今月13日の金曜ロードSHOWではスタジオジブリの『風の谷のナウシカ』が久しぶりに地上波放送されます。

1982年に公開された宮崎駿さんの有名なアニメ映画ですが、30年以上経った今でも定期的にテレビ放送されて根強い人気を誇る作品ですね。

ところが原作の漫画版とアニメ映画版は大きく設定が異なっているとも言われているそうです。どこがどう違うのか、あらすじなども交えて解説していきます。




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風の谷のナウシカとはどんなアニメ?

『風の谷のナウシカ』とは1984年に公開されたアニメ映画で、言わずと知れたあの宮崎駿さんによる監督作品です。

その他にも高畑勲さんや鈴木敏夫さん、久石護さんといった後にジブリの主要スタッフとなる人たちも顔を揃えた作品となっています。この作品はもともとアニメ情報誌『アニメージュ』にて1982年から連載された原作をアニメ化したもので、映画制作のために4度の中断期間を挟み1994年3月号で完結しています。

原作では単行本全7巻という構成となっていますが、この内映画で公開されたのは2巻目の途中までで、漫画は映画公開後も連載されています。

 
内容を簡単に説明しますと以下のような感じになります。

物語の舞台となる世界では千年前に起きた”火の七日間”と呼ばれた最終戦争により、巨大産業文明が崩壊して”腐海”と呼ばれる猛毒を放つ菌類が蔓延る森が広がっていました。

その腐海には王蟲と呼ばれる巨大な虫が棲んでいて人々の生活を脅かす危険な存在と言われていました。一方で”風の谷”と呼ばれる辺境の地で暮らしていた人々は、海から吹く風によって森の毒から守られたままのどかな生活を送っていました。

しかしその平和な生活を送っていたある日の夜、大国トルメキアの輸送機が腐海の虫の大群によって風の谷に墜落してしまいます。その輸送機には千年前に世界を焼き尽くした巨神兵の胚が積まれていました。

大国トルメキアは急遽軍を率いて風の谷に乗り込み占領し、そこで巨神兵を完成させ腐海を焼き払う計画を進行させます。腐海を守るために戦うナウシカの姿と、王蟲たちが魅せる感動のラストが必見です!

 
この映画は興行収入としては約7.4億円と、そこまでヒットしたわけではありませんでしたが、1984年度のアニメグランプリと日本アニメ大賞を受賞して、宮崎駿監督の出世作となりました。

また映画公開から33年経ちましたが、金曜ロードショーで17回もテレビ放送されていて視聴率は毎回15%前後を記録しています。




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映画と原作との違いは?

映画の制作中は原作漫画の連載を一時中断していて、原作が完結したのは映画が公開された10年後の1994年になります。映画で公開されたのは原作の第2巻の途中までで、この間だけでも原作との違いがいくつかあります。

 
原作の勢力図はトルメキア帝国と土鬼諸侯連合の2大勢力の争い

⇒ 映画版では土鬼勢力は登場せず、トルメキアが小国に侵攻するという構図になっています。

 
トルメキア帝国は風の谷とペジテ市と同盟を結んでいる

⇒ 映画版では侵略者として描かれている。

 
トルメキアのクシャナ殿下に関して様々なストーリーがある

⇒ 映画版では特に語られない。

 
巨神兵は知性を持つ巨大人口生命体

⇒ 映画版ではもっぱら兵器としての面が強調されている。

 
腐海は旧文明の科学力によって創出された浄化装置の一種

⇒ 映画版では自然発生した生態系として描かれている。

 
王蟲の大群が押し寄せる場所が原作だとクシャナが駐屯する野営地

⇒ 映画版では風の谷となる。
 

続編は何故実現しなかった?

映画版では原作の2巻の途中までしか描かれておらず、原作完結後に続編を制作する声もあったのですが、未だに実現していません。

宮崎駿さんも3年前の引退会見で続編は作らないと明言しています。これに関しては様々な憶測がありますが、漫画版とアニメ映画であまりにも設定が違い過ぎてしまったからだというのが原因と考えられます。

 
アニメ映画では、腐海が地球を浄化し再生する森として描かれていますが、これが漫画版では、腐海というのは旧人類が開発した浄化装置で、最終的にナウシカ達は汚染された世界に適応してしまい、将来訪れる浄化された世界では生きられない、という話の流れになります。

いずれにせよ漫画版の設定そのままでアニメ映画の続編はできないので設定の変更などが面倒だからだという意見があります。(原作のラストは衝撃的でとても映画化はできない内容です。)

原作についてもっと知りたいという方は以下のサイトをご覧ください。

ナウシカ。原作漫画と映画版との違いの分析と自己流解説

 

その他ナウシカにまつわる主な豆知識

最後に『風の谷のナウシカ』に関する様々な豆知識や原作でしか語られない事実などを紹介していきます。

 
『風の谷のナウシカ』はジブリ作品ではない

制作当初はまだスタジオジブリという会社ではなく、”トップクラフト”という会社が製作しました。

 
ナウシカは人造人間だった!(原作のみの設定)

火の七日間で世界を炎に焼き尽くし、世界の環境が汚染されて普通の生活ができなくなった旧人類は地下深くで眠りにつくことになりますが、その眠りを覚ますものとして精製された人造人間こそ新人類(ナウシカ達)です。

 
ナウシカの世界は火星? という説がある

火星には大昔に文明が栄えていましたが、核戦争などが起きて砂漠化が進み現在のような姿になったという説があります。

この世界観がナウシカの世界観と共通していることから、大昔に住んでいた火星の人達の記憶ではないかという都市伝説も生まれました。

 
ナウシカになついていたキツネリスという動物はラピュタにも登場する

同じくスタジオジブリの代表作である『天空の城ラピュタ』で、バズーとシータがラピュタに到着した後に登場するロボットとの会話シーンで登場します。

 
映画製作の絵コンテの段階では、巨神兵と王蟲の戦闘場面が描かれていた

しかしのちに没シーンとなります。

 
映画のラストシーンで宮崎駿監督が苦慮

映画のラストシーンに関して当初の宮崎駿監督の案は、突進してくる王蟲の群れの前にナウシカが降り立つ場面で終わっていたそうです。しかし娯楽映画としてカタルシスが足りないと指摘されて、一旦死んだ後甦って感動のラストを迎えるという案になりました。

これについて宮崎さんは否定的で、映画を宗教的なものにはしたくないと消極的でしたが、公開間近で焦っていて他にいい案も思い浮かばなかったので受け入れたそうです。

プロデューサーの鈴木敏夫さんも、「宮崎さんはいまだにあのシーンに納得していない。」と語っています。同じくアニメ監督の押井守さんも否定的な意見です。

まとめ

今回は『風の谷のナウシカ』の映画と原作との違い、続編の制作などについていろいろと語ってきました。

何十年も前の作品ではありますが、未だに地上波放送されるというのは凄い人気です(単純に他に放送する作品がないだけかもしれませんが…)

人気が高いだけにいろいろな都市伝説や噂話が絶えませんね、それについては同じスタジオジブリの他の作品にも言えます。
 

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