クリスマスといえば今や日本の12月の風物詩として定着しました。

さてそのクリスマスといえばキリスト教由来のイベントというのは既にご存知の方も多いでしょう。

そのキリスト教由来の行事が仏教や神道が主流だった日本で広まったのはなんとも違和感が大きいですが、実は世界を見渡すと意外な場所でもクリスマスを祝ったりします。


特にイスラム圏ではクリスマスの受け止め方は様々です。

そもそもイスラム教でクリスマスを祝う習慣があるのか?と多くの人は疑問に思うでしょうね。

イスラム教とキリスト教ってどことなく対立しているイメージが強いから、これについては想像しにくい部分がありますね。

ということで今回はイスラム圏におけるクリスマス事情について詳しく掘り下げていきます!




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イスラム教の国のクリスマス事情

このテーマに関しては多くの人が

イスラム教と対立しているキリスト教の行事を祝うなんてないでしょ?

というイメージを抱くかも知れません。


もちろんこのイメージはあながち間違ってはいません、昨今の中東情勢をニュース番組などで見るとそう思うのも無理はないですね。

厳格なイスラム教徒が多い国や地域では異文化の行事をほぼ受け入れずクリスマスの時期だろうとアッラーに祈りを捧げます。

しかし詳しく調べてみると全てのイスラム圏でクリスマスを禁止or弾圧していることはなく、むしろ寛容で受け入れている国や地域も少なくないです


中でも際立っているのが中東のサウジアラビアです。

サウジアラビアといえば世界最大規模の石油産出国として有名で、王室制度がある故か日本とも交流が深い国です。

石油のおかげで中東の中でも経済規模が比較的大きく、欧米とも親密な関係にあります。

そしてサウジアラビアといえばもう一つ大事なのが、イスラム教最大の聖地メッカと第2の聖地マディーナの2つを擁していることです。

世界各国にいるイスラム教徒が聖地巡礼のために訪れ、またサウジアラビアの国籍を取得する際にもイスラム教への改宗が義務付けられるほどの厳格にしています。

このようにサウジアラビアはイスラム教を国教として明確に定め、これ以外の宗派の存在を公式には認めていません。


しかし近年はこの姿勢にもやや変化が見られ始めました。

実はサウジアラビア国内には一定数以上のシーア派というイスラム教の少数派が存在しているのですが、このシーア派の存在を湾岸戦争以降認めるようになり、それと同時に非イスラム教も容認する方針に転換したのです。

※イスラム教におけるシーア派とスンニ派の対立や構図については、話が長くなるのでここでは省略します。

湾岸戦争以降は他の宗派を容認する方向へ方針転換を行い、法律上もシーア派以外にも他宗教の存在を公式に認めている。近年では他宗教の信仰も限定的ながら解禁されてきている[要出典]。

しかし、これは建前上のものとされ、地方では他宗派への差別的政策が未だ執られている。

また、他宗教の容認は国政の一層のイスラーム化を求めるイスラーム主義の改革運動の激化を引き起こし、サウジアラビア人によるイスラーム主義武装闘争派のテロを引き起こした。このため、各個人や集団による私的なジハードを禁止するために、国王の勅令がなければ禁止とする法令が出された。

国民の4%はキリスト教徒だとも言われているが、内務省の統計では外国人居住者(数十万人のアメリカ軍関係者と外国人)もキリスト教徒に含まれている。

近年では宗教指導者たちが示す宗教的見解と民衆の生活の乖離が進み、国民が宗教的な指導に従わなくなってきており、宗教指導者がハラーム(禁忌)であるとファトワー(宗教見解)を出したものの多くを民衆が利用していることが珍しくなくなった。代表的なものとしてポケモン、バレンタインデー、クリスマスなどがある。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/サウジアラビア#宗教

Wikipediaにこう書かれていましたが、サウジアラビアではもはやクリスマスを堂々と祝う習慣があるみたいです。

この点は日本ともどこか似ていますね。

確かにアメリカと仲のいいという点では日本とも共通していますが、いくらなんでもちょっと寛容的ではと思います。

最もイスラム教の元来の教えに従うとキリスト教の生みの親であるイエスを完全に敵視しているわけではなく、むしろ預言者として特別視しています。

多くの人が中東やイスラム圏はキリスト教とは不仲なイメージを抱きがちですが実際には仏教やヒンドゥー教よりも近い存在で、ユダヤ教も含めてアブラハム3宗教なんて呼ばれ方をされているんですよ。


さらに中東地域には大昔に現在の主流のキリスト宗派であるカトリックやプロテスタントから別れた組織があります。

それらのキリスト教の信徒からすれば、当然クリスマスを祝う習慣はあってしかるべきです。


他にもイスラム教を国教と定めている国の中でも以下のようにある程度クリスマスについては寛容な国もあります。

  • アラブ首長国連邦
  • チュニジア
  • バーレーン
  • エジプト
  • シリア
  • ブルネイ
  • マレーシア

これらの国では比較的イスラム教徒の割合も他のイスラム圏に比べても多く、戒律も緩やかな方でイスラム教徒でも西洋のファッションが目立ちます。

基本的には欧米と親交の深い国、中東の中でも比較的経済が発展している国が多いのが特徴です。

また昨今ニュースで話題のシリアですが、意外や意外シリア国内にはシリア正教会というキリスト教の宗派が存在し人口の約10%を占めています。

昨今では政府軍と反政府軍の対立で表立って大きな活動ができない状態になっているようです。政治情勢が落ち着くまではクリスマスを大々的に祝うのは止めた方がいいでしょう。


