流れ星と火球、そして隕石、3つとも宇宙空間から降ってくる物体ですね。
この3つの違いを詳しく説明できますか?
3つとも起源は同じじゃないの?
この前偶然流れ星見たけど、妙に大きな光だったと騒いでたね。もしかして違うのかも?
ということで、混同しやすい流れ星と火球と隕石の違いを詳しく掘り下げていきましょう!
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流れ星と火球と隕石、決定的な違いは?
流れ星と火球と隕石はどれも宇宙から地球の大気に落ちてくる物体としては共通していますが、決定的な違いを一言でまとると以下のようになります。
- 流れ星とは、宇宙空間の小天体が地球の大気に突入して、発光し燃え尽きたもの
- 火球とは、宇宙空間の小天体が大気に突入し、一定以上の明るさで発光したもの
- 隕石とは、宇宙空間の小天体が大気に突入し、燃え尽きず地上に落下したもの
簡単に言いますと、起源自体は3つとも宇宙空間に浮遊していた小天体(固体物質)ということで一致しています。
ただし小天体といってもその大きさは様々。
基本的に小天体は彗星の尾から発せられた微小なチリや破片が多いですが、これらは基本的には大気に突入した際に大気との摩擦熱で燃え尽きます。
これが発光しながら落下したものが流れ星となるわけです。流れ星の光る仕組みや彗星との関係については、詳しくは以下の記事をご覧ください!
夜空を光りながら落ちる流れ星が発生する仕組みとなぜ光るのか、理由をわかりやすく解説していきます。また合わせて流れ星に3回願い事を言うと叶う迷信の由来についても紹介していきます。
しかし中には重さが10㎏を超えていたり、直径が数mもあって、地球の大気圏に突入しても摩擦熱で燃え尽きず地上に落下する物もあります。
これが隕石となります、現在も1年間で何千という数の隕石が地球に落下しているのです。
南極では、これまで4万個もの隕石が発見されているよ。
さて火球についてですが、これは小天体が大気に突入した際にある一定の大きさで光りながら落下するものです。
どのくらいの光を発光するのか、下の動画をご覧ください。
これが火球が落ちていく様子です、かなりの明るさで光っているのがわかります。
また火球の大きな特徴として、その音の大きさも挙げられます。
火球は経路に沿って衝撃波を作り出し、その衝撃波によってしばしば轟音を地上にまで轟かせ、窓ガラスを割る被害をもたらします。2013年にロシアのチェリャビンスク州に落下した火球は、その範囲が200×100㎞にも及んだそうです。
単に明るさが一定以上なら流れ星でも隕石でも火球になります。つまりまとめると
- 流れ星が一定以上の明るさで光ったら火球
- 隕石が一定以上の明るさで落下したら火球
- 単なる火球では流れ星か隕石かは判断できない
となります。
英語での違いは?
流れ星と火球と隕石の三者は英語でも表現が違っていました。
- 流れ星:shooting star
- 隕石:meteor
- 火球:bolide、fireball
特に流れ星と隕石の2つはごっちゃになりやすいです。
FFシリーズでもお馴染みのメテオは「meteor」で、FF好きならすんなり頭に入るでしょう。
確かに文字通り「隕石」を落下させているよね
火球の英語は「fireball」、文字通り「ファイアボール」で日本語をそのまま英訳していますね。
ただし「bolide」という表現もありますが、こちらの方がより本来の「火球」としての意味に近いです。
「fireball」は単なる「火の玉」としての意味もありますが、「野心家」といった比喩っぽい表現も含まれます。
隕石と小惑星との関係は?
さてこれまで流れ星と火球と隕石の違いについて見てきました。
でも実はもう一つ地球に落下する巨大な恐ろしい物体をご存じですか?
それが小惑星です、下の画像をご覧ください!
