今回は現在のゲーム業界に蔓延している一種の悩みについて紹介します。
昨今でもスマホでゲームをプレイする人が増え始め、スマホゲームでガチャに課金する人が多いのも珍しくなくなってきました。
そんな現在ではPS4や任天堂スイッチ、XBOXといったハード機のコンシューマゲームは売れなくなってきているような気がしなくもないですが、それでも一定の需要はあります。
筆者は『FINAL FANTASY 15』を最近プレイしたばかりではありますが、今のゲームというのは実は昔のゲームと違ってクリア後も楽しめる要素が盛りだくさんです。
ただクリア後に隠し要素があるといっても、一昔前のドラクエのように
「隠しダンジョンや隠しキャラが仲間になります!クリア後も楽しめるよ!」
といった内容ではなく、ゲームソフト発売直後にダンジョンやキャラ、アイテムを追加で販売するという、いわゆるDLC商法です。
特にインターネット機能が搭載されたPS3が普及し始めた2000年代後半から、こういった商法で利益を出すゲームが多くリリースされましたが、一体どういった背景があるのでしょうか?
またこのDLC商法には批判も少なからずあるようです。どういった内容の批判と不満があるのか?詳しく考察していきましょう!
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ゲームのDLC商法には批判が多い!その理由は?
今でこそインターネットに繋がっている環境が当たり前のようになり、一昔前と違ってパッケージソフトをネット経由で購入する人も多く増えました。
現在主流のゲームハードはPS4とXBOX、Nintendo Switch、PS Vitaなどですが、ネットに繋がりソフトをダウンロードするという形態も当たり前になってきています。
その傍ら既にリリースされたパッケージソフトに新シナリオや新クエスト、新キャラ、新アイテム、新機能、新衣装などと言ったデータを有料または無料で追加配信するタイトルも増えてきました。
これがゲームのダウンロードコンテンツ、通称“DLC”となります。
筆者が冒頭で紹介した『FINAL FANTASY 15』にはメインキャラであるグラディオやプロンプト、イグニスを主人公にした外伝的ストーリーと、オンラインプレイを主体にした“戦友”、さらに2018年3月に発売されたロイヤルパック(王都インソムニアのアレンジ、追加ボス、クルーザー操作など)などがあって、全部買い揃えるとゆうに1万円近くかかります。
FF15のキャラ紹介!ホストゲーとの批判があるのはなぜ?
もはや当たり前になりつつあるゲームのDLCですが、その商法ややり方、内容について批判が多いのも事実です。
批判が多い理由は主に以下のようなものが挙げられます。
- 全て揃えるのに相当な金額が必要になる
- 値段に見合っていない薄い内容もある
- 未完成なゲームを発売しているような感がある
- ゲーム内に既にデータがあるのに解除キーを配布される形態もある
- 購入しないと本編が完結しない例もある
記事の後半でも紹介する内容とも被ってくるのでここでは簡単に箇条書きに留めますが、やはり好意的な反応は多くないです。
もちろんDLCが非常に内容が濃く面白いゲームもあります、ただ成功例は多いとは言えませんね。僕自身も初めてDLCがあるゲームをプレイした時、
「内容が薄い!最初からその内容で発売してほしかった!」
と率直に思いましたからね(;^^)
ネットが普及していなかった昔のゲームは発売されたらそれで完結、次回作を楽しみに待つというスタイルが主流で、それ以上そのゲームに対してお金を払うなんていうのはキャラクターのグッズ関係ぐらいでした。
それが今やダウンロードで次々とコンテンツが追加されて、気が付けば本編よりもDLCの方が総額で上回るなんていうケースもあるくらいです。
昔のゲームソフトは高額だと言われていましたが、今のゲームの方がDLCという手段があるので尚更高額になっちゃいます。特にバンダイナムコが発売した『アイドルマスター2』に至っては、本編が7980円に対して、DLCだけで133790円という値段になっています!
なぜDLCが普及した?
