及していきましたが、アディダス社はこの人気に着目したのです。


白と黒の色の視認性はグラウンドと見分けやすいというだけでなく、当時普及したモノクロテレビとの相性も抜群でした!

ワールドカップは4年に1度行われるサッカーの世界大会で、昔から多くの人が熱狂していました。ただせっかくのビッグイベントなのにモノクロテレビで単一の色で塗られたサッカーボールは地味で見分けがつきにくいから嫌ですよね。

白黒のサッカーボールを採用したことでモノクロテレビでも視認性が良く、これが好評だったことから”テレビ・スター“と呼ばれ、これを略してテルスターという名称がつけられました。


白黒のサッカーボールが一気に定着していったのはこういった経緯があったのです、日本の会社も関わっていたのは少し驚きですね♪

この理由に関しては日本サッカー協会の公式サイトにも述べられています。
日本サッカー協会 お問い合わせ/サッカーQ&A

パトカーの色が白と黒である理由とは違うの?

サッカーボール以外で白黒の色で有名な物と言えば警察車両のパトカーが有名ですね。

ただし色が白黒である理由はサッカーボールとはまるで違っています。

パトカーが日本で初めて登場した当時(昭和20年代頃)は、日本で生産される自動車のほとんどが白色でした。パトカーまで白色だと他の車両と見分けがつきにくくなるので、下半分だけ黒色にしたというのが由来だそうです。

近年はカラーボールが主流?

サッカーボールといえば、多くの人が白と黒の模様をしたボールであると想像すると思います。

事実ワールドカップやその他多くの公式試合でも採用されてきました。

 
しかし近年では徐々にその傾向が変わりつつあります。

先ほども書いたように、白黒サッカーボールを採用したのはモノクロ放送の時代に見やすくするためというのが主な理由でしたが、カラー放送が当たり前になった現在ではもはや不要です。

またグラウンドに関しても、サッカー用の競技場が昔よりも増えたことから、土と見分けがつきにくいという問題点も些細になってきました。

現にここ最近の国際試合やJリーグの試合でも白黒の模様をしたサッカーボールを見る方が稀になっています。

特に大きな転機となったのは2002年の日韓ワールドカップの時です。

このとき採用された公式試合球はフィーバーノヴァといって 、それまでの白黒の色、五角形と六角形の組み合わせという従来の見た目とは明らかに異なっていました。

この時期にサッカーに夢中になっていた人達の多くは、見たことがあると思います。

筆者は子供でサッカーにあまり興味がなかったのでなんとも思わなかったのですが、それまでのボールの色使いとは明らかに違っていたので違和感を覚えた人も多いでしょうね(;^^)

FIFA ワールドカップの公式試合球の歴史


また2006年のドイツ大会で採用された同じくアディダス社のチームガイストという公式球はそれまでのボールとは全く違う構造をしていました。

外部パネルにプロペラ状のパネル6枚とローター状のパネル8枚が外部に張り巡らされていてより真球に近いデザインとなっているほか、手縫いではなく溶着技術によって組み立てられているそうです。

2018年大会で白黒のデザイン復活?

様々な変遷を辿ってきた公式試合球ですが、2018年のFIFAワールドカップの公式試合球の名称はアディダス社製のテルスター18です。

既にご覧になっている方もいると思いますが、何と昔のテルスターと同じ白と黒の色使いになっていますね。

形こそ少し違いますが原点回帰と言うことでやや嬉しいです♪


またこのボールには最新技術の結晶とも言われるNFCタグが内蔵されているとのことです!

NFCタグとはスマホに内蔵されている無線通信技術専用のモジュールのことで、「お財布ケータイ」のアプリなどはこのモジュールのおかげで機能します。

これがボールに内蔵されていることでユーザーのスマホからもボールとインタラクションできるようになり、各ボールの詳細な位置情報やスペシャルコンテンツが提供される仕組みとなっています、なんだか凄いワクワクしてきます!(*ω*)!


今年のワールドカップも大いに盛り上がりそうです♪

日本代表のコンディション面がやや心配ではありますが、それでも好成績を出してくれることを祈りましょう\(^^)/




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