地球の歴史第5弾、今回は生命の起源についてです。

地球は惑星の中で唯一生命の存在が確認されている星です。地球が誕生したのが46億年前でさらに生命が誕生したのが38億年前とされていますが、この長い年月の中で生命がどういった過程で進化していったのでしょうか?
 
今回は地球の生命について、

  • 38億年前、生命が誕生したのは陸か海か
  • 地球生命史の半分を占める原核生物とは
  • 真核生物が誕生した経緯は

という3つのテーマで分けて解説していきます、10億年以上にもわたる生命の進化の過程を探っていきましょう!




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生命の起源はいつ?

地球上で生命が初めて誕生したのが約38億年前だったとされていますが、この証拠となる岩石が2013年に北西グリーンランドのイスアという地域で発見されました。

地球最古の生命の痕跡として大ニュースとなりましたが、その根拠となったのが炭素の同位体の比率です。

同位体とは原子核内の陽子と中性子の数の合計が異なる原子のことを指しますが、通常の炭素は陽子6個、中性子6個の炭素12と言う原子なのに対して、中性子の数が7個になっている炭素13も地球上には存在します。
(比率としては炭素12が98.93%で炭素13が1.07%です。)

この炭素12と炭素13の比率は地球上のどの場所でもほぼ一定の比率で存在していますが、どういうわけかイスアの岩石だけ炭素13の占める割合が他の場所よりも低かったのです。

実は生物は炭素13よりも炭素12の方をたくさん取り込むので、このイスアの岩石は38億年前に生物がいたという証拠を示しています。

 
現在分かっている最古の生命の痕跡は38億年前とされていてこれより古い痕跡はありません。仮に存在していたとしても、39億年前辺りに起きた後期重爆撃期で絶滅した可能性が高いでしょう。
地球の大陸形成の秘密! 最初の地殻はどのようにしてできたのか?

 

生命の誕生は陸地だった可能性も?

生命が初めて誕生した時期は38億年前と言うのが有力ですが、誕生した場所に関してはどうでしょうか?

これに関しては一番有名な説がです。海は全ての生命の故郷と言われていますが、厳密に言えば海は海でも熱水噴出孔がある海の底だそうです。

熱水噴出孔はその下にあるマグマで熱せられた水が噴出する割れ目ですが、高温環境を好む超好熱菌という細菌がいます。超好熱菌は熱水とともに出てきた化学物質を取り込み自分の中で栄養素を作り出しています。

このような生物を独立栄養生物といいます、地球が誕生した時期は他の生物から栄養を摂ることができないため独立栄養生物だったはずです。これが海で生命が誕生した根拠となっています。

 
一方で生命は陸地で誕生したという説もあります。

ただし陸地は陸地でもより高温の環境、すなわち温泉で誕生したという説です。

温泉は海底の熱水噴出孔と同様に多くの化学物質が噴出される場所ですが、実は生命の細胞はナトリウムイオンよりもカリウムイオンの方が多いということが関係しています。

海水の比率は、カリウムイオンよりもナトリウムイオンの方が多くなっています。もし生命が海で誕生したのなら、カリウムの方が多くなっているのはおかしいというのが根拠です。

陸上の温泉の中にはナトリウムよりもカリウムの方が多くなっている場所がありますし、海の中には生命の細胞に必要なリン酸塩が少ないというのも根拠に挙げられます。

生命が海で誕生したのか、陸地で誕生したのかは実はまだはっきりしていません。どちらも正しいという見方もとれるので、もしかしたら陸地と海の両方で誕生したという説もありかもしれないですね。

生命の誕生は温泉だった




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原核生物の時代が半分を占める!

地球で生命が誕生したのが38億年前ということでしたが、誕生直後はアメーバやバクテリアなどのような細菌だけの時代が続いていました。

細菌は我々人間の体内にも大腸菌として存在しているほか、枯草菌などありとあらゆる場所に存在しています。これらは全て単細胞生物でかつ細胞内に核がなくむき出しのような状態です、このような細菌を真正細菌と呼びます。

その他にも古細菌と呼ばれる生物がいますが、やはり真正細菌と同様核がなくむき出しになっています。

これらの生物は原核生物と呼ばれていますが、生命が誕生してから約17億年間はこの原核生物の時代でした。

原核生物

我々人間は細胞内に核があるので真核生物に分類されますが、その真核生物が誕生したのが今から21億年前と言われています。実はこの21億年前と言うのは地球で全球凍結が起きた時代と重なります、詳しくは以下の記事を参照に!
地球は過去に3回凍結していた? 全球凍結が起きた3つの氷河時代とは?
 

シアノバクテリアの誕生が新たなターニングポイントに!

地球上の生命にとって欠かせない物質が酸素です。この酸素は植物が光合成によって発生できるものだと学校の授業で習いますが、植物が存在していなかった27億年ころ前から酸素を生み出す生命が誕生しました。

その生命とはシアノバクテリアと言う細菌です。

シアノバクテリアは藍色細菌ともいって、植物の光合成を行う細菌の一種ですが、湿地や水たまり、あるいは水槽の緑などに発生する非常に身近な細菌です。

このシアノバクテリアの増加によって地球の大気中に酸素が増加、地球の環境は大きく変わります。(これを大酸化事変と呼びます。)

 
現在でこそ地球の生命に欠かせない酸素ではありますが、当時の生命にとっては細胞を傷つけやすく毒に等しい物でした。中でも嫌気性菌と呼ばれる最近の仲間は酸素がある場所では生きてはいけません。

このシアノバクテリアの登場によって海の酸素濃度が上がるにつれ、それまで大繁殖していた嫌気性菌は深海へと追いやられていきました。
 

真核生物の登場で状況は一変!

酸素の増加で劇的に変化した地球の海ですが、生命にはたくましい面があって生き延びようとする生物が登場しました。

それが真核生物の誕生に繋がるわけですが、これは嫌気性菌だった古細菌が酸素呼吸のできる真正細菌の一種、アルファプロテオバクテリアの仲間と共生し、この2つの生物が長い年月を経て1つの生物になって進化した結果だとされています。

真核生物の細胞の中にはミトコンドリアがありますが、これが過去に取り込まれたアルファプロテオバクテリアの仲間の名残となっています。

 
生命の進化の歴史、誕生から真核生物までの誕生をざっくりと紹介していきました。因みに地球の海底にある熱水噴出孔で生命が誕生したのなれば、同じように地下に海があるとされる衛星エウロパやエンケラドスも限りなく生命の存在の可能性が強まってきます。

太陽系に地球だけしか生命が存在しないというのは寂しいので、将来の観測技術の向上でぜひ発見してほしいなと思います。

これ以降も地球の生物は多彩な進化を繰り広げます、次回は5億年前に起きたというカンブリア爆発以降の生命の進化史について紹介していきたいと思います、ぜひご期待ください!

 

こちらの記事もどうぞ!

深海の世界はどんな感じ? 驚くべき生態系とは?

オーロラの発生の原理を解説! よく見える場所や人体への影響は?

 

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