国民的人気RPGといえば『ドラゴンクエスト』の名を挙げる人は多いでしょう。

そしてそのドラクエシリーズの中でも、花嫁を選ぶことができる「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」は特に人気が高い作品ですね。


でもそのドラクエⅤには実はとんでもないバグ技があったんです!

それが仲間モンスターが確定で仲間になるバグ技、通称「ひとしこのみ」です。

主人公の持ち物欄で特定のアイテムだけ並べると発生するんですが、発売当時は知られていませんでした。

金髪の若者

この前スーファミ版で遊んで試してみたら本当に起きたよ!

若いギャル

このバグって一体誰が発見したんだろ?

さて発売当時には知られていなかった有名なバグ技なんですが、一体どういった原理でこんなバグが起きるんでしょうか?

そして発見者についても気になりますね。

今回はドラクエの中でも特に有名な「ひとしこのみ」のバグ技について、詳しく紹介していきますよ!




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「ひとしこのみ」とはどんなバグ技か?

まずは「ひとしこのみ」がどんなバグ技か、その発生条件と起きる事象の内容を簡単に触れます。

本家ドラクエⅤが発売されたのが1992年、今から30年近く前になるのですが、このバグ自体が発見されたのが発売されてから10年後となります。

このバグを発生させるための条件は、主人公の持ち物欄で特定のアイテムを特定の順番で並べることです。

具体的には上から順番に

  1. のきのぼう
  2. がったホネ
  3. あわせのぼうし
  4. んぼう
  5. こぎりがたな
  6. かわしのふく

の6つの装備品を並べると、無条件で発生します。これら6つのアイテムの頭文字をとって「ひとしこのみ」となります。(「ひとしこの実」という意味ではありませんよ。)

この時、主人公は馬車に入れた状態で構いません。ただし馬車が入れないダンジョンで、主人公がいない状態で入っても発生はしません。

そしてこれらのアイテムを上の順番で並べると、以下の2つのバグが発生します。

  • 仲間モンスターを倒せば確定で仲間になる
  • 攻撃が全て会心の一撃となる



どうです、凄いでしょう?

ドラクエを遊んだことのある人からしたら、特に攻撃が全て会心の一撃(クリティカル)になるなんて、もはや反則以外の何物でもないです。

また仲間モンスターに関してはドラクエⅤとドラクエⅥだけのシステムですが、これはある特定のモンスターを倒せば戦闘終了後に低確率で仲間になることを意味します。

この低確率というのがまた厄介で、スライムやドラキーなど比較的高確率で仲間になるモンスターもいれば、はぐれメタルやライオネック、ヘルバトラーみたいに何百分の一以下という低確率に設定されているモンスターもいます。


特にドラクエⅤの中でも5強と言われているメタルスライム、はぐれメタル、キラーマシン、ヘルバトラー、メガザルロックの5体のモンスターは確率が「1/256」、0.39%という超低確率です。

まぁ要するにほぼ起き上がらず、仲間になったら奇跡と言うレベルです(笑)

しかし上記のバグ技を使えば、100%仲間になってしまうのです、これは凄い!

しかも合わせて攻撃が全てクリティカルとなるので、防御の高いメタルスライムとはぐれメタルも余裕で倒せます。

まさに一石二鳥な裏技なわけです。

隠しダンジョンで仲間になるヘルバトラーも自力で仲間にしようとしたら、かなり苦戦します。僕も過去に試したことあるのですが、結局仲間にできませんでした。

ヘルバトラーは仲間モンスターの中でも最強なので、仲間にすれば隠しボスのエスターク戦も多少楽になります。

少年

ヘルバトラーはLv99まで育って覚える術も最強だけど、成長が遅いのが難点だよね。

※また仲間になると言っても、以下の条件に当てはまったらどうあがいても仲間にはなりません。

  • 主人公が必要LVの条件を満たしていない
  • 「大神殿」や「エビルマウンテン」などでは仲間にならない
  • モンスター爺さんの預かり枠が満員である
  • 既に同種のモンスターが3匹仲間になっている

これらの条件に当てはまらない場合は僅かでも仲間になる確率があるわけで、その場合に確定で起き上がります。




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最短で発生できるタイミングは?

さて上記の6つのアイテムが必要となる裏ワザなんですが、ストーリー上最短で発生できるタイミングはいつでしょうか?

鍵となるアイテムは3つほどあって、まずしあわせのぼうしです。

このアイテムは主人公の生まれ故郷「グランバニア」に到着しないと入手できません。

グランバニアに到着できるのが、青年時代前半の最後、試練の洞窟に行く手前なのですが、グランバニア城の階段脇の隠し部屋にあります。


残りの2つのアイテムはひのきのぼうとがったホネです。

この2つだけは実は主人公が子供の時、「サンタクローズ」の武器屋でしか購入できません。

つまり子供の時に買い忘れたり売り払ったりすると、青年時代後半まで手に入らなくなります。

二度と手に入らないということはなく、青年時代後半に「妖精の城」で過去のサンタクローズに戻るイベントを発生させれば、それ以降はいつでも買えるようになります。

SFC版ではアイテムの「ふくろ」システムがないので、持った状態のまま幼年時代を過ごすことになりますが、裏技を最短で試したいなら我慢しましょう。

SFC版のみ有効!

