先日NASAが木星の衛星エウロパについて、新情報を公開しました。
それによると、エウロパの表面から水蒸気が噴出している可能性があるというものです。これによりエウロパの表面化には液体の水が豊富に存在し、生命存在の可能性が裏付けられるかもしれません。
その前に衛星エウロパについてわからない方のために、どんな星なのかを簡単に解説していきます。
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エウロパってどんな星?
木星とは数ある木星の衛星の中でも比較的大きく、ガリレオ衛星と呼ばれる中の一つです。
木星の衛星の中では比較的明るく双眼鏡でも確認できます。エウロパの表面には厚さ3km以上の氷で覆われていて、ところどころにひび割れがあります。
木星に非常に近い位置を公転しているため、強い潮汐力を生じ氷層の下は深さ数10kmにわたって氷が解けたシャーベット状になっていると指摘されています。海底には熱水噴出孔が存在すると考えられています。
エウロパは生命が存在している可能性が高い?
2007年に、欧州宇宙機関ESAが将来の宇宙探査ミッションの候補の一つとして、NASAと共同で木星圏探査ミッションEJSM計画を選定しました。
衛星エウロパへの関心が高まっている最大の理由は、何といっても生命存在の可能性が指摘されていることです。
先の説明で書きましたが、エウロパの氷の下には海が存在するといわれています。しかしただ海が存在したからと言って生命存在までは行き過ぎではないかとの指摘があります。
理由は太陽との距離です。
地球に生命が誕生したのは海もあって、かつ太陽からの距離が比較的近いハビタブルゾーンに位置していたことが最大の原因だ。という風に長い間考えられ、地球以外の惑星や衛星はどう頑張っても生命は存在しそうにない
だから探査しても意味はない、というのが定説でした。
太陽の光がなくても生命は活動・誕生できる?
しかし1977年にガラパゴス海嶺の探索において、太陽からの光が全く届かない深海でも様々な生物が存在していることが発見され、しかも全く独立した食物連鎖を形成していたことがわかったのです。
食物連鎖の基盤は植物ではなく化学物質の酸化反応からエネルギーを得ていたバクテリアだったのです。このようなエネルギー合成を化学合成と言いますが、これは生命の研究においてまさに歴史的な発見ともいえます。
つまり生命の活動・誕生には必ずしも太陽の光は重要ではないということが裏付けられたのです。
さらにエウロパの海には大量の酸素が眠っているとされています。木星の磁場から放たれた荷電粒子が氷にぶつかるときに生まれたと考えられていて、その酸素レベルはなんと地球の海をも超えるレベルと言います。
そしてエウロパの海底の一部には、地球の深海にも存在する熱水噴出孔があると考えられ、先の説明のとおり深海でも化学物質の反応だけで生命が誕生する可能性があります。
理論上では魚のような生命体が少なくとも300万トンは生息できるというのです、食べたらどんな味なんでしょうか?
今回の発見では、あくまで水蒸気が噴出しているだけという発見なので生命発見にまでは至りませんが、太陽系にある惑星・衛星の中では、最も生命が存在している可能性が高いというのは事実です。
今後も根気よく調査を続けてほしいですね!
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