物理のお話し第6弾、今回は魔法瓶に関するお話です。

魔法瓶とは、熱い飲み物は冷めにくく、冷たい飲み物は温くなりにくいという性質があります。そのため今や多くの人が日常の生活で使っていると思います。

今回はこの魔法瓶がどういった仕組みで保温・保冷しているのかをわかりやすく解説していきます。




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1.魔法瓶の歴史

魔法瓶

1881年ドイツのアドルフ・フェルディナント・ヴァインホルトが液化ガスの保存用に制作した壁間の空気を抜いた二重壁のガラス瓶が原型になっています。

それを基にして1891年、イギリスのデュワーさんが液体酸素保存用に金属製の二重壁容器を制作し、次いで内側に銀メッキを施した二重壁ガラス瓶を制作しました。これをドイツのテルモス社が1904年に商品化に初めて成功させました。


因みに日本で「魔法瓶」という名称が広がったのは、狩猟を行っていた人物が新聞記者の質問を受けた際、便利な道具として「魔法瓶」といったのが始まりとされそこから世に広まったと推定されています。

2.熱の伝わり方について

魔法瓶の仕組みについて解説する前に、まず物体の熱の伝わり方を解説します。

高校の物理の授業でも習った知識ですが、熱の伝わり方には大きく分けて3種類あります。

熱伝導・対流・輻射の3つです、それぞれ解説します。

熱伝導

温度の高い物が温度の低い物に接触する。

対流

熱を持ったものが移動する。

輻射

温度が高い物が放射する赤外線を温度の低い物が吸収する。

上記の3つにより熱は伝導します。

3.魔法瓶の構造

魔法瓶は2の項で紹介した3つの熱伝導の影響を極力小さくしたものです。

魔法瓶の構造

上の画像でもわかるように、魔法瓶は二重構造になっています。外壁と内壁はなるべく接触しておらず、熱伝導を抑えるため、壁には熱を伝えにくくて丈夫な物質、主にガラスやステンレスが使用されています。

また空気による対流を防ぐために2つの壁の間は真空状態となっています。

そして最後の輻射に関しては、赤外線となるので、反射させる必要があります。魔法瓶の中の内壁がピカピカに磨かれているのは赤外線を反射させるための工夫です。


またいくら熱を逃しにくいとはいえ、蓋を開けっ放しにすると空気による対流が起こり保温ができなくなってしまいます。

また落としても割れることはありませんが、その拍子に外壁と内壁がくっついてしまうと、保温性が悪くなるので注意してください。


以上魔法瓶の仕組みと熱伝導に関しての説明でした。

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