オーストラリアといえば、南半球にある経済大国でお馴染みですね。
日本との間では経済連携協定を結んでいて、オーストラリア産の牛肉の輸入やシーシェパード関連のニュースでよく出てきます。
そしてそのオーストラリアの漢字表記といえば、かなり難しい漢字で書かれているのが特徴です。
例えば日本の首相とオーストラリアの首相が会談したら「日豪首脳会談」と報道されますし、スーパーに置いてあるオーストラリア産の牛肉は「豪州産」とか表記しますね。
このようにオーストラリアは漢字一文字で『豪』と書かれることがありますが、ここでちょっと「アレ?」と思いたくなるのは僕だけでしょうか?
「オーストラリア」なのに漢字が「豪(ごう)」っておかしくない?
オーストラリアと似ている「オーストリア」の漢字表記も気になるね。
確かにオーストラリアなのに、読みが「ごう」の漢字を用いるってちょっとおかしいですよね。
一体これはどういうことなのでしょうか?
またほかの国と違ってオーストラリアは漢字表記すると「豪州」と表記され、「国」が用いられません。
その理由も合わせて探って行きましょう!
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オーストラリアは漢字で「豪太刺利」!
オーストラリアといえば、南半球のオーストラリア大陸にある国でお馴染みですね。
そのオーストラリアは英語で「Australia」、日本語表記では片仮名で長い名称ですが、昔の日本人はこの片仮名に漢字をつけようとしました。
オーストラリアの漢字表記はイントロでも紹介しましたが、
豪太刺利
または『豪州』とも書かれます。
ただし「濠」については常用漢字表にないので、ニュースや新聞では「豪」と表記するのが一般化されています。
よって冒頭でも紹介したように、日豪首脳会談や豪州産など、オーストラリアを「豪」一文字で表記するのは、漢字表記した際の一文字目を用いているのが理由です。
漢字1文字ずつで分解してどの文字がどう対応しているのか詳しく見て行きますと
- 「オー」:「豪」
- 「スト」:「太」
- 「ラ」:「刺」
- 「リア」:「利」
となります。
「太」は平仮名の「た」の元になった漢字、「利」は右側がカタカナの「リ」、平仮名の「り」の元となった漢字でそれぞれ採用されました。
「太」と「利」については、どちらも外国語の音訳で広く用いられている漢字です。
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なぜ「豪」を使うの?
しかしここで即疑問に感じる点といえば、「オーストラリア」なのにどうして読みが「ごう」の漢字を使うのかと言うことですね。
仮に当て字として割り当てるなら、読みが「オウ」である漢字を用いた方がしっくりきますね。
この答えについては、このオーストラリアと名前が似ているもう一つの国の漢字表記が参考になります。
その国とはヨーロッパにある「オーストリア」です。
ドイツの東にある国で、オーケストラで有名なウィーンが首都です。
この「オーストリア」は「オーストラリア」とたった1文字違いで、最初の2文字が「オー」で始まる点が共通しています。
その「オーストリア」を漢字で表記しますと「澳太利」で、「豪太剌利」と1文字目の漢字が異なっています。
もうここでおわかりかと思いますが、仮に同じ漢字を両方の国にあててしまうと、略称が同じになって区別がつきません。
でもそれなら「オーストラリア」の略称を「刺」にすればいいんじゃない?
確かにこういう意見もありますが、果たして国の略称で「刺」一文字だけで表現してもわかりにくいだろうという見方もあります。
因みに「刺」という漢字は、「ラ」の当て字として外国地名の漢字表記でよく使われています。
「オーストラリア」以外では「ブラジル(伯剌西爾)」、「サウジアラビア(沙地亜剌比亜)」、あとはフィリピンの首都「マニラ(馬尼剌)」があります。
このように「刺」という漢字だけではこれらの漢字とも被ってしまいます。
あくまでも漢字一文字でどこの国か一発でわかるようにするために、敢えて「豪」と入れたということです。
また「豪」一文字には「つよい、勢いがさかん」と言う意味があります。
オーストラリアは白人の国です。
明治時代の西洋の国々の列強ぶりを強調するため、という意味合いもあったのでしょうが、ここばかりは昔の日本人の命名のセンスが問われるところですね(;^^
白人至上主義のことを「白豪主義」とも言うよね。
「豪国」ではなく「豪州」?
またもう一つ疑問となる点があって、それがオーストラリアを漢字二文字で表記した時です。
ほかの代表的な国を漢字二文字で表記しますと、
- アメリカ:米国
- イギリス:英国
- ドイツ:独国
など、「漢字一文字+国」となるのが普通です。
ところがオーストラリアの場合は、「豪国」ではなく「豪州」になっているのです!
「州」といったら、アメリカの州が有名ですが、もちろん「オーストラリア州」なんてものはありません。
これは漢字がつけられた明治時代の当初は、まだオーストラリアという国がなかったことが関係しています。
明治時代は、オーストラリア大陸、およびオセアニア地域一体は欧州各国(主にイギリス)によって植民地支配されていました。
そしてオーストラリアは現在も、イギリスの連邦制国家(国家元首をイギリスのエリザベス女王としている)です。その名残のため現在も「豪州」としているんですね。
もちろん事実上の独立国家ですから、普通に「豪国」と表現しても問題ないように思えます。
因みにオーストラリアの隣にあるニュージーランドも、やはりイギリスの連邦制国家です。
オセアニアの中でオーストラリアに次ぐ経済大国のニュージーランドの政治体制はどうなっているのか?首相の任命や選挙制度、代議院の定数や政党、さらに女性政治家など日本との違いも含めて解説していきます。
まとめ
今回はオーストラリアの漢字表記について解説してきました。
改めるとオーストラリアの略称が「豪」である理由は、同じような国名である「オーストリア」と区別するためでした。
また似た国名のオーストリアと区別するために、「墺」という漢字ではなく敢えて「豪」を用いることにしました。
仮にオーストラリアの漢字で「墺」を用いると間違いなので気を付けましょう。
因みにほかにもオーストラリアのサッカー代表は、アジア枠かそうでないかでよく論争があります。気になる方は以下の記事をどうぞ!
サッカーの国際大会であるアジアカップ、そしてFIFAでオーストラリア代表がなぜアジア枠で参加しているのか?その理由はオセアニアだと実力差がありすぎるから、また他地域とのプレーオフを勝たないとFIFA本大会に出場できないからの2つが関係していました。
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