先日とある海外の研究者グループが、鳥に関する驚くべき研究成果を発表しました。

その研究グループとはドイツにあるマックス・プランク研究所所属のNiels Ratternborg(読み方わからないです、すみません)さんのグループです。

 
この人らの研究によると、ある種の鳥は長時間飛行している時も脳の半分、または全てをシャットダウンして眠ることが判明したそうです。

つまり飛行しながら眠る、ということです。

飛びながら眠るって聞いただけで「嘘だろ?」って思いたくなりますよね。人間に例えたら歩きながら眠るということと同じですから、不思議に感じるのは仕方ないです。

しかしこれまでにも、例えばイルカやクジラが脳の半分だけ眠らせて泳ぐことができる、通称”半球睡眠をする“という事実がわかってきているので、眠りながら飛ぶ鳥がいても不思議ではないのです。

ただ実際に、飛んでいる最中に半球睡眠している鳥は観測されたことがなくあくまで推測の域でしかなかったのですが今回の研究でそれが改めて証明された形になります。

 

【スポンサーリンク】



ドイツ人によるグンカンドリの調査とは?

今回の研究内容について改めて紹介します。

ドイツ人のRatternborgさんは、チューリッヒ大学やスイスの研究者らとも協力して、鳥の頭につけて脳電図を記録する装置を開発し、その装置を実際にガラパゴス諸島に巣を持つグンカンドリの頭に付け、実験しました。

 
フライトレコーダーを回収し分析すると、驚愕のデータがわかりました。

なんとグンカンドリたちは、10日間で3000kmの距離を飛行していたにも関わらず、最長数分間の徐波睡眠を観測したのです。

徐波睡眠とはいわゆるノンレム睡眠のこと、休息眼球運動を伴わない睡眠のことで、周波数が1~4Hzのデルタ波と呼ばれる低周波、高振幅の脳波が脳内で観測されます。 ※ Wikipediaより抜粋

 

渡り鳥は飛びながら半球睡眠&熟睡もしていた!

しかもこの徐波睡眠ですがさらに驚くべきなのは、脳の片側だけでなく、両側でも同時に起こることもあったのです。

つまり飛びながら熟睡していたのです!

もちろん脳の片側だけ眠る”半球睡眠”も頻繁に起きていました。グンカンドリが気流に乗って旋回している時に、片目を開けて他の鳥との衝突をしないようにするためだと考えられます。

【半球睡眠とは?】

簡単に言いますと、左右の大脳半分ずつが片方ずつ交代で眠る現象のことです。代表的な動物ではイルカやクジラと言った海洋哺乳類が挙げられます。

なぜこのような睡眠をするのかと言いますと、通常野生動物にとって脳を両方とも休ませて熟睡するというのはかなり危険な行為なのです。

野生の世界ではいつ他の捕食動物に狙われるかわかりません。

いつ何時でも身を守るかというのは全ての動物に共通して言えることですが、だからといって四六時中眠らないというわけにも行きません。


そこで脳の片方ずつを眠らせる方法をとれば、半分は起きている状態なので周囲の状況をある程度把握することができます。

こうすることで捕食動物に狙われないように安全に睡眠することが可能になるのです。

野生動物ならではの優れた睡眠方法と言えますね。




スポンサーリンク



グンカンドリの睡眠時間は短い?

今回調査されたグンカンドリは体重が軽いため、自力で羽ばたかなくてもある程度は滑空で飛べます。

つまり眠ったままである程度飛行できるので、ずっと寝てるほうが楽だと思いますが、グンカンドリが飛行中に熟睡する時間は1回の飛行で平均42分とかなり短いらしいです。

一方で陸上にいる時は1日12時間も寝てるので飛んでいる時は相対的に睡眠不足になっているはずです。


それでもグンカンドリが飛行中も絶えず起き続けないといけないのは食料の補給が関係しています。

グンカンドリの羽毛には油分が少なく、いったん水面に降りると水を吸収してそれ以降は飛び立つのが困難になります。

彼らの餌は海面に出てきた魚やイカですが、水に浸からないように水面に近いギリギリの高度を維持しつつ飛んで餌を獲得しないといけないわけです。




半球睡眠だとそのような飛行が制御できません、睡眠時間が短くなるのはこのためです。

そんな睡眠不足の状態でも長時間飛行し続ける渡り鳥の根性には驚きますね(;^^)

しかしそれ以前に半球睡眠だと見当違いな方向に飛んで迷子になったりもしそうですよね?


ところが渡り鳥の生態をさらに詳しく探ると道にも迷わない優れたナビゲーション能力が備わっていることもわかってきました。

一度も行ったこともない地で放たれた渡り鳥が、道に迷わずに目的地まで飛んで行ったという研究結果があるくらいです。

他にも渡り鳥に関してはV字飛行も有名ですが、これについての雑学も当ブログで取り上げておりますのでぜひご覧ください!
渡り鳥がV字になって飛ぶ理由は?先頭はリーダーじゃない?
 

まとめ

今回は渡り鳥の驚くべき生態の研究について解説してきました。

飛行中に脳の半分を休める半球睡眠を行うことで長時間の飛行が可能になっているというのはこれまでも推測されていたことですが、今回のドイツ人の研究で改めて証明されたということです。

仕事が忙しかったり、遊びすぎたり、いろいろな作業をして、睡眠時間が短くなり寝不足になるというのは現代社会で生きる人間にはよくあることです。

人間も渡り鳥やイルカのように半球睡眠できるようになったらこういった問題は解決できるので、一部では本気で人間の半球睡眠を実現させようという研究もあるくらいです。

けどそうなると本当の熟睡というのも味わえなくなるから悩ましい所です(;-_-)


【こちらの記事もどうぞ!】

アジアゾウの生態や生息場所は? ラオスと京都による繁殖計画とは?

流れ星の仕組みを簡単に解説!正体はとても小さな物体でした!

 

【スポンサーリンク】