今回記事にするネタは皆さんも小学校で習ったことのある

円周率πについてです。

 
円周率とは、3.1415926535………

と永遠に続く無理数のことですね。もちろん長すぎるので一般には3.14と略したり、ギリシャ文字のπと表記したりします。
そもそも円周率とは、簡単に説明すると円の周長の直径に対する比率のことです。


しかしその円周率が、「なんでギリシア文字のπ一文字で表記されるの?」といった疑問を抱く人もいるでしょう。

少年

中学校で習ったけど、よく考えたらその意味と由来まで教わったような、教わってないような……

円周率がなぜπなのか?今一度、その理由と由来、そして円周率にまつわる面白い話と逸話も紹介していきましょう!




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円周率がπになった理由とは?

さて円周率がギリシア文字πで表される理由ですが、元の意味から考えたら納得できます。

円周率の言葉には「円周」という言葉が使われていますが、実はこれを意味するギリシア語が

περιμετροσ

となり、一文字目の「π」がそのまま由来となっています。


因みに古代ギリシア文字は、すべて現在のアルファベットの起源とされていまして、上の10のギリシア文字を全てアルファベット表記すると、「perimetros(ペリメトロス)」となります。

「π=p」となるわけですが、数学関連の用語と記号は古代ギリシア文字を用いるという規則があるため、伝統的にπが使われているわけです。

大文字のΠではダメ?

円周率はπで表記される規則ですが、実はこのπはアルファベットと同じ小文字表記です。

では、πの大文字であるΠは用いてはダメなのでしょうか?

結論から言いますと、大文字のΠを用いると別の意味になります。

これまた難しい数学の話になるのですが、大文字のΠを使うと集合族の直積や数列のを意味することになります。

Π=a1×a2×a3×…

このような事情から、円周率を大文字のΠで用いることはできず、ちゃんと小文字のπで使い分けないと意味が全く違う記号を書いて不正解となります。

数学のテストで書くときは特に注意しましょう!


因みに円周率はギリシャ文字でπ、円の周長はC、直径はdと表すと

円周率 π=C/d

という式で表せます、

これが3.14159265……と無限に続く定数になるから驚きですよね。

※円周率の桁数と無限に続く証明について知りたい方は以下の記事をどうぞ!

若いギャル

円周率って奥が深い!




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円周率にまつわる面白い話

ここからは円周率にまつわる興味深い話を紹介していきます!

無限に終わることのない数列なので、くまなく探していくと面白い数字の羅列パターンがいくつか見つかったりもします。

1.ファインマン・ポイント

アメリカの物理学者リチャード・ファインマン氏は円周率の小数点以下762桁から767桁目まで9が連続で並ぶポイントを発見しました。

この部分を発見者の名前をとって”ファインマン・ポイント”と呼びます。

2.0が12個連続で並ぶ

2009年4月に、筑波大学の研究チームがスーパーコンピュータを使って円周率を2兆5769億8037万桁まで求めることに成功しました。そしてこの新しく分かった数字の連続の中に、0が12個連続で並ぶ箇所があることがわかったのです。

さすが無限に続く数字とだけあって、ありえないような数字の続きも含まれちゃうんですね。

3.はやぶさの帰還に大貢献!

2010年6月に無事に地球に帰還した小惑星探査機はやぶさの軌道の計算にも円周率の影響は大きいものがありました。

当時のはやぶさのプロジェクトメンバーの的川泰宣JAXA名誉教授は、πは宇宙を考えるときにはなくてはならない物、という話をしています。


実際にはやぶさが小惑星イトカワに到着するというのは、地球から3億km先離れた300mの標的を命中させることに等しいことになるので、これは言ってみれば、

日本から南米に飛んでいるハエを撃ち落とす

という確率とほぼ等しいのです。


つまりゴルゴ13でもできないような離れ業を成し遂げたということなので、本当に恐ろしいくらいの歴史的偉業なのです。

しかしこの歴史的偉業を成し遂げるのにははやぶさの軌道計算を超正確に高精度に求める必要があるのです。そこで円周率が関わってくるのですが、この時に計算で使用した円周率はなんと小数点以下15桁まで。

3.141592653589793 ここまでの数値で計算する必要があります。

もしも小学校で習った時と同じ、3.14なんていういい加減な数字で計算を導き出すと、なんと15万kmものズレが生じてしまうのです。小惑星イトカワにも到着できないし、ましてや地球に帰還するだなんて到底不可能です。

円周率は、どこまで続くか変わらない無限数ではありますが、人類の宇宙技術の発展のためには欠かせない数字であることも理解できたかと思います。

まとめ

今回は円周率πにまつわるお話を紹介してきました。

円周率πは「周囲」を現す古代ギリシア語の「perimetros」の頭文字からきていました。また、大文字ではなく原則小文字で表記します。

調べてみたら意外とあっけない答えだったと思います、だけど知っていたら雑学マニアとして褒められるかもしれないですね。

また円周率の桁数が小惑星探査にも役立っていたことは驚きですね。

日本の科学技術の向上のためにも、数学が得意な人が増えてほしいと切に願います。




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