日本には47の都道府県があって、それぞれの都道府県にいろいろな会社があります。

しかし首都一極集中型といわれる日本では、会社の本社は圧倒的に東京にあります。

それ故人口当たりの社長の数も東京が断トツで多くなります。

 
単純に人口が多いので当たり前ですが、意外なことに地元出身の社長となるとまた話が違ってきます。

実は民間のとある調査機関によりますと、人口10万人当たりの社長の数としては福井県が最も多く輩出しているというデータがあります。

 
なぜこれほどまでに福井県は地元出身の社長を多く輩出しているのか?

その理由を地理的・歴史的観点から紐解いていきます、ぜひご覧ください!




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福井県は地元出身の社長が断トツで多い!

民間の調査機関である帝国データバンクが調査したデータによりますと、社長出身地別輩出率(人口10万人当たりの社長輩出数)で福井県が35年連続トップに立ちました。
※ソースは以下のページから。
社長排出率、福井県1位揺るがず 35年連続、帝国データバンク調べ

 
どうして福井県にこれほど地元出身の社長が多いのか?

因みに福井県の人口は約78万人(2015年調査の結果)、社長の絶対数としては当然東京都の方が多いですが、人口10万人当たりの割合で比較すると圧倒的に福井県が多くなります。

福井県とほぼ同じ人口の規模を誇る徳島県(約76万人)の社長の数が8400人、 富山県が11000人なのでその差は約2500人もいます。

 
実は福井県は他の都道府県に比べると家業会社が多いという特徴があります。

家業会社とはその名の通り家族(または父親か母親かのどっちか)が会社を経営して、その経営権を子どもに代々受け継がせる形式を取っている会社のことです。

もしかしたらこの記事を読んでいるあなたも親が経営者でその仕事を受け継がないかと言われたことはありませんか?

就職難と叫ばれて久しいですが、そもそも親が何かしらの事業をしているのであれば最後の手段としては家業を受け継ぐ人も少なくない筈です。
就職したくない人は起業するべき? 30年続く会社はどのくらい?

 

福井の家業会社は地場産業の要!

福井県にある地場産業の多くは家業会社が支えてきました。

例として福井県鯖江市には眼鏡フレームの家業会社があって全国で90%以上のシェアを誇るほか、繊維産業や電子部品製造などの分野でも福井県の家業会社が支えています。

福井県は工業地域としては北陸工業地域の中でも中心の役割を担っているほど工業が盛んなのはこうした家業会社、地場定着型の産業を古くから繁栄させてきたからです。

この傾向は大学教育にも根付いているようで、地元の福井工業大学と福井大学の出身者が社長就任数の1位と2位を争っているほどです。

 
けどなぜこれほど福井県では家業会社が発達してきたのか気になりますね。

それには福井県ならではの地理的要素、交通における利便性の高さが深く関わっていました。




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福井県の県民性と地理的条件が理由?

福井県出身の人達の県民性を表す言葉として「越前詐欺」と呼ばれるものがあります。

詐欺と言っても人を騙す意味での詐欺ではなく、「目端が利いて商売上手」という意味になります。

つまり福井県民は商売上手な人が昔から多かったということです。その理由を探ってみると主に地理的要素が大きく関係していました。

上の画像は福井県とその周辺にある都道府県の配置図です。

ご覧のように福井県は中部日本の中でも東西に長く伸びた形となっていますね。

 
そして日本海側に面しているということから、昔からここを拠点に交易する港が多くありました。

特に江戸時代の時には北海道と大阪間を物資輸送する北前船が立ち寄る港として、三国湊と河野と敦賀の3か所にありました。

 
また西に目を向けると京都、大阪といった大商圏が近くにあって、商売上手な近江商人が多くいたことで有名な滋賀県と隣り合わせだったことも大きいです。

 
それ以外にも、福井県は北陸に位置していて冬になると雪のせいで仕事ができない人も多くいたから、副業として眼鏡や繊維産業を発達させたという側面があります。

 
西日本と北日本の交易の中継地点であったこと、また雪国ならではの忍耐の強さで福井県民の起業意欲や商売魂が育てられたということですね!

 

まとめ

以上福井県に地元出身の社長が多い理由についての解説でした!

まとめますと福井県が日本の中部に存在していたことと日本海に面していたことで多くの船が交易の中継地として寄り、その影響で商売上手な人が多く集まり、残った人達がそのまま会社を立ち上げて現在に至ってきたからです。

しかしこれはあくまでも江戸時代までのことです。

 
時代は移り変わって今では交通機関が発達し、全国から東京や大阪、名古屋といった都市圏に人が集中していきます。

今は地方との格差が大きくなったと叫ばれていて福井県も例外ではないようです。

 
しかし大都会の企業や会社は全国各地から秀才が集まりやすいので、中々出世への道のりは険しいものです。

将来は会社の社長として成功したい!もしくは起業・独立してみたい!

と思っている方は福井県の会社に就職してみてはいかがでしょうか?もちろん冬は寒いので防寒対策は必須ですがね(^ω^)

 
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