かつて太陽系には、
水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、
そして第9番目の惑星として冥王星が存在していました。
しかし2006年に、当時のIAU国際天文学連合の決議で、冥王星が惑星の定義から外れ、それから太陽系の惑星の個数は水金地火木土天海の8つだけになりました。
冥王星が惑星から外れたのはなぜ?
そもそもなぜ冥王星が外されたのか、その理由を説明しますと、まず一つに惑星としての大きさがあります。
最初に冥王星が発見されたのが1930年、当時はまだ観測技術が未熟だったということもあって、冥王星は地球と同等の大きさと質量を持つ惑星であると考えられていました。
しかし近年の観測技術の向上により、徐々にその大きさと質量は下方修正されていったのです。
特に1992年以降、冥王星に似た天体が同じエリアで数多く発見され始めました。その数は1000以上に達し、天文学者らも冥王星が本当に惑星なのか疑問を投げかけるようになりました。
それに追い打ちをかけたのが、冥王星よりも大きい準惑星エリスの発見です。準惑星エリスは直径が約2400kmと、冥王星の直径2300kmよりやや大きいくらいですが、それでも第10惑星ではないかと疑われたほどです。
しかし2006年に国際天文学連合で定めた惑星の定義の中には、
「その星の軌道周辺で圧倒的に大きく、他の同じような大きさの天体が存在しないこと」
という文言が入っており、冥王星もエリスもこの定義に該当しなくなったのです。
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太陽系第9惑星の発見なるか?
それから10年、米カリフォルニア工科大学の研究チームが、今年の1月に太陽系の外縁部にこれまで観測されなかった、新たな惑星が存在する証拠を見つけたと発表しました。
もし新たな惑星があることがわかれば、冥王星が外されて以降、改めて9番目の惑星が復活することになります。
その研究チームは、太陽系外縁部の無数の天体が密集するカイパーベルトというエリアを詳細に分析・観測しました。
するとこの無数の小天体が密集する中で、地球の約10倍もの質量がある惑星が存在する可能性を示唆し、太陽の周りを2万年かけて公転するといわれています。
この第9番目の惑星の存在を確かなものにするべく、今回国立天文台などの国際チームが、米ハワイ島の望遠鏡すばるを使って観測に挑戦することがわかりました。
挑戦するのは、国立天文台の吉田二美専門研究職員らのチームで、これまで観測できなかった遠方を狙って観測を実施します。
太陽の周りを2万年もかけて1周するのって、すごく気の遠くなる年月ですね。2万年前というとまだ地球では、文明自体が発達していない時代です。
そこまで遠く離れた惑星でも、太陽系の中の惑星として扱われてしまうという宇宙のスケールの大きさに圧倒されます。太陽系の外に人類が宇宙船で旅立てる日が来そうな気配はまだまだなさそうです。
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