4年に1度のスポーツのビッグイベントと言えばオリンピックですが、サッカーのワールドカップも4年に1度のイベントです。
今年2018年はまさにワールドカップ開催の年にあたりますが、日本の対戦相手となる国はコロンビアとセネガルとポーランドです。
ここで対戦相手国の強さの指標を表すのがFIFAランキングと呼ばれるものです、サッカー関連のニュースや解説では必ずと言っていいほど耳にすると思います。
一体どういった基準でこのFIFAランキングは決まるのか?またアジア勢は現行方式で順位が上がりにくくなっているようですが、それがなぜなのか?
公式サイトでも載っている情報ですが、今回は改めてわかりやすく解説していきます!
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FIFAランキングとは何か?
まずFIFAランキングについて簡単に解説します。
このランキングはその名の通り国際サッカー連盟のFIFAが決めることになるA代表(その国・地域において最も強い代表チームのこと)の強さの指標のことです。
過去の国際試合の試合結果からポイントを計算して、それを集計し毎月発表することになっています。
ここで言うポイントとはどういった感じの数値になるのか?またどういう計算式になるのか?
これについては後述するとしてその前に最新の各国のFIFAランキングをベスト10位まで紹介します。
【2018年3月のFIFAランキング上位10か国】
1位:ドイツ
2位:ブラジル
3位:ベルギー
4位:ポルトガル
5位:アルゼンチン
6位:スイス
7位:フランス
8位:スペイン
9位:チリ
10位:ポーランド引用元:http://fifaranking.net/ranking/
残念ながら日本の言葉は入っていないですね、まぁ当然ですが(;^^)
因みに現在の日本のFIFAランキングは60位で過去18年間で最も低くなっています、かなり厳しいですねwww
昔の日本は強かった?
一昔前までは日本もランキングではかなり上位にランクインしていた時期もあって、1999年には日本は過去最高となるFIFAランク9位だったのです!
10以内となるとかなりの強豪に入りますが、これにはカラクリがあります。
実はFIFAランキングが発表されるようになったのは1993年からなのですが、この時期の算出方法は現在とかなり異なっていたんです。
現行方式では試合で負ければその時点でポイントがゼロポイント!どう足掻いてもプラスにならなかったのですが、1999年までは勝敗に関するポイントは試合によってバラバラだったのです。
1999年と言ったら日本が初めてワールドカップに出場した翌年にあたります。
前年のフランス大会では日本は3試合共に勝利を挙げられず全敗したのですが、それでも対戦した相手はアルゼンチン、クロアチア、ジャマイカといずれも日本よりも格上でした。
さらに1999年までは1年ごとに最もポイントを稼いだ7試合しか抽出しない方式でもあったので、ワールドカップの3試合のポイントが翌年の日本のFIFAランキングを大きく上げる要因になったのです。
極端な話負けても相手が格上or強豪国なら多少ポイントが伸びたというわけです。
もちろん現行方式で同じ試合結果だとすると全敗しているので全く反映されませんね。その証拠に前回大会の2014年ブラジル大会では2敗1引き分けという不甲斐ない成績だったのでFIFAランキングは50位台と低迷しました。
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FIFAランキングの求め方を解説!
FIFAランキングを算出するには先ほども紹介した1試合ごとの結果によって得られるポイントが関係します。
このポイントと言うのは以下の4つの要素で求められます。
- 勝ち点
- 試合の重要度
- 対戦国間の強さ
- 大陸連盟間の強さ
それぞれ簡単に解説していきます。
①の勝ち点は、勝ち・引き分け・負けの3パターンがありそれぞれ3点、1点、0点となります。
ただしPK戦まで試合がもつれ込んだ場合は、勝ちで2点、負けで1点となります。
②の試合の重要度は、その試合が以下の4つのいずれかに分類されるかで決まります。
- 親善試合:1点
- 大陸選手権の予選、FIFAワールドカップ地区予選:2.5点
- 大陸選手権の本大会、FIFAコンフェデレーションズカップ:3.0点
- FIFAワールドカップ本大会:4.0点
※大陸選手権とは、AFCアジアカップ(アジアとオーストラリア)、アフリカネイションズカップ(アフリカ)、コパ・アメリカ(南米)、CONCACAFゴールドカップ(北中米)、OFCネイションズカップ(オセアニア)、UEFA欧州選手権(ヨーロッパ)の6大会のこと。
③の対戦国間の強さは、その時点での対戦国のFIFAランキングが
- 1位なら2点
- 2位以下なら((200ー対戦相手国のランキング)/100)点
- 150位以下なら0.5
となります。
④の大陸連盟間の強さは、対戦国がどの大陸連盟に所属するかで決まります。
最も高いのはUEFA(ヨーロッパ)とCONMEBOL(南米)で1点、CONCACAF(北中米)とAFC(アジアとオーストラリア)とCAF(アフリカ)とOFC(オセアニア)の4連盟が0.85点となっています。
上の4つの点数と100を全て掛け合わせた数値(①×②×③×④×100)がその試合で得られたポイントとなります。
過去48か月間のポイントの平均も!
