今週土曜日の『世界ふしぎ発見!』で東南アジアの国ラオスについての特集があります。

このラオスと言う国では絶滅危惧種に指定されているアジアゾウが生息していますが、そのアジアゾウの繁殖に日本の京都にある動物園が関与していたらしいのです。
今回はアジアゾウに関しての説明と、アジアゾウを救うために立ち上がった京都の動物園について解説していきます。
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アジアゾウってどんな動物? 生息場所は?

アジアゾウとは生物学上で言うと、長鼻目ゾウ科アジアゾウ属に分類されます。
ゾウと言いますと一番有名な種類でアフリカゾウがいますが、アフリカゾウが体長約7mあるのに対して、アジアゾウはせいぜい6mとやや小さいです。
最大の特徴は、頭に2つのコブがあること、そして他の象とは違って牙が口の外に出ていません。

似たような種族でインドゾウという動物がいますが、このインドゾウとはアジアゾウに属する亜種のことで、アジアゾウの中で最大の個体数を誇るとされています。
そのアジアゾウの生息域は、名前の通り東・東南アジアに多数分布していて、
主にインド、タイ、ベトナム、中国南部、インドネシア、カンボジア、ネパール、マレーシア、ミャンマー、そして今回紹介されるラオスです。
森林伐採や開墾の増加による生息地の破壊、象牙を狙った密猟の増加などによって生息数が減少したことにより絶滅危惧種に指定されていて、現在の世界での全生息数は約3万頭弱と推計されます。
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人間との関係は? 震災でも活躍?
古くから人間との生活に関わってきた動物で、多くの地域の神話にも登場して、宗教的儀式に利用されることもあります。
漢字の発祥地となった中国では4000年も前からその存在が記録されていますが、漢字の”象”とはまさに実際のゾウの形からとってきたものです。これがいわゆる象形文字の元祖と言うことになります。
またゾウはその体の大きさと重さから、昔から重い物を動かすための運搬労働力としても貴重な役目がありました。特にトラックやクレーン車などが入り込めない不整地での運搬には最適とも言われ、例えば洪水や大地震が起きたときでも、重機の代わりとして派遣されることがあります。
京都市動物園のアジアゾウ繁殖計画とは?
アジアゾウは先ほども説明した通り絶滅危惧種に指定されています。絶滅危惧種ということで、海外ではいろいろな繁殖計画が行われています。
今回の番組で特集されるのは京都市動物園が行った繁殖プロジェクトのことで、平成25年の「京都市動物園開園110周年」と日本とラオスとの外交樹立60周年を記念して行われています。具体的にはラオスからオス1頭とメス4頭が寄贈されて両国が協力して繁殖に取り組むという計画です。
それと同時に、ゾウ達の行動や生態、繁殖に関連した研究も行います。
動物園が主体となって行う繁殖計画ではありますが、海外では既に人工授精での繁殖の試みが行われ始めています。1999年にアメリカのディッカーソンパーク動物園で初めてその出産に成功しました。
現在では25例以上の成功例がありますが、実は人口飼育下での出産率は0.7%程度とかなり低いと言われています。理由としては発情期を特定するのが難しいというのがあって、特にメスゾウに関しては観察していてもその外部兆候がわかりにくいという問題もあります。
もちろん人工授精にもゾウを厳しく訓練しないといけないなど課題が多く必ずしも効果的な方法とは言えません。
そもそもアジアゾウは野生動物なので、自然の成り行きで繁殖させるというのが一番だと思います。根本的な理由は自然破壊や密猟にあるので、徹底的に減らしていかないと解決はしないでしょう。
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