批判が多いDLC商法ですが、なぜここまで普及したのでしょうか?一昔前に比べると今やDLCがないゲームの方が少ないかもしれません。
その最大の理由ですが、冒頭でも紹介したようにゲーム機のインターネット接続が当たり前になったということもありますが、何といってもソシャゲの存在感があります。
ソーシャルゲームではご存知ガチャがあります。
ガチャを回す事で新しく実装された強いキャラやアイテムを入手できます。ただしレア度が高い(=排出率が低い)と何度回しても入手できず、出るまで回す人が多いため、結果として大量に課金するユーザーが増えるわけです。
日本のスマホゲームのガチャ商法がマジキチすぎ
ソシャゲの場合は基本無料を謳っており且つ運営型なので、ガチャで収益を出さないと話にならないわけです。
そのためレア度の高い新キャラや新アイテムの排出率を消費者庁から規制がかからない程度に下げて、何度もガチャを回させるよう射幸心を煽らせます。
人気のあるソシャゲですと廃課金や重課金レベルユーザーが少なからずいるので、ますますソシャゲ市場が潤うわけです。
一方でソフトを購入しないとプレイできないコンシューマゲームで、ソシャゲと同じガチャ商法を取り入れると批判殺到です。
今やスマホでゲームをする人の方が圧倒的に多いため、ただでさえコンシューマゲームは売れにくい状況になっています。
グラフィックやストーリー、システムなどソシャゲにはない魅力も多くあるのも事実ですが、それでもゲームハード機自体が高額なため苦戦しています。
そこで何とかソシャゲに対抗するために、ゲーム業界は必死こいてDLCの製作と販売に躍起になっているのです。
事実『Mass Effect』や『ウィッチャー』、『Skyrim』などDLCが好評なタイトルもあります。むしろDLCの方が面白いゲームもあるくらいです。
その他にも次の新作ゲームを発売するための繋ぎという意味もありますが、いずれにせよDLC抜きにして今のゲーム業界は成り立たないと言っていいでしょう。
無料で十分じゃないの?
DLCに関してはそのほとんどが有料で配信されるものばかりです。
ここで「何で有料じゃないといけないの?」と、怒りにも似た疑問を抱く人が少なからずいます。
事実無料アップデートで追加されるコンテンツもなくはないです。
そうした無料追加分に関してはあまり批判されることもなく好意的に受け止められます。
これはコンビニなどで弁当を購入した際に、割り箸とおしぼりを店員が無料で入れてくれる行為とほぼ同じことですね(;^^)
しかしよく考えてみてください。
DLCには本来のゲームに数多くの追加価値を与え、本編をクリアした後でもまだ遊び続けさせてくれる魅力がありますが、それを開発する費用と人件費がどうしても大きくかかってしまいます。
そのためDLCを無料で提供するなんていうのは無理があるのです!
ゲーム会社と言えどやはり利益を重視しないといけないわけですからね。
むしろ出るかどうかわからない運試しの要素が強いガチャゲーより、確実に目当てのアイテムが手に入るDLC型の方が良心的と言えます。
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歴代のひどいDLCの例
これまでに発売されたDLC付のゲームは日本のみならずアメリカでも多く発売され、2000年代後半から徐々に増え始めました。
そんな歴代のDLCの中でも特に不評な例をいくつか紹介しましょう!
The Elder Scrolls IV: オブリビオン
2006年にアメリカで発売されたオープンワールドのアクションRPGで、当時はまだ日本ではPS3が発売されてもいないDLC黎明期でした。
このゲームでホースアーマーというDLCが発売されましたが、その内容は「馬に鎧を着せるだけ」のコンテンツでした…
値段は約300円相当でしたが、正直この程度の内容では無料アップデートで十分ですよね。
ただリリースされた時期が2006年頃と考えると、当時としては非常に斬新でこれが限界だったのかとも言えなくもないです。
英語のスラング辞書サイト「Urban Dictionary」では、“Horse Armour”という単語は「無価値、ぼったくりビデオゲーム」という意味で登録されているようです。
今では無価値なDLCの代表例となっていますが、意外なことにベセスダ(アメリカのゲーム会社)トップ10内に入るほどの売り上げを記録しており、後に登場するDLCの先駆け的存在ともなりました。
むしろこれはまだマシな部類です(;^^)
アスラズ ラース
2012年2月にカプコンから発売されたアクションゲームです。
発売前はぶっ飛んだ内容の演出が大々的にPRされていましたが、いざ発売されてみたら単調なアクションとQTEを繰り返すだけの内容で、尚且つ最終章がまさかのDLC配信という形式になっており多くのユーザーの不評を買いました。
メタルギアソリッドV ファントムペイン
メタルギアシリーズ8作目、オープンワールドを取り入れたステルスゲームです。
本作品でオンライン上にFOBと呼ばれる前線基地を建設することができるのですが、これにはMBコインというゲーム内通貨が必要になります。
しかしこのMBコインはログインボーナスなどでは入手できる量が限られるので、実質課金に頼らざるを得ない状況なのです。
1基地建設するのに日本円で1600円くらい必要になるとのことです、正直高いですよね(;-_-)
あまりにも衝撃的な商法で、発売元のコナミと開発元の小島プロダクションとの間で確執が生じたと噂されたくらいです。
テイルズ オブ ゼスティリア
2015年1月に発売された人気RPGテイルズシリーズの15作品目にあたります。
有料DLCとしてキャラクターのアリーシャ及びデゼルの衣装が販売されましたが、なんと肝心のアリーシャが物語序盤に、デゼルが終盤にパーティーから抜けてしまう事態が判明します。
加入して使える期間が短いor終盤で使えないこともあって、せっかく購入したユーザーから不満が殺到します。
その後それ以外のキャラにも使い回すことが判明しましたが、そもそもアリーシャやデゼルに着せるために購入したユーザーにとっては全くフォローになっておらず、公式からの謝罪も無かったため大炎上しました。
さらに極めつけに酷いのは、ラスボス戦後で高確率で進行不能になるバグが発生することです!
