トランプ大統領がメキシコとの国境の間に壁を建設する旨の大統領令に署名しました。さらにその建設費用をメキシコに支払わせるとしています。

 
具体的にはメキシコからの輸入品に関税を設ける形で壁の建設費用に充てるそうですが、これに対してメキシコ側は反発を強めていて、メキシコのペニャニエト大統領は受け入れられないと表明、予定されていた首脳会談も中止になるなど、両国の溝がこれから深まりそうな予感がします。

 
そもそもなぜトランプ大統領がここまで壁の建設に拘っているのでしょうか?アメリカとメキシコとの間で長年の懸案事項ともなっている国境問題を今回は解説していきます。




スポンサーリンク

 

メキシコからの不法移民撲滅へ!

 
トランプ大統領がメキシコとの国境の間に壁を建設する最大の理由は近年増加したメキシコからの不法移民の撲滅にあります。

 
一番メキシコからの不法移民が多いのがアメリカのアリゾナ州で、毎年数十万人規模の不法移民がメキシコから来ているとされています。

もちろん現在でも国境警備に力を入れて、不法移民者の摘発は後を絶たないそうですが、そもそもなぜこんなに不法移民が多いのでしょうか?

 
アリゾナ州がメキシコと国境を接していて近いということもありますが、最大の理由は、メキシコとアメリカとの間で3倍以上の賃金の差があることです。またメキシコ自体の治安の悪さも原因にあります。

賃金も高く安定した生活を求めるために法を犯してでも国境を越えるのです。

 
そしてアリゾナ州は農業が盛んな地域で、アメリカ人が好まないような単純労働の仕事が豊富にあります。トランプ大統領は、メキシコからの移民でアメリカ人の雇用が奪われているとも述べていましたが、そもそもメキシコ人の多くがやる仕事はアメリカ人がやらないような仕事ばかりです。

また現地のアメリカ人の多くも、安く雇える移民の労働力が欲しいというのが本音にあるのです。そうすれば経済が活性化するという意見もあります。

 
つまり現地のアメリカ人も黙認している側面があるのでメキシコからの不法移民が横行しているということです。




スポンサーリンク

 

不法移民だけではなく麻薬も深刻

メキシコの風景

メキシコとの問題は不法移民だけではなく、増加する麻薬密売も影を潜めています。首都のメキシコシティでは失業者も増加していたり、経済が不安で治安も悪化し、凶悪犯罪が昼夜を問わず発生しているそうです。

 
メキシコの治安がなぜここまで悪いのかというと、その最大の原因は麻薬カルテルの存在にあります。

メキシコは世界有数の麻薬の生産国として知られていて、その大部分がアメリカへ渡っています。そしてその売上高は年間500億ドル(日本円で5兆)とも言われていて、

ただでさえ高価な麻薬はアメリカではさらに高値で取引されるのです。特に2000年代後半でマフィアなどが絡んだメキシコ麻薬戦争とも呼ばれる大規模な抗争があったことでも知れています。

 
世界有数の麻薬カルテルが存在する国と陸続きになっているがために、アメリカ国内への麻薬流入も後を絶ちません、近年では単に麻薬の売買だけでなく殺人や誘拐といった凶悪犯罪もアメリカ国内で多発しているそうです。

 
トランプ大統領の壁建設には、増加する麻薬密売を撲滅させるという意図も含まれています。
 

壁建設と移民送還は本当に効果があるのか?

増加する不法移民と、後を絶たない麻薬密売、これらの脅威をなくすために壁の建設は欠かせないと語るトランプ大統領ではありますが、果たして本当に実現できるのでしょうか?

 
そもそもメキシコとの国境は全長にして3000km以上という長さがあります。

アメリカとメキシコ

 
仮に本当に壁を建設して地上での流入を防いだとしても、海上や地下での移動まで完全に防ぎきれるものではありません。物理的・費用的に考えて巨大な壁建設は現実的ではありませんが、壁を建設するという名目で国境警備や取締りを以前よりもさらに強化するというのは目に見えています。

 
そして壁建設と同時に、アメリカ国内にいるメキシコからの不法移民の強制送還も訴えています。

ところがアメリカの建設業界の15%の労働者は不法滞在者とされています。仮にもしこれらの不法滞在者を強制送還させるとしたら、その分の労働力を失うことになりますし、その人たちの分の税収も失います。

つまりアメリカ経済が失速し、財政にも影響します。果たしてこれで本当にアメリカ第一主義が実現できるのでしょうか。

 
行き過ぎた保守主義でアメリカ経済を低迷させるのは目に見えていて、やはりどこかで軌道修正しないといけなくなるでしょう。
 

関連記事

ヨーロッパとアジアの境界はどこ?ロシアとトルコはやや複雑?

香港の言語事情を解説! 英語・中国語は通じるのか?




スポンサーリンク