地球の歴史シリーズ第4弾、今回は地球の氷河期についてです。
地球温暖化が叫ばれて久しいですが、実は今の地球では北極と南極に1年中氷床があるので厳密に言えばまだ氷河期の中にいることになっています。もちろんこれより暖かくなった時にどういった環境の変化が訪れるのかは未知数ですが、少なくとも寒いよりかは暖かい方が人間の生活に適していると言えます。
しかし地球は過去に何度も氷河期が訪れていました。それもただの氷河期ではなく、なんと赤道付近まで凍結していた時期もあったのです!
今回は地球の氷河期と気候変動について、
- 全球凍結が起こったとされる3つの氷河期とは
- 全球凍結後の地球で起きた生命の急激な進化とは
- 地球は温暖化ではなく寒冷化に向かっているのか
という3つのテーマで分けて解説していきます、ぜひご覧ください!
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全球凍結が起きた3つの巨大な氷河期とは?
現在の地球は北極と南極が常に氷に覆われているので一部凍結した状態です。
ところが46億年と言う長い歴史の中で、地球は何度も氷河期を繰り返しています、それもただの氷河期ではなく赤道付近まで凍結する全球凍結(通称スノーボールアイス)という状態になったこともあります。
これまでの研究では地球はどれだけ寒冷化しても赤道付近まで氷に覆われるということはないだろうと考えられていました。しかし世界中に存在する6億5000万年前の地層を調べてみると、至る所で氷河の作用でしか発生されない堆積層が発見されました。
この堆積層が赤道直下の地層でも発見されたので、この時代に全球凍結が起きたということがわかりました。
ただしこの調査だけでもすぐに全球凍結と結論付けられたわけではありません。
地球の歴史第2弾の記事でも触れましたが、地球の大陸は移動しています。現在では赤道付近に位置している大陸が、6億5000万年前も同じ位置にあったというわけではないからです。
地球の大陸形成の秘密! 最初の地殻はどのようにしてできたのか?
これだけだと大陸移動の影響もあって断定はできないですが、その後に行った岩石の地磁気の調査で、氷河による堆積層が作られた頃の緯度を調べてみた結果、何と当時の赤道付近でも同じ堆積層が作られたことがわかりました。
これらの研究結果から赤道付近まで地球が凍結していたという、また6億5000万年前だけではなくそれ以外にも大きく2つの時期で全球凍結が起きていたこともわかってきました。
全球凍結が起きると地球全体の平均気温はマイナス40℃にまで下がり、海全体も凍り付いてしまいます。
生命が存在するには非常に厳しい環境になります。ただし海に関しては水深1000mまでしか凍らなかったそうなので、それより深い場所では生命は存在し続けたということになります。
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氷河期の直後は生命の進化のターニングポイント!
これらの巨大な氷河期が終わりを迎えると当然地球全体の気温も上昇して、氷も融けだします。
そしてこの氷河期の終わりと言うのは地球の生物の進化においても重要なターニングポイントになっています。
まず一つ目のターニングポイントは23億年前のマクガニン氷河時代の終わりに起きました。
このマクガニン氷河時代も全球凍結が起きた氷河期として有名ですが、この時代が終わった後に真核生物が誕生したとされています。
真核生物とは身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる細胞小器官を有する生物のことです。それまでの生物は原核生物と呼ばれていて、細胞核を持たない生物、すなわち単細胞生物でしたが、細菌などがこれに属します。
そして2つ目のターニングポイントは6億5000万年前のマリノアン氷河時代の終わりです。
やはり全球凍結が起きた氷河期でしたが、この時代の直後に今度は多細胞生物が誕生しています。多くの細胞が集まって大型化した生物が誕生し始めたのもこの時期です。
これらの氷河期が終了した直後は大気中の酸素濃度が増加しますが、この急激に増加した酸素濃度が生物の大進化を促した可能性があるのです。まだ不明な部分が多いと言われていますが、酸素と言うのは地球上に生息する生命にとっては欠かせない物質なので濃度が変化すれば何らかの変化が生じるのはほぼ間違いないでしょう。
地球は温暖化ではなく寒冷化に向かっている?
地球を温暖化させているのは温室効果ガスの二酸化炭素濃度が増えているからだと言われています。ただしこの二酸化炭素がある程度地球の大気を覆ってくれないと太陽からの熱を地球に留めておくことができないため、少なすぎると逆に寒冷化してしまいます。
つまり温室効果ガスは地球を温暖な環境に保たせるために必要不可欠なものだということも忘れてはいけません。
地球温暖化がここまで問題視されるようになったのは、ここ100年の間に地球の平均気温が1℃近くも上がったからですが、そもそも地球の気温は常に一定なのでしょうか?
地球には過去に大きな氷河期が何度も訪れています、逆に恐竜が生息していた時期は今よりもはるかに温暖だったそうです。このように地球の気温は絶えず変化を繰り返しています。
暖かい時期もあれば寒い時期もあるということです、むしろ今の地球は南極と北極に氷が存在しているので厳密に言えば氷河時代が続いていることになります。
ただし氷河時代と言っても、今の地球は気温が比較的高くて変動の幅も少ない安定した間氷期の時代と言われています。現在の間氷期は1万1600年前から続いているそうですが、これまでの調査の記録から間氷期が続くのは数千年ほどと言われています。
つまり間氷期がいつ終わってもおかしくないということです!
このことが地球が寒冷化に向かっているという説の根拠となっていて、人間の経済活動による気候変動よりも、むしろ地球が内に秘めている力によって生じる気候変動の方が深刻だという見方もあります。
人類が経験したことのないような氷河期が今後訪れるのかはまだ未知数です。ただし温暖化が極端に進んでも間違いなく人間の生活に大きな影響が出始めます。いずれの変化が起きても数百年というタイムスケールだと思うので、今更あれやこれや騒ぎすぎても仕方ない気がしますね。
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