いろいろな意味で反則な裏技なんですが、発生できるのは初代が発売されたSFC(スーパーファミコン)版限定です。

発売されて10年、即ち2002年に発見されたんですが、その2年後にPS2、そして2008年にはニンテンドーDSでリメイク版が発売されました。

それらのリメイク版には、やはりこのバグは修正されました。

PS2版とDS版(及びiOS版)では自力で5強を仲間にしないといけません、これはしんどい。

あと発見が2,3年遅かったら、修正されずに残っていたかもしれないですけね(;^^

その代わりと言っては何ですが、PS2版では何とカジノでコインがすぐにカンストする裏ワザもあるようです。

この技を使えば、カジノ限定の最強武器グリンガムの鞭も序盤で手に入ってしまいます(笑)



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「ひとしこのみ」の原理はデバッグコマンド?

あまりにも凶悪な性能を誇る裏ワザで、やり過ぎるとゲームバランスが崩壊してしまいます。

にもかかわらずこういった裏ワザが隠されていたのは、何か理由があってのことでしょうか?

その答えは確定ではありませんが、恐らく「デバッグコマンド」の一種だと思われます。

デバッグコマンドとは?


「デバッグ」という言葉はあまり一般的ではないかもしれませんが、プログラマーの間だとお馴染みの言葉です。

プラグラム専門用語で、意味は「プログラムの中にあるバグや不具合を発見し修正するための作業」です。

ゲームというのはプログラミング言語で作られているので、あるゲームが出来た時は発売する前に「デバッグ」作業が必要となります。


ゲームにおける「デバッグ」とは、実際にゲームをオープニングからエンディングを迎えるまでプレイする作業となります。

プログラムのソースコードを順番に人間の目で走査するよりも、そっちの方が確実で速いですし、意図せぬバグも発見できます。

ただしゲームの発売日は決まっているので、その日までにはデバッグを終わらせて修正版を完成させてリリースしないといけません。

その際に通常のプレイでは、レベル上げやお金稼ぎなどいろいろな意味で時間がかかるわけです。

その時間のかかるレベル上げやお金稼ぎを、ほぼ短縮させ急いでクリアするために用意されたのが、「デバッグコマンド」となります。

通常ゲームにおける「デバッグコマンド」とは、キャラクターのLvを99に上げたり、ギルをカンストさせたり、強いアイテムを入手したことにしてしまう状態に無理矢理変えてしまうことを意味します。

この状態にすれば、特にRPGなどでは攻略がスムーズになりますので、その気になればほぼ1日でゲームがクリアできます。

「ひとしこのみ」の原理もレベルやギルこそ上がりませんが、戦闘中の攻撃を無理矢理クリティカルにしたり、強力なモンスターも簡単に仲間に出来てしまう(グレイトドラゴンなど)ので、まさに「デバッグコマンド」と言えるでしょう。

しかし通常このような「デバッグコマンド」がゲーム発売後も、消されずに残ることはほぼありません。

何らかの意図があって残されたのか、単純に開発スタッフのミスかは定かではありませんが、通常のプレイではなく解析で見つかった裏ワザのようなので、開発スタッフもよもや簡単に見つかるとは思わなかったのでしょうか?

因みにこの裏ワザを発見したのが、私設のゲーム解析サイトのオーナーである遠藤慎悟氏です。

ゲームのやり込みや解析においてはかなりの有名人だそうです。もうスクエニに入社した方がいいんじゃないでしょうか(笑)

まとめ

今回はドラクエⅤのバグ技「ひとしこのみ」についていろいろと触れてきました。それでは今回の内容を振り返ります。

  • 「ひとしこのみ」はひのきの棒・とがった骨・幸せの帽子・棍棒・のこぎりがたな・みかわしの服の6つを主人公に持たせれば発生する
  • 「ひとしこのみ」は仲間モンスターが確実に仲間になり、攻撃が全て会心の一撃となる
  • 「ひとしこのみ」を最短で発生させるには、幼年時代にひのきの棒ととがった骨を持ったままクリアする必要がある
  • 「ひとしこのみ」が出来るのはSFC版限定、リメイク版ではできない
  • 「ひとしこのみ」は「デバッグコマンド」の一種、発売後も消されずに残った



リメイク版で発生できないのが個人的には辛い所、せめて仲間モンスターが仲間になりやすいような改良点が欲しかったというのが個人的な意見ですね。


ドラクエについては他にも様々な面白話があります。

特に面白いのが初代ドラクエにあった「復活の呪文」の仕組みですね、気になる方は以下の記事をどうぞ!

また名作と言われるドラクエⅤの醍醐味と言えば、やはりビアンカとフローラの花嫁選択です。長年ドラクエファンの間で論争が絶えないこのテーマも以下の記事で詳しく取り上げていますよ。




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