太陽系第7惑星として知られる天王星は地球から遠く離れすぎていてあまりその特徴を把握していない人は多いでしょう。
太陽系の中で最大のサイズを誇る木星と輪っかが特徴の土星に比べれば、その外側にある天王星と海王星はどこか地味な存在に感じます。
それでもサイズを比較すれば地球よりも数倍以上も大きい上に多数の衛星を従えています。
他にもいろいろと面白い特徴を持っていて何といっても天王星は、
横倒しの状態で自転している
ことです!
一体なぜこのような状態で公転しているのでしょうか?
今回は天王星の特徴について主に自転軸のお話を中心にまとめてみたいと思います!
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天王星の特徴を解説!
天王星は太陽系で内側から数えて7番目にある惑星です。どういった特徴なのか箇条書きで簡単に列挙していきます。
- 英語名:ウラヌス(ギリシア神話から)
- 分類:天王星型惑星
- 発見年:1781年
- 発見者:ウィリアム・ハーシェル
- 最大等級:5.6等級
- 公転周期:84年
- 衛星の数:27個
- サイズ:太陽系の惑星の中で3番目の大きさ
- 表面温度:68K(ケルビン)
- 大気の成分:水素83%、ヘリウム15%、メタン2%
天王星は最接近時には肉眼でも地球から見えるため大昔からその存在自体は知られていましたが、遥か遠くの星座(おうし座)を構成する恒星の一部であるという認識に過ぎませんでした。
この天王星を初めて惑星であると観測したのがウィリアム・ハーシェルという天文学者です。
彼自身もそれが最初は彗星だと考えていたそうですが、観測が進むにつれて彗星だと仮定した軌道とは計算が合わないことに気づき、惑星と同じ円軌道と仮定して観測し直した結果やっと新たな惑星であることに気づいたのです。
天王星の英語名であるウラヌスとはギリシア神話に登場する天空の神のことです。
全宇宙を最初に統べた原初の神々の王とされています、体格もかなり巨大で宇宙その物を身にまとっているとかwww
神々の王と言いますとゼウスが最も有名ですが、それよりも遥かに強そうです。
神々の世界はスケールが本当にでかいですが、対決したらどっちが強いんでしょうかね( ゚Д゚)
言うまでもないですが、某セーラームーンに出てくるショートヘアの金髪の美少女のことではないですよ(;’∀’)
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自転軸が98度も傾き横倒しで公転している!
天王星の最大の特徴として挙げるなら何といってもその自転軸の傾きにあるでしょう。
上の画像が天王星の軌道を真横から見た図です。
見ての通り黄道面に対して自転軸が98度も傾きほぼ横倒しになっているのがわかりますね。
天王星の自転軸がなぜこれほど大きく傾いているのか、その原因は未だにハッキリしていません。
現在最も有力な説として考えられているのがジャイアント・インパクト説です。
ジャイアント・インパクトと言えば月が誕生した説として有名ですが、天王星も月が誕生したのと同様で巨大な天体が誕生初期にぶつかってそのままノックアウト状態になったというのです。
しかし天王星は地球よりも遥かに大きな天体です。
その天王星が90度以上も傾くにはたった1回の天体の衝突では計算が合わず、少なくとも2回は衝突しないといけないというシミュレーション結果があります。
天王星クラスの惑星を90度以上も傾かせるだなんてよほど大きな天体だったんですね。
しかもそれが2回も起きたとなると改めて誕生初期の太陽系は怖い時代だったなぁと痛感します。
天王星は昼と夜がない?
自転軸が90度も傾いているということは、地球で言いますと北極が太陽に対してずっと向いたまま自転しているということになりますね。
これが何を意味するのかと言うと、天王星には昼夜が存在しないということになります。
厳密に言えば公転周期が84年なので約42年間はずっと極地で昼と夜が続くということになります。
天王星の表面が他のガス惑星と比べてのっぺりと見えるのもこれが原因だと言われています。
昼夜がないということは気温の変化が起こりにくいことを意味するので、雲がほとんど発生しないからです。
その証拠に2007年頃に天王星はちょうど春分を迎えたのですが、横倒しのまま公転しているので春分点を通った時は自転軸がちょうど太陽の光の向きに対して垂直になっています。
この瞬間にやっと天王星の全域で昼と夜が交互に入れ替わるようになります。
気温の変化も起きるようになったため巨大な雲も発生したことが2011年の観測で明らかになりました、この時出来たのはメタンの氷で出来た雲と考えられます。
また極地の方がずっと太陽面に晒されているのに、赤道周囲の方が極地よりも温度が高いという研究結果があります。
このことについても未だにハッキリしていません、自転軸が傾いている原因と同時に天王星最大の謎と言えます。
自転軸が大きく傾いている天体は?
天王星の自転軸は黄道面に対して98度も傾いているのは本当に驚きです。
しかし太陽系には自転軸が90度どころか180度も傾いている惑星も存在します。
その惑星とはご存知金星です。
金星は自転軸の角度が177度、つまりほぼ倒立しているので地球とは逆の向きに太陽が昇ったり沈んだりします。
天王星が横倒しになっているのに対して金星は倒立しながら自転しているのは本当に不思議ですね、この2つの惑星には何かしらの因果があるのかもwww
※因みに自転軸がほぼ傾いておらず垂直に直立して公転しているのは水星と木星くらいで残りの4つの惑星は(地球を含む)概ね20~30度くらいの傾きになっています。
まとめ
今回は天王星の特徴について、主に自転軸の傾きを中心に紹介しました。
天王星は土星よりも外側にある惑星で今まで詳細な探査や観測ができずまだまだ未解明な部分は多いです。
天王星に最も近づいた探査機は1977年にNASAが打ち上げたボイジャー2号で、今まで知られていなかった10個の衛星や2つの環が存在していることを発見する成果を上げています。
ただボイジャー2号以降は天王星を探査する計画は実現のめどが立っておりません。仮にも宇宙探査には莫大な予算がかかる上に火星や木星の衛星系の探査の方がより優先順位が高いというのが理由だということです。
もちろんこのまま天王星や海王星を無視してほしくはないという思いはあります、仮にもウラヌスと言う立派な名前が与えられているわけですからね!
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