今や12月の恒例行事となったクリスマスですが、世界各国を見渡すと祝っている国と祝っていない国があるのが現状です。
日本はもちろん前者になりますが、その歴史を辿るとGHQが占領していたよりも前、大正時代頃から日本ではクリスマスを祝う習慣が出来始めたそうです。
日本ではすんなりと受け入れられたキリスト教の行事ではありますが、日本と同じ漢字圏の国であるお隣の中国はどうなっているのでしょうか?
ここ最近のテレビのニュースを見てみると、中国に関しては反日だの言論の自由がないと言った、ネガティブなイメージが多く飛び交っているのが現実です。
ましてやクリスマスはキリスト教の行事なので、中国にとっては忌み嫌う風習やイメージがあってもおかしくなさそうです。
では本当に祝っていないのか、もしくは禁止されているのでしょうか?今回は詳しく中国のクリスマス事情を探っていきます!
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中国ではクリスマスを祝う?
結論から言いますと、中国でもクリスマスを祝う動きは普通にあります。
一見クリスマスとはほぼ無縁なイメージが強く持たれがちではありますが、都市部に行ってみると商業施設では12月になるとクリスマス一色になります。
祝い方も日本とほぼ同じで、恋人同士がロマンチックな時を過ごす他、贈り物を贈ったり、豪華なディナーを楽しんだり、クリスマスツリーを飾ったり、サンタクロースさんが子供達にプレゼントを贈ったりします。
特にディズニーランドがある上海のクリスマスは、物凄く盛大で日本の都会と同じかそれ以上の規模で飾り付けがされていたり、煌々とライトアップが飾られます。
「ここは本当に中国なのか?」と疑いたくなるレベルですね(;^^)
中国人は無宗教が多い?
日本と同じ漢字圏でもある中国については、宗教に関してもやはり仏教徒の割合が多いです。
ただ中国の宗教人口を調査してみると人口13億人いる中で、何らかの宗教を信仰している人口は実は1億人程度しかいません。
すなわち国民の8割近くは無宗教という形になっていますが、これは長年中国が宗教に対して弾圧を行ってきた影響が強いからです。
無宗教というか単純に宗教自体に興味がない、もしくは無神論主義者も多いのが特徴なのが今の中国とも言えます。そういう国民性もあってか、クリスマスの行事自体も受け入れやすかった側面はあります。
または日本と同様、グローバル化の波に押されているということでしょうか?
なんだかんだで中国人も13億人もいますし経済も発展してますから、外国の行事やイベントに興味を持ち始めて広めようという動きがあるという見方もあります。
ただここ最近では少し事情が変わってきています、それについては後半で詳しく述べます。
中国のクリスマスは年が明けても続く?
日本と違って中国の場合正月(新年)の祝いは1月の初めではなく、2月の初め(=旧正月)に行われるのが一般的です。
通称春節と呼ばれる中国の旧正月は2月5日に訪れるのですが、日本と違って1月1日の元日よりも2月5日の春節の方が重視されて盛大に祝われます。
近年では多くの中国人観光客が見込まれるということで注目度が上がってきた春節ですが、クリスマスが終わって年が明けて春節が来るまでクリスマスの飾りつけがされている場所があるみたいです。
今では春節前の中イベントという扱いになっていますね。
中国のクリスマスはリンゴを食べる?
日本でのクリスマスの食事と言えばクリスマスケーキですね♪
もしくはアメリカの七面鳥にならって、ケンタッキー・フライド・チキンやピザなどもクリスマスで定番の食事となっています。
しかし中国での食事はちょっと変わっています。
もちろん日本と同様ケーキやチキンを食べることはあるのですが、実はリンゴを食べるという変わった風習があるみたいです!
