渡り鳥と言えば多くの人が空を群れで飛ぶ光景を思い浮かべます。
こんな感じですね。
しかし改めてみると渡り鳥は独特なフォームで飛んでいることが多いです。
中でも上の画像のようにV字型で飛ぶのが特有になっています。
カモや白鳥などの少し大型の鳥によく見られる編隊飛行なのですが、どうしてこのような形で飛ぶのでしょうか?
いろいろと調べてみましたらこれにはちゃんとした科学的な理由があったことがわかりました。
またV字の先頭で飛ぶ鳥についての豆知識も合わせて紹介していきます!
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渡り鳥が長距離を飛行する理由とは?
渡り鳥とは食料の確保や繁殖などの事情で定期的に長い距離を移動する鳥のことです。
その多くが群れを成して長い距離を季節の節目で飛行を始めます。
日本では冬の時期にシベリアから飛来してきたオオハクチョウが越冬のために千島列島を経由して渡来してきます。北海道の根室や秋田県の八郎潟に行けばその姿を見ることができます。
渡り鳥は最強のGPSを持っている?
渡り鳥は毎年決まった時期に決まった場所にやって来ます。
なぜ迷子になったりしないのか?
様々な研究がされていますが、最近になってわかってきたことは渡り鳥は昼間は太陽の位置、夜は星座の位置を目印にして飛んでいるということです。
さらに風の向きや地球の磁場も感知できるようで、まさに超高性能なGPS能力を携えているということになります。
しかしこれらの能力については生まれながらにして持っているわけではなく鳥の経験則の中で組み込まれていく部分も多くあって未知の領域となっています。まだまだ研究の余地が残されているということです。
ただしそれでも全ての鳥が完璧というわけではなく、時々迷鳥といって群れからはぐれてしまう鳥も出てきます。
最も長い距離を渡るのがキョクアジサシと呼ばれている鳥で、1年の内に北極圏と南極圏を行き来します。飛行距離で換算しますと1年で3万2000kmで地球の円周の約3分の2です。
キョクアジサシの飛行ルートに日本は含まれないようですが、迷鳥として時折記録されています。
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渡り鳥がV字形で飛ぶ理由は?
渡り鳥のV字飛行には昔から様々な憶測が生まれていましたが、最近の研究によれば省エネで飛行するためというのが最も有力な説のようです。
鳥が羽ばたくと翼の周りに空気の渦が出来てそれが外側に広がります。この時に生じる渦を翼端渦と呼びます
その鳥の斜め後ろにいる鳥がその翼端渦を利用すると、自分が飛ぶための助けとなり羽ばたくのに使う力を小さくできます。
そのさらに後続の鳥にも恩恵がいきます。こうして渦が伝播することでお互いの飛ぶ力を低くできます、単独飛行よりも圧倒的に省エネなのです。
先頭の鳥はどうする?
非常に長い距離を飛行する渡り鳥にとってV字飛行はまさに理にかなっているということがわかりました。
しかしこうなりますと先頭にいる鳥が一番疲れますよね?
先ほど説明した翼端渦は後ろにいる飛ぶ鳥に恩恵がいきます。
V字の先頭にいる鳥は渦を作る最初の鳥になりますが、他の鳥の渦の恩恵を受けることがないので一番負担がかかりその内バテテしまいます。
これを避ける意味で先頭にいる鳥は定期的に後ろにいる鳥と交代します。
その鳥が疲れたらまた別の鳥と交代、これの繰り返しです。
単にV字の編隊で飛ぶだけでなく、定期的に先頭を交代させることで安定して長距離を飛行できるということです。
つまりV字の先頭にいる鳥は群れのリーダーというわけではありません、これも豆知識として知っておきましょう!
まとめ
いかがでしたか?参考になりましたら幸いです。
渡り鳥の生態についてはまだまだ未解明な部分が多いのも特徴で、生物界においてもその謎を解明するのは重大なテーマに取り上げられているほどです。
また渡り鳥については飛行中に睡眠することも最近の研究でわかってきました!そちらについても以前当ブログで取り上げていますのでぜひご覧ください!
鳥は飛んでる時も寝る? 驚くべき研究結果が明らかに!
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