「名無しの権兵衛がいますよー!」
学校の授業のプリントやテストなどで名前を書き忘れて、こう呼ばれた人も多いでしょう。
でもこの言葉ってよく見てみると、名無しと言っておきながら権兵衛と変な名前が付けられていますよね?
なぜ名前がない人のことを権兵衛などと呼ぶのでしょうか?
今回はこの言葉の由来と同時に英語でも似たような表現がないかを調べてみたのでぜひご覧ください!
スポンサーリンク
名無しの権兵衛の由来とは?2つの説を解説!
名前がない人のことをなぜ名無しの権兵衛というのでしょうか?
そもそも権兵衛って誰よ?
こういう疑問が湧いてきますね(;^^)
この言葉の由来をあれこれ調べてみましたら、主に二つの説が有力なようです。
一つ目の説が深川説と呼ばれるもので、これは江戸時代にまで遡ります。
江戸の深川という歓楽街に遊女を雇い入れるお店がありました。
しかしこの地は幕府公認ではなかったために正式な手続きを経て雇うことができませんでした。
そこで幕府の目を逃れるために、遊女の名前を男性風に偽らせることで誤魔化そうとしました。
この時に用いられた男性風の仮の名前が権兵衛です。(権兵衛とは百姓に多い名前でした。)
雇い入れたばかりの女性はまだ権兵衛の名前がなかったので、そういった名前のない遊女を「名無しの権兵衛」と呼んだ。
これが深川説の概要です。
もう一つ有力なのが日枝神社説です。
東京都赤坂にある日枝神社でまつられている手鞠歌の中に、”名主の権兵衛”という部分があって、それが時代を経ていつの間にか”名無しの権兵衛”になった。
という内容です。
どちらを信じるかはあなた次第ですが、深川説の方は女性に対して権兵衛と名付けたからちょっと無理がある感じがしますねwww
いくら幕府の目を逃れるためとはいえ、こんな手法で本当に誤魔化せたのでしょうか?
そもそも現代社会で女性に対して名無しの権兵衛と呼ぶのは少し違和感ありますね、「名無しのお両」なんて変えてはどうでしょう?
スポンサーリンク
英語での表現とは?
名無しの権兵衛は日本語で「名前がわからない人」に対して与えられる俗語で仮名のようなものです。
けど人に名前が与えられるのは万国共通の習慣ですよね?
だとしたら...
英語でも似たような表現があるはず!
こういう風に考える人もいるでしょう。
その考えはもちろん正解で英語でも「名無しの権兵衛」にあたる表現は存在します。
日本語では権兵衛と言うやや昔風の名前になっていますが、英語だと「John Doe」となります。
ジョン(John)と言うのは、英語だとかなりありふれた名前ですよね。
海外の有名人で例えたら、
- ジョン・トラボルタ(ハリウッド俳優)
- ジョン・ヴォイト(ハリウッド俳優)
- ジョン・ステイモス(ハリウッド俳優)
- ジョン・カーペンター(映画監督)
- ジョン・ウー(映画監督)
- ジョン・ボン・ジョヴィ(歌手)
などがいます。
姓にあたる”Doe”は架空の姓の意味があります。しかしより具体性を持たせるために”スミス”と言うありふれた姓を割り当てる場合もあります。
「ジョン・ドウ」ではなく「ジョン・スミス」と呼ばれることもしばしばあって、これは日本語で言うなら「山田太郎」となります。
というか山田太郎なんて姓名の人は自分も会ったことがないです、野球漫画の『ドカベン』の主人公しか知りません。
いたら逆に珍しいくらいですよ(;^^)
現在では「表現の自由を守る会」の会長を務めているらしく、漫画・アニメ・ゲームなどの表現規制に一貫して反対しているらしいのです。詳しくはコチラから!
また対象となる相手が女性の場合は、名前にジェーン(Jane)が用いられて、”Jane Doe”、”Jane Smith”という呼び方もされます。
英語だとちゃんと対象が女性の場合でも名前が用意されているのが凄いですね(^▽^)/
ジョン・ドウ起訴とは?
ジョン・ドウ(ジェーン・ドウ)という名前はアメリカでごくありふれた姓名でありますが、実は日本よりも多用されているケースがあるのです。
それにはアメリカならではの社会的事情が関係していました。
アメリカは日本と比べても犯罪が多いと言われています。
年間における裁判の数や犯罪人の数も日本の何倍以上の規模です。そのため訴訟において名前不明の人物を起訴する時にもこのジョン・ドウという仮名がよく用いられるのです。
これがいわゆるジョン・ドウ起訴と呼ばれるものです。
2000年代以降になると犯罪捜査においてDNA鑑定の精度が向上し、赤の他人を真犯人と誤る確率が極端に小さくなりました。
その結果容疑者の身元を特定できなくても、犯行現場にある髪の毛やその他諸々の痕跡から本人のDNAであると一致できれば、確固たる物的証拠として起訴できると判断できるわけです。
特に性犯罪においてこの起訴方法が多く、男性の性犯罪者が多数を占めることから「ジェーン・ドウ起訴」という呼び方がされることはありません。
こういった背景がありますのでジョン・ドウ(ジェーン・ドウ)はアメリカでは使わない方がよろしいですね、犯罪者と間違われますのでwww
まとめ
今回は名無しの権兵衛の由来と英語での表現方法を紹介しました、参考になりましたら幸いです。
日本では俗語の域を出ない権兵衛という言葉ですが、英語だとちゃんとした姓名があってしかも裁判などでも使われていたのは驚きですね。
いろんな国にいろんな仮名があって面白いです、名前がないと困る人が多いのはどこの国でも同じですね。
【こちらの記事もどうぞ!】
スポンサーリンク