次に過去48か月間の全試合数で獲得した合計ポイントを計算し、12カ月ごとに4つの期間に分けます。
この時
- 直近の12カ月(過去1年間)で得られたポイントの割合は100%
- その前の12カ月(2年前から1年前まで)は50%
- その前の12カ月(3年前から2年前まで)は30%
- その前の12カ月(4年前から3年前まで)は20%
として、それぞれの期間で得られた平均値にこの割合を掛けて合算します。
次の月で各国のランキングを新しく更新する際には、ここで合算したポイントが参考にされるわけです!
仮にそれまで1位だったとしても、今月の国際Aマッチで全て負けたらポイントは全く増えないので平均ポイントが下がります。
そうなると翌月には大きく順位が下がってしまうということです。
具体例で解説!
日本とスペインが親善試合で対戦し、結果が1-1で引き分けたとします。FIFAランキングは上記でも紹介した2018年3月現在の分を適用するとします。
日本がこの試合で得られるポイントは下記のようになります。
- 勝ち点は引き分けなので1点
- 試合の重要度は親善試合なので1点
- 対戦国間の強さはスペインのFIFAランキングが8位なので、(200-8)/100=1.92点
- 大陸連盟間の強さはスペインがUEFAなので1点
1~4までと100を全て掛けると
1×1×1.92×1×100=192
となります。
仮にこの試合で勝ったとしたら勝ち点が3、すなわち3倍になるのでポイントは576。
またこれが親善試合ではなくもしFIFAワールドカップの本大会だとしたらさらに4倍になって、2304というハイスコアとなります!
ここでわかることは親善試合や引き分けとなると点数は1なのであまり大きな数値にならないことです。
やはりFIFA本大会の重要度が改めて大きいと実感できますね。
負けたらポイントはゼロ!
さて現行方式のFIFAランキングについては上記のような感じになります。
ただここで一つ気づくと思いますが、それは試合に負けた時点で得られるポイントがゼロになるということです。
国際Aマッチで得られるポイントは勝敗も大きく左右されますが、計算する時には掛け算をしてしまいます。
負けた時の勝ち点は0です。
0に何を掛けても0なので、負けた時点でその試合で得られるポイントが0になります。
しかも最終的に過去48か月間のポイントの平均値をとる際には試合数も関係していますから、負けが続くと分母の値だけが大きくなり、平均ポイントがどんどん下がっていきますwww
日本が今後FIFAランキングを大きく上げるには、欧州や南米の強豪国と対戦する機会を増やさないといけないわけですが、こういった強豪国はそもそも勝つこと自体が難しいので、試合数を重ねると逆にランキングが大きく下がりかねません。
これがアジア勢のFIFAランキングが下がった大きな要因となっているわけです。
特に欧州や南米などは大陸選手権を2年に1度の頻度で開催していてその都度大きくポイントが得られるチャンスもあるわけですが、アジアカップは4年に1度の頻度なので、この点でも明らかに不遇ですね。
今のアジアサッカーの実力からしたら妥当な取り決めだと言われなくもないですが、それでも大陸間での格差が大きすぎるのは否めません。
世界的に人気の高いサッカーですが、そろそろ欧州南米贔屓を脱却してほしいです。
まとめ
今回はFIFAランキングの決め方、ポイントの算出方法について分かりやすく解説していきました、参考になりましたら幸いです!
今年はロシアW杯が控えている年ですが、日本は早くも前評判でグループリーグ敗退もおかしくないくらいの評価を喰らっています。
やはり対戦国がコロンビア、セネガル、ポーランドと格上相手ばかりなのが原因ですね。
ここで勝たないとFIFAランキングが上がらないですが、そもそも勝つことが難しいのでまた下がりそうな勢いです(*_*;
日本のFIFAランキングが大きく上がるのはまだまだ先になりそうです。
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