これらの要因もあってテイルズシリーズ20周年記念作品であるにも関わらず、ゲームとしての完成度が極めて低いという評判に落ち着きました。25周年はどうなることやら…
RailWorks 3 Train Simulator 2012
Dovetail Gamesが開発した鉄道シミュレーションゲームです。
PCシミュレーションで最も現実に近い電車の運転を体験出来るゲームと謳われていましたが、鉄道に乗ったり路線を増やすのにリアルマネー(有料のDLC)が必要になるのも現実に沿っています。
全ての鉄道を体験するのに総額20万円以上かかるようです、たかがシミュレーションゲームなのに…
ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル
『ジョジョの奇妙な冒険』の原作漫画25周年記念で発売されたゲームで、発表当時は大きな期待を持たれていました。
しかしいざ発売されてみると、スタミナ消費型のシステムが導入されており、そのスタミナを回復するアイテムが何とDLCとなっていたというほぼソシャゲと変わらないような仕様だったのです!
これには多くのユーザーから不満と批判が巻き起こりました、まぁ当然ですよね。
その後スタミナ回復速度を上昇させたり、配信されていたDLCキャラも無料で追加するといった措置が行われましたが時すでに遅しでした。
「永久コンボができる」といった不具合もあって、発売から1か月後のAmazonでの通常版真販売価格が定価の3割程度になるほど落ち込みました。
原作が非常に人気が高く熱烈なファンが多かったからこそ、その反発も強くなったと言われています。
最後に一言!
今回はDLC商法に対しての批判と理由、及び不満が大きかったDLCの代表例の紹介でした、参考になりましたら幸いです!
人間が「当たり前」と思う基準は時代が進むにつれ変化します。DLCというものが出てきた当初は
「有料?まだ金取る気なの?ふざけんな!」
という声が大きいものでしたが、それに慣れてくると今度はシーズンパスだの有料ガチャだの、昔の基準で考えるとあり得ないようなシステムが今では徐々に受け入れられている現状です。
もちろんその内容がゲームをより楽しめる物だったり、価格に見合っているかそれ以上の価値がある内容であればユーザーも満足するでしょう。
ただこのDLC商法が当たり前になると、少なくともゲーム業界というものにとっていい方向には進まないと思われます。
筆者自身もDLC付きのゲームを初めてプレイした時「え?何でこれで金とるの?」と素朴に思いましたから(;^^)
いくらソシャゲのガチャに対抗するためとはいえ、追加で料金を払わないと本編が完結しなかったり、攻略が不十分になるようなDLC商法はやめてほしいかなと思います。
まぁコラボ系のイベントや季節限定のコスチューム、特定のキャラクターの外伝的ストーリーなど、完全に本編とは関係ない部分のDLCならまだマシだと思いますが…
費用対効果を考えると無料配信は難しいものですが、コンシューマーゲームがますます売れないor衰退するのかなぁと思ったりします。
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ゲーム業界は確かに変わってきていますが、ユーザー目線よりもいかにして効率的に利益を出すか、という方向にシフトして言ってる感が否めないですね。
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