世界史を学習する際に必ずといっていいほど最初の方に学習するのが、古代エジプト文明だと思います。
筆者はエジプトに旅行した経験はありませんが、ピラミッドであったりスフィンクス像であったり、ラムセス2世の像で有名なアブシンベル神殿があったりで、世界屈指の観光地と言えます。
そんなエジプトの首都といえばカイロですが、第2位の人口を誇るのがアレクサンドリアです。
でもこの地名、実は3文字目の「ク」を「キ」に言い換えた「アレキサンドリア」という言い方もあります。
「アレクサンドリア」と「アレキサンドリア」?ごめん、どっちが正しいんだ?
てなわけで、今回はこの古代エジプトの地名の呼び方について、詳しく見ていきましょう!
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アレクサンドリアとアレキサンドリア!正しいのはどっち?
古代エジプトにおいてかのアレクサンダー大王が建設した都市、それがアレクサンドリアです。
そのアレクサンドリアは英語では「Alexandria」、実はこの名前自体はアレクサンドロス大王が東方遠征の際、アジア各地で建設したギリシア風の都市につけられていて、エジプト以外にも例があります。
- アフガニスタンの「アレクサンドリア・アラコシオルム」
- タジキスタンの「アレクサンドリア・エスハテ」
- トルコの「イッサムのアレクサンドリア」
- イラクの「イスカンダリーヤ」
またアジア以外に目を向けると、特にアメリカには各州に「アレクサンドリア」という名前の市町村が約20にもあります。
アメリカ人には大人気な地名ですが、いずれにしろここまでで一言も「アレキサンドリア」なんていう呼称は出てきません。
じゃあ、3文字目の「ク」を「キ」に言い換えた「アレキサンドリア」は何かといいますと、これはヨーロッパ原産のブドウの栽培品種を指します。
実際「アレキサンドリア」で画像検索すると、大量のマスカットの画像が出てきます。
正式名称は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」、実は現在でいう「マスカット」とは、マスカット・オブ・アレキサンドリアを指していたのです。
そして英語表記は「Muscat of Alexandria」なのですが、やはりというかアレクサンドリアと同じですね。
つまり「アレクサンドリア」と「アレキサンドリア」は読みが違うだけで、意味は全く同じです。
だからエジプトのアレクサンドリアを「アレキサンドリア」と呼んでも通じます。
因みに、アレクサンダー大王も「アレクサンダー」と「アレキサンダー」の2つの呼び方があるよ
人気RPGファイナルファンタジーでも、「アレクサンダー」だったり「アレキサンダー」になったりと表記揺れがあるよね
ただしより厳密に使い分けるなら、「アレクサンドリア」は地名を指し、「アレキサンドリア」ならマスカットを指すようになっています。
元々の意味は同じですが、地名と食べ物で全く違う意味になるので、読みを変えることで使い分けようと判断したわけですね。
アニメ機動戦士Zガンダムに登場するティターンズの戦艦で「アレキサンドリア」が登場します。ガンダムファンなら、こっちの方が連想されるでしょう。
因みに色は緑ではなくグレーとなっています。
古代アレクサンドリアの数学者ヘロンとは?
ここからはおまけ的なお話で、古代アレクサンドリアの叡智についてご紹介していこうと思います。
おさらいになりますが、アレクサンドリアは紀元前332年にアレクサンドロス大王によって建設され、古代エジプト最後の王朝であるプトレマイオス朝の首都として発展した都市ですが、ヘレニズム時代の商業と文化の中心としても栄えました。
そのアレクサンドリアには数多くの数学者が活躍したことでも知られています。中でもヘロンの公式で有名な数学者ヘロンは、今現在の人々の生活にも関係するある物を発明したことで有名です。
今回はヘロンの偉大な発明を2つほど紹介していきましょう。
数学者ヘロンの発明その1:自動ドア
ヘロンさんは数学者にも関わらず、蒸気を利用した様々な仕掛けや発明を考案していました。
その蒸気を使った発明になんと自動ドアがあるのです。
今の世界にも建物にはごく普通にある自動ドアが既にこの時期に発明されていました、しかも蒸気を使ってだなんてwww
どういった仕掛けで動くかというと、ドアを開ける者が燭台に火を灯すとその下の容器に溜められていた水が膨張し、別に用意されていた入れ物に水が移動します。
この入れ物に水が移動すると重くなり、その上に繋がっている扉を自動で開けるという仕組みです。主に神殿内に設置されていたそうです。
数学者ヘロンの発明その2:自動聖水販売機
そしてもう一つの凄い発明が自動販売機です。
自動販売機も今の我々の生活には普通に存在し、今や外に出歩けばどこにでもあるような大きな機械ですがそれの原型ともなった発明を既に考案していたので驚きですね。
最初に考案された自動販売機というのは、マシンの最上部にある投入口からコインを入れると、決まった量の聖水が出てくるという物でした。
仕組みを簡単に説明しますと以下のようになります。
- 箱の中に聖水、その上にコインを受ける皿があります。
- コインを投じるとその皿にコインが落ちます。
- その皿に入ったコインの重みを利用したてこの原理で糸の先に合った蓋が上に上がります。
- 蓋が上がると同時に穴から聖水が流れ出す。
- 皿に入ったコインは重みと同時に下に落ちる。
- コインの皿は元の位置に戻って、蓋も再び下って穴は塞がる。
自動ドアと自動販売機というのは今の我々の社会に普通に存在しますが、その原型が2000年も前の古代エジプトに発明されていたというから驚きですね!
因みに日本はこの時代はまだ弥生時代でした。改めて古代の人々の叡智には驚きを感じますね。
まとめ
今回はアレクサンドリアとアレキサンドリアの違いについて解説してきました。
意味はどちらも同じですが、アレクサンドリアなら地名、アレキサンドリアと言ったらマスカットと使い分けた方がよいということになります。
もちろんそんなこと気にせず、どっちでも通用します。
そもそも「ク」と「キ」の一文字だけが違うだけですからね!
最後はやや脱線しましたが、古代エジプト人の叡智についても知っていただければ幸いです。
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