地球が誕生してからの歴史を振り返るシリーズ第2弾です。
今回のテーマは地球で大陸がどのように形成されてきたか、その経緯について解説していきます。
誕生初期の地球はマグマの海に覆われていてまさに火の玉のような形でしたが、徐々に冷え固まっていき現在のように海や大陸が広がるようになりました。
- 地球誕生の5億年後に襲った後期重爆撃期とは
- 最初の地殻はどのようにしてできたのか
- プレートと大陸移動の原動力とは
今回はこのような内容で地球の大陸や地殻について深く掘り下げていきます、ぜひご覧ください!
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冥王代の地球は小惑星が頻繁に衝突!
前回の記事のおさらいになりますが地球は46億年前に原始惑星同士が衝突・合体することによって現在のような岩石惑星へと成長しました。
地球誕生の謎に迫る! 原始惑星系円盤とは?
誕生初期の頃は惑星同士の衝突の運動エネルギーが熱エネルギーに変わることで地球の表面は高温のマグマの海に覆われていました。(これがマグマオーシャンです。)
本来このまま何事もなければすぐにマグマは冷えて固まっていきそうではありますが、誕生初期は地球の周りにいくつもの小惑星が飛び交っていてそれらが頻繁に地球に衝突していたそうです。過酷な環境で謎も多いため、地球が誕生してから数億年の間はギリシャ神話の冥界の王ハデスに因んで冥王代なんていう呼び方もされています。
その小惑星の衝突の痕跡は現在の地球には残っていませんが、大気がない月の表面にはあちこちに小惑星との衝突痕が残されています。調べてみると年代の古いものほど密集していることがわかっていて、誕生初期に小惑星が集中して衝突したことが月の表面からも伺えます。
地球の表面が固まるようになったのはこの小惑星の衝突が落ち着いた後です。太陽のように核融合反応していないので小惑星などが衝突しなければ熱が宇宙空間に逃げるだけなのでそのまま順調に冷え固まって安定していきます。
地球誕生の5億年後に襲った後期重爆撃期とは?
現在地球上で最も古い物質だと考えられているのは、西オーストラリアで発見されたジルコンと言う鉱物の粒子で44億年前に生成されたものとされています。ジルコンは大陸地殻の主要な成分でもある、花崗岩や安山岩が作られるときに結晶化する鉱物です。
誕生初期の地球はマグマオーシャンが覆っていましたが、花崗岩や安山岩が作られるには最低でも玄武岩などの岩石や水が必要となりますので、この時期にはある程度の陸地や海があったと推測されます。
ところがこの数億年後に再び地球に大きな試練が降り注ぎます。
今から41億年前~38億年前にかけてたくさんの天体が集中して地球に衝突した可能性が高いということが、1970年代にアポロ宇宙船が月から持ち帰った岩石を分析したことで初めて明らかになったのです。
このたくさんの天体が衝突した時期を後期重爆撃期と呼びますが、この時期に衝突したたくさんの小惑星が原因で地球は再び高温のマグマオーシャンに覆われた可能性も捨てきれません。マグマオーシャンに覆われればそれまでに形成された地殻もほとんどなくなるので、現在の地球に存在する地殻は誕生初期のまま維持されているという見方はできないことになります。
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最初の地殻はどのようにしてできたのか?
地球の陸地はどのように形成されたのか、その答えは簡単に言えばマグマが冷えて固まったものだということになります。
ただしこの説明だけだと大雑把すぎますね。今回はどういった成分を含んだ岩石が多いのか、そういった面まで含めて解説していきます。
地球のような岩石惑星の構成成分を調べてみると、酸素・ケイ素・アルミニウム・鉄・マグネシウム・カルシウムの6大元素となっていて、質量の98%を占めています。
これらの6大元素が地球が冷えていくにつれて結晶化して様々な鉱物となっていったのです。
誕生初期の地球で最初に形成された岩石がかんらん岩とされています。この岩石はかんらん石、斜方輝石、単斜輝石などを含んでいますが、その主成分はマグネシウムや鉄などの比重の大きい元素です。
現在ではマントル上部を構成する岩石の一つでほとんどが地下深くに存在していますが、誕生初期の地球では地表にも広く存在していました。
ところがかんらん岩は鉄を含んでいるため、周囲のマグマよりも比重が大きく時間が経つと沈み込んでいきます。沈み込んだかんらん岩は圧力などで割れて、その割れ目からマグマが噴出して再び新しいかんらん岩が作られるというサイクルが繰り返されます。
するとカリウムとアルミニウムが多く、マグネシウムが少ないマグマが地下に溜まっていきますが、比重が小さいので、岩の裂け目などから地表に流れ出していきます。これが固まったものが玄武岩となり、現在の地球の地殻のほとんどを構成するようになりました。
常に動き続ける大陸 その原動力とは?
地学の授業でも学習するとは思いますが、地球の大陸は常に動いています。
これを大陸移動説(またはプレートテクトニクス)と呼びますが、大昔の地球には大陸は一つしかありませんでした。
地球で初めて形成された巨大な大陸(超大陸)をヌーナ大陸と呼びますが、これは19億年前に誕生したとされています。大きさとしては現在のグリーンランドを含む北アメリカ大陸の主要部分と、スカンジナビア半島を中心とするヨーロッパ大陸の一部に相当していました。(これよりもっと広いとする学説もあります。)
ただしこのヌーナ大陸以前にも大陸地殻は形成されていましたが、いずれもそこまで大きくありませんでした。現在のような大きな大陸に成長した要因になったのは火山活動です。
活発な火山活動のおかげで花崗岩や安山岩のもととなるマグマがたくさん地表に噴出されれば、その分だけ陸地が形成されるということになります、こうして大陸は成長していったのです。
プレートが動く原因は沈み込むときの重力!
この成長した大陸は後に一か所に集まるような動きを見せます、これが大陸移動になりますがなぜこのような現象が起きるのでしょうか?
大陸移動の原動力となっているのがプレートの移動です。プレートが移動すればその上にある地殻も動くので当然だと思いますが、そのプレートはなぜ動くのでしょうか?
プレートの下にあるマントルが対流しているので、その力によってプレートが動いているのでは?と思う人もいるでしょう。
しかしそうではありません、なぜならマントルの対流で巨大なプレートを動かすほどの力が発生するかどうかまだ確認されていないからです。
このプレートが動く原因となっているのが、プレートがマントルの中に沈み込むときの重力となっています。
沈み込み帯がある場合は重力に引っ張られてプレートは速く動きます、その証拠に大陸プレートのインド・オーストラリアプレートは、オーストラリア大陸があるにもかかわらず速く動いていて、そのスピードは年間約7cmとされています。
また沈み込み帯のない多くの大陸地殻では、プレート同士が押しあったり引っ張られたりして働く力で動いていることになります。
まとめ
今回は地球の長い歴史の中で陸地・大陸がどのような過程で形成されていったのか、そしてなぜ大陸は移動しているのかについて深く掘り下げていきました。
学校の地学の授業でも習うことになるかもしれませんので、参考になりましたら幸いです。地球の歴史第3弾の記事では地球の海と氷河時代について深く掘り下げていきます、ご期待ください!
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