しかしこれ以外の国々でイスラム教を国教としている国々(イラン、イラク、イエメン、オマーン、バングラデシュ、カタールなど)では、キリスト教の割合も1%未満がクリスマスを祝う習慣はほぼないと言っても過言ではないです。

むしろ敵視している傾向があるといってもいいでしょう、同じイスラム圏でもかなり温度差があるということは認識しておいてください!




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国教ではないが国民の大部分がキリスト教の国

イスラム教を国教として定めていませんが、キリスト教が国民の9割以上を占める国のクリスマス事情はどうなのでしょうか?

代表的な例としてインドネシアとトルコの2カ国で解説していきます。

インドネシアの場合は?

インドネシアは世界最大の1億7000万人のイスラム教徒がいる国で有名ですが、国としてイスラム教を特別視しているわけでもなく国教にも定めていません。

憲法上信教の自由が認められているので堂々とクリスマスは祝うことはできます。
インドネシアのクリスマスの様子

ただしインドネシアの場合は確かにイスラム教徒の割合は大きいですが、その大部分はジャワ島やスマトラ島などに集中しています。

逆にカリマンタン島やスラウェシ島ではイスラム教徒と非イスラム教徒との割合が半々、ニューギニア島では1割程度で地域によってかなり偏りがあります。


またいくらクリスマスを祝ってもいいとは言ってもイスラム教徒が集中して多い地域で堂々と祝うのは気が引けます。

中には厳格なイスラム教徒もいたりするので、インドネシア国内でも祝う場所は慎重に選んだ方がいいでしょう。

トルコの場合は?

同じく国民の約9割近くがイスラム教徒を占める国でトルコがあります。

トルコといえば西アジアとヨーロッパの間にまたがる大国で、トルコ政府の立場ではヨーロッパの国として位置付けられています。

中東とも近いので歴史上ヨーロッパと中東両方の地域から多くの民族が行き来する場所になっていますが、宗教別人口を見てみると90%以上はイスラム教徒となっています。


ただしインドネシアと同じように国教としては定めていません。

トルコの場合は憲法上ライクリッキと呼ばれる同国オリジナルの政教分離原則があります。

政教分離とはその名の通り政治と宗教を分離する原則のことで、国家による特定の宗教の強制や弾圧を防ぐ意味でも大事な意味合いがあります。信教の自由と不可分の原則です。


このためイスラム教徒が大多数を占めても信教の自由が認められているのでクリスマスを祝っても問題ありません。

特にトルコは近年EUへの加盟を希望していることでも話題になっているので、なおさらクリスマスに対しては寛容的な姿勢をアピールしていると見えます。

もちろん政府が大々的にクリスマスを広めては政教分離に反するのであくまでも経済効果を狙っての意味合いが強いです。

そのため日本と同じように民間の商業施設が大々的にクリスマスツリーなどの飾り付けをしますが、あくまでも「外国のお祭り」という位置づけで特別視されていません。

【サンタクロースはトルコ人が起源?】

意外かもしれませんがクリスマスのサンタクロースの起源を探ると実はトルコ人だったという説があります。

サンタクロースの由来になっている人物はキリスト教の聖人の聖ニコラオスと呼ばれていますが、このニコラオスの生まれた地が古代の地中海沿いにあったパタラと呼ばれる商業都市です。

このパタラですが、詳しい位置を調べると現在のトルコのアンタルヤ県(トルコの南西)と呼ばれる場所にあったそうです。

つまりサンタクロースはトルコ人だった、ということになります!

けど本場のトルコ人は一体この事実をどのくらい知っているのでしょうか…


まとめ

今回はイスラム圏でのクリスマスの祝い方について解説してきました。

これまでの説明をまとめますと、

  • イスラム圏でクリスマスを祝っても大丈夫な国は、サウジアラビアやインドネシアやトルコなど欧米と信仰の深い国か信教の自由が保障されている国
  • イスラム教を国教としているイランやイラク、バングラデシュなどはクリスマスをほとんど祝わないといっても過言ではない

となります。


こうしてみるとサウジアラビアやインドネシア、トルコではクリスマスを祝ってもほぼ問題ないと言えます。

もちろん地域や場所によって差はあると思いますが、基本的にクリスマスの時期にこういった国に行くと商業施設などで大々的に飾り付けがされている光景が目にとまりそうです。

イスラム圏ではどういった感じでクリスマスを祝うのか気になりますが意外と日本とあまり変わらないかもしれないです。興味のある方はぜひ訪れてみてください!


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