ヘリウムといえば、風船や飛行船を空に浮かせる以外にも声を変えてガスとしてボンベにつめられた状態でおもちゃ屋で売られています。
ヘリウムを吸った声を、ダックボイスなどと呼びますが、普段よりも甲高くなり変な声になりますよね。
今回はなぜヘリウムを吸うと声が高くなってしまうのか、高校物理で学んだ波の法則を用いて解説していきます。
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人が声を出す仕組み
ヘリウムで声が変わる仕組みに関しては、人が声を出す仕組みと、気体中を伝わる音の速さが密接にかかわっているのです。
自分の手を喉に当てればわかると思いますが、声を出すと振動しているのがわかります。この振動している部分を声帯と呼びます。
声帯は空気の流れを調節する弁のようなものです。肺からの空気の流れを断続的にすることで、声帯は振動します。
それと同時に、口・鼻・喉などの空洞で音を響かせることで声を発するというわけです。
同じようなことは、短くしたストローの一端の口に息を強く吹きかけても起こります。ストローの中の空間が共鳴器になって、ストローの長さの2倍の波長をもった音を出します。
高校で習う知識になりますが、音の速さをⅤ、音の波長をλと定義すると、音の高さを表す振動数fは、
f=Ⅴ/λ
という式で表せます。
この式からわかるように、ストローの長さを短くすると、波長も短くなり振動数が大きくなります。すると高い音が聞こえるようになるのです。
ただし人の発する声はストローの長さみたいに単純には決まらず、その人の口の形や舌の位置、空洞の体積や形状によって決まります。
ヘリウムガス中では音速が変わる!
純粋なヘリウムガス中での音速は、秒速約960mと、通常の音速340mより約3倍も速いのです。
ヘリウムガス中でも音の波長が変わるわけではありません。故に振動数の式より、分子のⅤが大きくなるだけですから、振動数が高くなります、つまり声が高くなるということです。
また同じことは管楽器(トランペットやフルートなど)を吹いた時でも起こります。
一方ギターなどの弦楽器では、音の高さは弦その物の振動数で決まるので空気中でもヘリウムガス中でも音の高さは変わりません。
いかがでしたか、参考になりましたら幸いです。また下にオススメのヘリウムガスの商品を紹介しておきますので、ぜひパーティーなどに使ってみて下さい!
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