太陽系には全部で8つの惑星がありますが、内側から数えて6番目にある土星は太陽系の中でも木星に次ぐ大きさを誇る巨大なガス惑星です。水よりも比重が小さいため土星が入るサイズのプールがあると浮いてしまうくらい軽い惑星だそうです。

その土星といえば、巨大な(または)があることでも有名ですね。

土星の代名詞ともいうべき存在ですが、その環はなぜ出来上がったのか、またどのくらいのサイズを誇っているのか?

そして一体何で出来てるのか?

今回はそういったことについて筆者が気になったことなど中心に調査してみました、興味のある方はぜひご覧ください!

※実は惑星の環については、太陽系最大のサイズを誇る木星にもあります。それについては以下の記事をどうぞ!
木星の大きさと内部構造はどうなってる? 環もあるの?




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土星の輪は何でできてる?

土星の代名詞とも言うべき輪ですが、その輪は一体何で出来ているのでしょうか?

土星自体は巨大で地球からも裸眼で観測できるほどですが、その周囲にある輪までは裸眼では見れません。

調べてみたら、その主成分は水と氷の粒子で割合にして99.9%を占めており、不純物としてソリンやケイ素といった物質も含まれています。

※ソリンとはメタンやエタンといった有機化合物に恒星から放たれる紫外線が作用することで生成される共重合分子のことです。

メインリングを構成する粒子の大きさは、一番小さいものでμm単位、一番大きいもので10m以上を誇ります。

今でこそ科学の発展で土星の輪の正体はハッキリとわかったのですが、土星の輪を最初に発見した時はそもそも輪っかのような形をしていることさえ認識されていなかったようです。

次からは土星の輪の観測の歴史を解説していきます。

土星の環の観測の歴史

土星の環の観測の歴史

土星の輪を最初に観測したのは、かの有名なガリレオ・ガリレイです。

1610年に望遠鏡で初めて観測しましたが、当時の望遠鏡の性能ではガリレオは環の形になっていると正確に把握できなかったようです。

彼がトスカーナ大公コジモ2世宛てに書いた手紙に依りますと、

「土星は3つの星の集合体」という表現があります、環を星のことだと思っていたという内容ですが、地動説を唱えた学者でも宇宙の正確な観測と言うのは難しかったみたいです。

 
この確認した集合体が環であることを最初に確認した天文学者はクリスティアーン・ホイヘンスという人物です。

彼は1655年にガリレオが使っていたものよりも50倍もの性能を誇る望遠鏡を自作して土星を観測して、土星は巨大な環に囲まれていることを初めて確認しました。

 
さらにその後、ジョヴァンニ・カッシーニと言う学者によって土星の環は複数の小さな輪とその間にいくつかの空隙から構成されているということを明かしました。彼が最初に発見した土星の環の空隙は最大4800kmもあって、これはカッシーニの間隙と名付けられています。

このカッシーニの間隙は幅4800kmもあって、これは月がまるごと入ってしまうほどの長さです。

環はどうやって形成されたのか?

土星の環はどのようにして形成されたのでしょうか?

これについては実は諸説あります。

かつて土星の周りを公転していた衛星ヴェリタスがロッシュ限界を超えて潮汐力によって粉々になったものという説が主流だったようですが、現在では40億年前の後期重爆撃期(多くの隕石や小惑星が太陽系の惑星に衝突したとされる時期)に、直径400~600kmの衛星に大規模な衝突が起こって破壊されてできた塵から形成されたという説が有力になっています。

【ロッシュ限界とは?】
ロッシュ限界とは、惑星や衛星が破壊されずにその主星に近づける限界の距離のことを指します。

その内側に入ってしまうと、主星の潮汐力によって惑星や衛星は破壊されてしまいますが、地球と月の間もこの関係を保っていて、地球の半径の約3倍以内の距離に入ると月は潮汐力で破壊されるとされています。

ただしロッシュ限界の中にあって破壊されない天体もごく一部ですが存在します。木星の衛星メティスアドラステアはサイズと質量が小さいため潮汐力の影響も小さくなり、ロッシュ限界の中に位置しているにも関わらず破壊されずに公転し続けています。




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環のサイズはどのくらい? 地球が何個分はいるのか?

土星自体が巨大な惑星であるため、当然環のサイズも巨大です。

ではどのくらいのサイズがあるのでしょうか?一口に土星の環と言っても、正確にはいくつもの環が重なっているという構図になっていて簡単に図で表しますと以下のようになります。

土星の環を真横から見る

土星の最も内側に位置する環はD環と言って、これは土星の中心から66900~74510kmのところに位置しています。

これに対して土星の最も外側にある環の名前はフェーベ環と言いますが、このフェーベ環の長さが現在までの研究でわかっている情報では土星から600~1600万kmの範囲に広がっているようです。つまり土星の環の幅は約1600万kmといったところです。

 
これに対して地球の直径が約13000kmなので、地球が1000個以上も入るという計算になります!

また地球と最も距離が近い惑星の金星との距離は最接近時で約4000万kmとされています。

仮に土星の環が地球の周りにあったら金星との間のほぼ中間地点まで届くという距離になります。

しかも今後の観測技術の性能が向上すれば、さらに土星の環のサイズが大きくなるとも予想されているそうで、環まで考慮に入れれば土星が太陽系の中で最大の惑星とも言えますね。

 

まとめ

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土星の輪は言ってしまえばほとんど水や氷で出来ているといっても過言ではないですが、それがどうやって出来たのか、生成された過程に関してはまだ議論の余地が残されています。

土星の輪も個人的にはかなり興味がありますので宇宙旅行が自由にできた時代には真っ先に行って生で観測してみたいものです♪

因みに自分が土星の環について興味を持ったのは、カッシーニの間隙という言葉です。実はこの言葉は人気ゲーム『スーパーロボット大戦』に出てくる魔装機神ザムジードの必殺技で有名です。

恐らく共感を持てる人は少ないかもしれませんが、昔はまったゲームから宇宙のことについての興味が広がるとは自分でも驚きです(^ω^)

また土星の衛星には生命の存在の可能性が高い衛星エンケラドスやタイタンがあって、天文学者の間でもかなり興味のある領域になっています。今後の研究次第で歴史を大きく変えてほしいですね!


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