地球には6つの大陸が存在しますが、その中でも最も大きな大陸がユーラシア大陸です。
しかしユーラシア大陸と一言で言っても、大きく分けて2つの地域に分かれます。
それはヨーロッパとアジアです。
基本的にユーラシア大陸の左側に位置しているのがヨーロッパで、右側に位置しているのがアジアだという認識が一般的ではありますが、具体的にどこから分かれるのか、その境界線について詳しく知っている人は少ないと思います。
近年トルコがEUへの加盟申請をしている動きを見せていますが、そのトルコは位置的に見てもヨーロッパかアジアなのか議論が分かれます。
トルコは果たしてヨーロッパなのかアジアなのか?
さらにユーラシア大陸の東西に大きく広がっているロシアは果たしてどっちなのか?
その辺も合わせて詳しく解説していきます、ぜひご覧ください!
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ヨーロッパ-アジアの地理的境界とは?
ヨーロッパとアジアの境界は一体どこなのか?
地理的な要素で考えますと、その境界は陸地の部分と海の部分と合わせて6つあります。
まず陸地で分けると、2つの山脈と1つの川が出てきます。
- ウラル山脈
- ウラル川
- コーカサス山脈
また海の部分で分けると、2つの内海と1つの海峡が出てきます。
- 黒海
- カスピ海
- ボスポラス海峡
以上の境界を地図上で示すと以下のようになります。
中でもウラル山脈はロシアとカザフスタンの両方の国にまたがって聳え立つ古期造山帯の山脈で有名ですね、現存する山脈では最も古いようです。
このウラル山脈より西側がヨーロッパ、東側がヨーロッパという分け方が一般的には広く知れています。
しかしこれだけ見ると、ウラル山脈はロシア国内の南北を走っていますね。
この山脈自体が国境になっていればそんなに大きな問題にならないのですが、いかんせん国の中に大きな山脈があって、一国でヨーロッパとアジアに分断されてしまいます。
果たしてロシアはヨーロッパかアジア、どっちなのでしょうか?
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ロシアはどっちになる?
ウラル山脈が南北に走ることで、ロシア連邦は国の中でヨーロッパとアジアという2つの地域に分類されるのかと単純に想像されます。
実際に地理上における地域分類では、ウラル山脈から東側でかつアルタイル山脈(ロシアとモンゴルの境界)以北は北アジアに分類されます。
そのためロシア連邦はウラル山脈以西で東ヨーロッパ、以東で北アジアに分類されるというのが正式な分類となります。
ただこれだといろいろとややこしいことになるので、そんな単純な話ではありません。
ロシアという国は宗教はキリスト教、民族構成はほぼ白人なのでこれでアジアという地域に分類されるのはいささか無理があります。
さらにWikipediaの「ロシア連邦」の「地理」の項目では以下のようにも書かれています。
面積を見るとヨーロッパ部よりアジア部の方が広大であるが、国土の西端に当たるヨーロッパ部に人口や大都市、工業地帯、農業地帯が集中していること、さらにスラブ文化の繋がりから、ロシアをヨーロッパに帰属させる分類が一般的である。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ロシア#地理
要するに国の西側の方が発展していて人口も多いからヨーロッパに分類させたほうがいいよねってことになるわけです。
このことはヨーロッパの国々の一覧が載っている以下のページでも確認できます。
ヨーロッパの国々
ご覧のようにハッキリとロシア連邦の名前が記されていますね。
また先日盛り上がったサッカーW杯でもロシア代表はヨーロッパ枠(UEFA)として出場しています。
以上のことからロシア=ヨーロッパという区分で正解です。
では次に紹介するトルコはどうなるでしょうか?
トルコはどっちになる?
トルコに関しては、ヨーロッパとアジアの地理的境界の画像をおさらいすると国の大半がアナトリア半島に属しています。
トルコでヨーロッパに属するのはバルカン半島の東側のごく一部分だけで、これだけ見るとまぎれもなく西アジアではないかと見えますね。
実際上に紹介したヨーロッパの国々のリストの中にもトルコの名前はありませんし、歴史的に見てもトルコはイランやイラクの影響が強い文化財が多くあります。
また以下の記事でも紹介していますが、トルコ国民の9割近くがイスラム教徒です。
イスラム教でクリスマスは祝うのか?国や地域ごとで解説!
かろうじてUEFAに加盟しているという点ではトルコをヨーロッパの一部として見ることもできなくないですが、やはり一般的に考えてトルコをヨーロッパとみなすのはやや無理があります。
にもかかわらずトルコは政府の公式見解では自国をヨーロッパの一部とし、EUへの加盟を申請しています。
一体これはなぜでしょうか?
トルコがEUに加盟する理由とは?
理由を超簡単に解説しますと、トルコは領土の一部(イスタンブールとその周辺)が完全にヨーロッパ側にあり、経済的には歴史的に見てもアジアとの結びつきは強かったですが、ヨーロッパとの結びつきも強かった国です。
このためアジアとヨーロッパ、どっちの経済圏に属した方がいいか?を考えた時に、単純に考えて経済規模の大きいEUに属した方がメリットが大きいからです。
そうした意義もあってか現在では経済的・政治的にヨーロッパの一員として活躍しています。
特に21世紀以降はその動きが顕著になり、人権問題を改善する改革を進めてきたおかげで、条件付ではあるもののEUへの加盟交渉の開始が認められるようになりました。
もちろんあくまで交渉が認められただけで、すんなりと加盟という形には行きません。
EU諸国でもイスラム教徒が多いトルコの加盟には慎重な姿勢を示す国も多いですしなおさらでしょう。
また自国内にいる多数のイスラム教徒も納得させないといけないので、トルコのEU加盟はやや非現実的という見方もあります。
まとめ
今回はヨーロッパとアジアの境界線とロシアとトルコの帰属について解説してきました。
改めてまとめますと
- ヨーロッパとアジアの境界は、陸地ではウラル山脈とウラル川とコーカサス山脈、海では黒海と地中海とボスポラス海峡となる
- ロシアは国内をウラル山脈が走っているが、国全体で見るとヨーロッパ
- トルコは国の一部がヨーロッパに位置しているが、一般的にはアジア
となります。
学校の地理の授業でも学ぶことですが、今後の国際情勢を見たり、サッカーの試合観戦などでも今回の記事の内容を役立ててもらえれば幸いです!
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