代替材補完財と言えばミクロ経済学を習った時に出てくる言葉ですね。

この記事をご覧になっている方はほとんど経済学をある程度履修していると思います、そうでないとこの単語にまず行きつかないですからね。

大学の経済学の講義や、公務員予備校のミクロ経済学で習う大事な内容となっていますが、改めてその意味の違いや具体例がどういったものだったのか解説していきます。

これから経済学を学ぼうとしている人も予習の意味も込めて深く理解しておきましょう!

※ミクロ経済とマクロ経済の違いについて知りたい方は以下の記事をどうぞ!
ミクロ経済とマクロ経済の違いって何?扱うデータで区別!




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代替財と補完財の違いって?



代替財と補完財



ミクロ経済学で必ずと言っていいほど出される言葉ですが、その違いを一言で説明するなら以下のようになります。

  • 代替財とは片方の財の価格が上がるともう片方の財の需要が上がる関係にある財のこと
  • 補完財とは片方の財の価格が上がるともう片方の財の需要が下がる関係にある財のこと

要は代替財は補完財の対義語に当たります。ただこれだけの説明でも理解しにくい人はいるでしょう。

今度はそれぞれの言葉の意味の違いについて、具体例も合わせながら解説していきます!

代替財の意味・性質について

代替財とは簡単に言えばある財の代わりとなれる財のことを指します。

もっと具体的に言うなら、片方の財の価格が消費者にとって明らかに上昇したと感じた時に、消費者がその財の代わりとして購入する可能性が高い財のこととなります。

こんな関係性になりますが、やはり具体例を出して解説した方がわかりやすいですね。

代替財の例としてよく使われるのが、コーヒーと紅茶の2つの商品です。

コーヒーと紅茶、両方ともカフェインの入った健康的な飲み物というイメージが強く、午後の休憩時に安らぎを得るために飲んだり、集中力を高めるために作業中に飲んだりする人が多いのが特徴で、2つとも消費者にとっては互いに似たような商品と言えます。

もちろん個々人の好みの違いは若干ありますが、基本的にはコーヒーを飲む人は紅茶、紅茶を飲む人はコーヒーを飲むことは多いです。


ではこの時どちらかの価格が急激に上がったとしたらどうでしょうか?

例えばコーヒー豆は日本はブラジルやベトナム、コロンビアといった国から輸入していますが、これらの国のどこかで政情不安や天候不良が起きて生産量が一気に落ちたりすると輸入量が激減して価格が一気に上がります。

今まで一杯100円で飲めたコーヒーが一杯150円、200円と価格が上がるとすると、安易に手は出せなくなりますよね。


一方紅茶は価格が変わらず一杯100円のままです、となるとどういった現象が起きるのか?

必然的にそれまでコーヒーを飲んでいた消費者が紅茶へとシフトして、紅茶がよく売れるようになります。


これが代替財の成す意味となります。

もちろんこれは凄く極端な例です。

実際コーヒー豆が一気に価格高騰になることはほぼないですし、これだとコーヒー豆を売る業者にとっても大打撃となるので大抵政府によって価格調整が促されることがほとんどです。

また中には「絶対にコーヒーしか飲まないぞ!」という人もいますので、そういったごく一部の人にとってはコーヒーの代替財が紅茶とはなりません。

結局個々人の好みや嗜好の違いで代替財は変わってくるとも言えます。


またその財にしかない特性や固有のものが他の財には見いだせない時は、代替財とは言えなくなります。

宝石市場で言うところのダイヤモンドがその典型例で、ダイヤモンドは硬さや非金属であるといった点で他の宝石にはない価値があるのでダイヤモンドの代替財はないと考えられます。

【そのほかの代替財の例】

コーヒーと紅茶が代表的な代替財となっていますが、以下のような物も代替財であると考えられます。

  • ビールと発泡酒(または第3のビール)
  • 牛肉と豚肉と鶏肉
  • そばとうどん
  • サンドイッチとおにぎり
  • バターとマーガリン

最近は健康志向が強くなってきたせいかトランス脂肪酸の含まれるマーガリンよりもバターを好む人が増えてきたようです。




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補完財とは?

代替財とは真逆の関係性をなすのが補完財と呼ばれる財です。

これは何かといいますと、ある財の価格が上昇(下落)するともう片方の財の需要が減少(増大)する財のことです。


ではこれも具体例を出しながら解説します。

代替財の例ではコーヒー(または紅茶)を用いていますが、今回はもう片方の財Bとして砂糖を考えます。

この場合もう片方Aはコーヒーか紅茶のどちらでも構いません。

みなさんもこのどちらかを飲む時には必ずと言っていいほど砂糖を使用すると思います。(もちろん無糖派の人は除いてwww)

このように補完財とは相互に補完することで消費者の効用が得られる財を指しています。


他にもコーヒーであればミルク、紅茶であればレモンも含まれます。

これらの財はそれ単独では価格の変動はあまり起きにくいですが、例えばコーヒーか紅茶の価格が下がった時には変動の可能性が高くなります。

コーヒーが安くなった!→コーヒーの売れ行きが上がる!→コーヒーを飲む人が増える!→必然的に砂糖の消費量も増える

という流れになって、砂糖の売れ行きが上がるわけです。

もちろん同じ理由でミルクやレモン、場合によってはコーヒーメーカーも含まれますね。


ただしこの逆は成り立ちません。

すなわち砂糖の価格が低くなったからといって、コーヒーの売れ行きが上がるとは限りません。

砂糖はあくまでコーヒーの旨味を増すためだけの一部にすぎませんし、砂糖自体は料理などにも多く使われるからです。

【そのほかの補完財の例】

コーヒーで使う砂糖が代表的な補完財となっていますが、以下のような物も補完財であると考えられます。

  • パンとジャム
  • 自動車とガソリン
  • スマホと保護フィルム
  • 眼鏡と眼鏡ケース
  • ロールケーキと卵
  • ゲーム機とゲームソフト

企業の販売戦略もこの補完財としてどのような商品を売り出すかで収益の伸びがガラリと変わります。

 

まとめ

今回は代替財と補完財の違いについての解説でした、参考になりましたら幸いです!

経済学の中では初歩の内容かもしれませんが、初めて習う時には混乱する人もいるでしょう。ただこの内容を完全に理解しておかないと、先々もっと難しい内容も出てくるので厳しいですよ。

また代替財と補完財については、価格弾力性という難しい話も出てきますが、これについては長くなるのでまた後日紹介したいと思います。


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