アメリカ合衆国の北に位置し、世界で2番目に面積が大きい国と言えば「カナダ」。
その「カナダ」の漢字表記を詳しくご存知でしょうか、とても意外な3文字になるんです!
またカナダという国は、その国旗の模様が非常に独特で印象に残りやすいですね。
これがカナダの国旗ですが、ご覧のように真ん中に木の葉のような模様がありますね。
初めて見た時はどことなく日本の日の丸と似ているなぁ、という印象でしたが、真ん中は“丸”ではなく、葉っぱのような形をしていますね。
一体なぜカナダの国旗にはこのような木の葉があるのでしょうか?
いろいろと調べてみましたら、意外な変遷を経たことがわかりました。
今回は「カナダ」の漢字表記と国旗について意味と由来、歴史についてわかりやすく解説していきます!
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「カナダ」を漢字で書くと?中国語との違いは?
世界2位の面積を誇る「カナダ」、漢字で書くとこうなります!
ご覧のように2つ表記があります。
まず上の表記は漢字3文字ですが、いずれも当て字です。「加」は音読みで「カ」、「奈」は「ナ」、「陀」は音読みで「ダ」なので、全部合わせて「カナダ」となります。
これはそのままなので、ある意味覚えやすいですね。
一方下の表記はちょっと難しくなりますが、これは中国語になります。
発音は「ジィアナダ」、なんと最初の漢字の発音が「ジィア」となり、「カ」ではありません。
実は外国語の地名を音訳したのは、昔の広東語が由来なのですが、この広東語では「加」をそのまま「カー」と発音します。
しかしこれを北京語に置き換えた際に、「加」をそのまま流用したわけですが、発音は広東語と異なり「ジィア」となったわけです。
漢字一文字では「加」!
「カナダ」は漢字で「加奈陀」、あるいは「加拿大」と表記されます。
しかし漢字一文字で「加」とも表記されます。
国際ニュースの際に略称として、よく先頭の「加」のみの表記が見受けられますが、これは「カナダ」を指しています。
因みに「加州」とかくと、これはアメリカの「カリフォルニア州」を意味します。
「加」一文字のときは国名の「カナダ」、「州」がくっついたら「カリフォルニア州」と区別しましょう!
カナダの国旗の由来
ここからはカナダの国旗について紹介していきます。カナダの国旗は両側に赤い線があって、真ん中にある木の葉の模様が非常に印象的ですね。
1964年に数名で共同でデザインした物が正式に制定されました。
このとき採用された案が赤と白の二色の使用で、白い長方形の部分を挟むように赤いラインが両側に並ぶような感じのデザインです。
実はサイズも特徴的で、横と縦の比がちょうど2:1になっていますが、日本の国旗は3:2になっているのでカナダの国旗は横長になっています。
ただ横長になっているだけでなく、真ん中に木の葉のマークがあるのが凄く気になります。
カナダの国旗といえば木の葉を思い浮かべやすいですが、この木の葉は一体どういった意味があるのでしょうか?
木の葉はカエデ!
カナダの国旗に描かれている木の葉はカエデ(楓)を表しています。カエデとは英語でmapleで、カナダを象徴する木となっています。
樹液はメープルシロップ、ホットケーキやパンに塗るジャムとして有名ですね。
どういうことかと言いますと、実はカナダはその国土の半分が森林で覆われており、また世界の約10%の森林を保有しています。
特に多いのがサトウカエデという木で、カナダ北東部からアメリカの一部に至るまで分布しています。ケベックからナイアガラまで続く「メープル街道」は、秋の時期は紅葉が色づくので有名な観光名所です。
そしてこのカエデの木の葉の形が、国旗で描かれているような5つに分裂した形になっているのです。
またカエデの葉の12本のとげは、カナダにある10の州と2の準州を意味しています。
- ブリティッシュコロンビア州
- アルバータ州
- サスカチュワン州
- マニトバ州
- オンタリオ州
- ケベック州
- ニューブランズウィック州
- ノバスコシア州
- ニューファンドランド州
- プリンスエドワードアイランド州
- ユーコン準州
- ノースウエスト準州
※ヌナブト準州のみ当時存在しなかったので除外
赤と白のラインは?
国旗の両側の赤いラインは、左が太平洋、右が大西洋、そして真ん中の白い部分はカナダ本土を表しています。
白くなっているのは、カナダという場所が寒冷地帯で雪が降っていることを強調するためです。
カナダ本土が太平洋と大西洋に挟まれている、まさに地図から見た通りの構図になっているわけです。
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昔のデザインは今と違う?
この国旗が制定されたのが1965年2月15日のことで、歴史としてはまだ半世紀ぐらいしか経っていないのです。
実は昔のカナダの国旗のデザインを見てみると、18世紀まではフランス王国の国旗が使われていました。
その次から現在までは、イギリスのユニオンフラッグが使用されるデザインとなりました。
カナダの国旗の歴史
見てみると現在と昔とではデザインが全然違います。
なぜフランスからイギリスの国旗が使われていたのか?これにはカナダならではの複雑な歴史的背景がありました!
カナダはフランス系移民とイギリス系移民でできた国!
カナダという国が正式に独立したのが19世紀の中頃で、初めてヨーロッパからの移民が到来したのが1535年のことです。現在のケベックシティ辺りにフランス人の探検家ジャック・カルティエが訪れたのが最初だとされています。
その後開拓が順調に進んでカナダの領土はフランス人を中心に拡大、全盛期は現在のアメリカのルイジアナ州にまで拡がっていました。
しかしこの支配もそう長くは続かず、その後イギリスが同じくアメリカ大陸に渡り、北米に13植民地を築いたのですが、この13植民地はカナダ東部と位置的に被るのでフランス系移民との間で衝突が起きます。
ロシアに次ぎ第2位の面積を誇る国でかつ資源も豊富ですから、必然的に領土争いに発展し、1755年にイギリスとフランスによるフレンチ・インディアン戦争が起きてしまいます。
そしてこの戦争にイギリスが勝利して、1763年のパリ条約によってサンピエール島、ミクロン島以外のフランス領土が他国に譲渡されます。
こうした歴史的経緯があるため、カナダという国はイギリス系移民とフランス系移民とに分かれた地域が混在しているのです。
現在でもカナダの公用語は英語とフランス語の2つとなっています。
1867年に独立!
しかし国旗の正式なデザインが決まることなく、カナダは1867年にイギリスから独立を果たします。
1965年まではユニオンフラッグが左上に描かれたレッド・エンサインという赤をベースにした国旗が使用されていました。
実はカナダはオーストラリアやニュージーランドと同じようにイギリスの旧植民地、すなわちイギリス連邦に属する国です。
そのため、敢えてイギリス連邦の一員であることを強調したり、また独立国家イギリスの国旗としての使用の場合は旧国旗が使われることもあるようです。
ですがイギリス連邦と言えども「君臨すれども統治せず」の原則があるようで、国家の主権は完全に独立しており、ほぼ形式上なものに過ぎません。
まとめ
カナダの漢字表記の紹介と、国旗のデザインについての解説でした。参考になりましたら幸いです。
日本と同じ赤と白の模様で覚えやすいですが、カナダの国旗はいろいろな歴史や変遷を経ていて複雑ですね。
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