いきなり何だ?と思われた方もいるでしょう。
これは月の表面の画像ですが、その月には数多くのクレーターがあります。
そのクレーターは多くの小惑星が衝突してできたとされています、月があるのとないのとでは地球に飛来してくる小惑星の量も桁違いに変わることでしょう。
地球に隕石が飛来してきたとしても、そのほとんどがあまり大きくなく大気圏で燃え尽きてしまうので、地表まで落下することは稀です。
ところが大気圏で燃え尽きないほどの巨大な隕石も飛来してくることはあります。それは巨大すぎるので隕石ではなく、もはや隕石の生みの親である小惑星と言ってもいいでしょう。そうした巨大隕石が地球に落下する映画は過去にもいくつか公開され、いずれも大ヒットしました。(『アルマゲドン』とか『ディープインパクト』とか)
6500万前の白亜紀で恐竜が絶滅したのも、巨大隕石が原因だと言われています。
ここでいう小惑星とはあくまで「惑星」と名前が付いている通り、地球と同様公転しています。
ここが地球に飛来してくる隕石との最大の違いで、あくまで本来の軌道を公転している限り地球に飛来するどころか接近する可能性も皆無です。
しかし小惑星の多くは火星と木星との間の軌道を公転していますが、稀に地球付近を通過するものも含まれます。
その地球付近を通過する小惑星が地球に落下する可能性は否定できません。
約6550万年前に衝突した直径10kmの小惑星は、恐竜の絶滅の引き金になったとも言われています。
ある意味隕石が衝突して恐竜が絶滅したから、今の人類が繁栄しているとも考えられますが、もし同じ規模の隕石の落下が今の時代に起こりでもしたら、間違いなく人類の存亡に関わるでしょう。
そんな巨大隕石の衝突なんて起こるわけない!
とみなさん考えがちですが、実はそう遠くない未来に直径300m越えの小惑星が衝突するかもと懸念されています。
2029年に小惑星が大接近?
その小惑星の名はアポフィス!
2004年6月に発見された小惑星ですが、発見された時からだいぶ経ち、研究を重ねるにつれ徐々にこの小惑星の軌道がわかってきて、なんと2029年4月頃に大接近することがわかったのです!
もちろんあくまで大接近するにとどまり、この時点での衝突の可能性はなくなりましたが、しかしこの時点でも、なんと地表から32500kmという短い距離なのです。
この32500kmとは、実は人口衛星が静止軌道する地表からの距離とほぼ同じ、なので地球には衝突しないものの、もしかしたら衛星の何基かは破壊されてしまうかもしれません。
しかしこの小惑星は、この7年後の2036年にも地球に再接近し、それ以後の正確な予測が困難になっています。
※最新の研究では21世紀中の衝突の可能性は実質ゼロに修正されたそうです。
アポフィスが衝突する確率は?
気になるその衝突の確率は、最新のデータによると25万分の1だそうです。
実は発見当初は4万5千分の1と、かなり高めに設定されてましたが、その後、太陽や惑星の引力などの最新の研究データを基に算出し直し低下したそうです。
ただ25万の1だろうが、4万5千分の1だろうが、どっちみち確率としてはほぼ0なんだから、気にするほどではないんですけどねwww
確率はあくまで目安なので、今後の研究と調査によりどう惑星の軌道が変わるかはやはり予測するのは難しそうです。
仮にもしも本当に衝突したら、直径が300m越えなので甚大な被害になると予想されます。後数十年のうちに、隕石の軌道を変えられるくらい、宇宙技術が進歩すれば心配無用だと思いますが果たしてどうでしょうか?
もしかしたら映画『アルマゲドン』みたいに実際に隕石に着陸して内部から爆発させるなんていう事態になるかもしれませんね(*_*;
まとめ
今回は流れ星と火球と隕石の違いについて見ていきました。
改めておさらいしますと、流れ星は小天体が大気に衝突し光りながら燃え尽きたもの、隕石は燃え尽きず落下したもの、火球は一定以上の明るさを誇る流れ星か隕石、となります。
火球になった場合は隕石の可能性も高いので、安易に近づかないほうが身のためです。
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