なぜリンゴを食べるのかと言いますと、これはクリスマス・イヴの中国語が関係しています。
12月24日のクリスマス・イヴを中国語で表現すると「平安夜」と書き、発音は「ping an ye」で、この言葉には「平安に一生暮らせるように」という意味合いが込められているそうです。
この言葉の発音とリンゴの発音が「ping guo」と似ていることから、リンゴを食べることが広がったという感じです。
外国の行事にも願掛けをするとは、中国としては少し意外でお茶目な一面もあるんですね。
ただしこれも一種の商業戦略なのですが、あまり評判は良くないらしいです(;-_-)
日本とは違って外来語も中国語で表現するのが中国の特徴です。当然クリスマス関係の用語も全て中国語、漢字で表現されます。以下に代表的な言葉を紹介しますね。
- クリスマス:中国語で「聖誕節」
- クリスマス・イヴ:中国語で「聖誕節前夜」
- サンタクロース:中国語で「聖誕老人」
- メリークリスマス:中国語で「聖誕節快楽!」
- クリスマスツリー:中国語で「聖誕樹」
こうして見ると、基本的にクリスマスは中国語で”聖誕“と書かれているのがわかりますね。
ですので中国語で「クリスマス~」と表現する時は、「聖誕(節)~」という形に当てはめれば大丈夫でしょう。
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クリスマスを禁止する動きも出始めた?
日本と同じようにクリスマスの時期は賑わうムードが漂っていたのですが、最近になってネガティブな変化も出始めました。
注目すべきは2017年、中国共産党のとある一部の人が党員に対して「クリスマス禁止」を一斉に呼び掛けていたということが、アメリカの国際放送局RFAで報じられました。
クリスマスは西洋の文化である、西洋の文化や風習を取り入れること、それは即ち文化侵略にあたる、という考えが強くにじみ出ているが故にこのような号令を出しているとされていますが、中国の憲法で信教の自由自体は保障されています。
中国国内でも全面的にキリスト教を禁止すると、欧米諸国との外交上よろしくないので、全面的に禁止は出来ずある程度寛容な姿勢を見せないといけません。
その証拠に最近では、カトリックの総本山でもあるバチカン市国との関係修復を模索しています。
またそもそも、改革開放政策の進展や情報化社会やグローバル化の流れで、共産主義思想が中国国内で徐々に崩壊しつつあると指摘されています。
そうした背景もあって徐々にではありますが、キリスト教信者が農村部や辺境地を中心に増加しており、クリスマスを祝う風習も広がったとされています。
他方で中国の伝統的思想を重んじる保守派や、一部の共産主義思想が強い人からは未だにキリスト教への抵抗心は根強くあり、近年のクリスマスの普及に危惧を感じて、禁止を呼びかける流れに至ったということになります。
現在でもアメリカのキリスト教迫害監視団体「オープン・ドアーズ」によれば、中国はイスラム諸国と同じくらいキリスト教徒に対する迫害が強い国と認定されています。
まだまだ中国がクリスマスに対して完全に寛容になったというわけではないということだけは、念頭に入れておきましょう!
まとめ
今回は中国のクリスマス事情について、祝い方と禁止されるようになった背景について触れてきました。
中国でも基本的な祝い方や過ごし方は日本とほとんど変わりません、違っているのはリンゴを食べることくらいです。
クリスマス禁止の動きも出始めたために少し残念が気がしますが、逆に言えばクリスマスに全く興味がない人or嫌いな人にとっては別にどうってことはないです。
日本でも「クリぼっちの人にとっては有難い!」などという書き込みがネット上であるくらいですからね(;^^)
もちろん恋人がいない男性のことを憂いているわけでなく、あくまで宗教と思想の事情なので誤解しないように!
中国人の友人がいる方にとっては少し気の毒な感じもしますが、こればかりは中国政府が寛容的な姿勢になってくれる他ありません。
この他中国以外の地域や国のクリスマス事情について、もっと知りたい方は以下の記事をぜひご覧ください!
オーストラリアの真夏のクリスマスはどんな光景? サンタがサーファー姿?
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