2017年の新年は例年とはちょっと違う新年になりました。

何が違うのかと言いますと、1月1日の午前8時59分59秒の後に1秒が足されて、8時59分60秒と言う時刻が見られるのです!

滅多に見られない事象でここ最近では数年に1度の頻度でしか起きない貴重な出来事ですね。


これをうるう秒と言うのですが、なぜ1秒足されるという現象がおきるのでしょうか?

その仕組みについて簡単に解説していこうと思います、気になる方はぜひご覧ください!




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うるう秒とは何か?なぜ起きるの?

結論から言いますと、うるう秒と言うのは1日の時間の長さを正確に調整するために追加または削除される秒のことです。

要はそれまで計測していた1日、または1秒の長さが、科学技術の発達で計測された正確な長さと若干誤差があったために、無理矢理調整された秒とも言えます。

1日の時間の長さに誤差が生じると言っても、中々ピンと来ない人もいると思いますが、なぜこういったことが起きるのでしょうか?

1日の時間の長さについて

難読または読み間違えやすい漢字

うるう秒について簡単に説明する前に、まずは地球の1日の時間の長さについて説明します。

地球は太陽の周りを公転していますが、それと同時に自転しています。

自転しているから太陽が東から昇って西に沈むようになるのですが、ちょうど地球が一回転して太陽が同じ位置に戻ってきた時が1日の時間の長さの基準となるわけです。


この1日の時間を基準にして秒数を割り出すと、1日は24時間、分に換算すると1440分、さらに秒で換算すると86400秒となります。


即ち1秒の長さは、1日の86400分の1となるわけです。

ところが近年の科学技術の発達で誕生した原子時計によって正確な時間を刻むことが可能となり、これによってこれまで計測していた地球の1日の時間の長さに若干の誤差があることがわかったのです。


原子時計とは原子や分子のスペクトル線の高精度な周波数標準に基づいて、正確な時間を刻むことができる時計です。高精度の物になると、誤差は3000万年に1秒程度にまで縮んでいるそうです。

もちろん1日の時間に誤差があると言っても、約2ミリ秒程度の誤差です。

0.002秒くらいの誤差でどうってことないでしょ?と思いがちですが、もしもこの状態がずっと続いたらどうなると思いますか?


仮に1日の時間が2ミリ秒長い状態が500日間続いたとしたら、0.002×500=1.0、すなわち1秒のズレが生じることになります。

500日と言ったら約1年半の月日です。1000日で2秒、2000日で4秒・・・、10年後には7秒近くの差になります。

さすがにこれではマズいだろう、ということで、1972年にこのような時刻のずれを修正するために”うるう秒”が実施されたというわけです。

うるう年との違いは?

同じような言葉でうるう年というものがあります。

オリンピックが開催される年でお馴染みですが、コチラは1582年に、ローマ教皇グレゴリウス13世によって定められたグレゴリオ暦(これが現在のカレンダー)で採用された制度のことです。

1年を365日で定めたときに、4年で1日分のズレが暦上で生じてしまうので、そのズレをなくすために、4年に1度だけ2月の末に29日を設けたのがうるう年でうるう秒とは全く違うものです。




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うるう秒を挿入する時間は何時?

1日の誤差を修正するために1秒の時間を定期的に挿入するのがうるう秒ということになりますが、このうるう秒はたった1秒なので、いつどのように導入するか気になります。

国際機関が定めた指標では、世界標準時の6月か12月の末日の23時59分59秒の後に1秒足して、23時59分60秒という形にすることでうるう秒を定義しています。

国際標準時について
国際標準時について

日本の標準時刻はこの国際標準時より9時間早くなっています。

地理の授業で習ったことがあると思いますが、この国際標準時と言うのはイギリスのグリニッジ標準時のことです。地球が自転すると日本の方がイギリスよりも早く夜が明けるので、9時間分早くなるわけです。


故に本来なら2016年12月31日23時59分59秒の後に追加される筈なのですが、日本では9時間進んでいるがために、翌日の2017年1月1日8時59分59秒に1秒が足されることになります。

つまりこれまでにも何度かうるう秒は追加されたことはありますが、日本では1月1日、もしくは7月1日の朝になるわけです。

今後うるう秒の頻度は増える?

長期的な観測になりますが、地球の自転は波の潮汐力や月の引力が原因で徐々に減速傾向にあります。

故にこれから先、100年後、1000年後は、1年に1秒どころか2秒、3秒とズレることも予想されます。

地球の自転

実際地球が誕生した頃の1日の長さは、約5時間だったと言われています。

もっともそれから46億年近くの月日が経ったので徐々に遅くなるのは当たり前ですが、それでも1億年で20~30分ほどしか長くなりません。人類が後何年繫栄するかわかりませんが、少なくとも当分の間は1日24時間のペースで問題ないでしょう。

まとめ

今回はうるう秒についてその仕組みや意味などを解説してきました、参考になりましたら幸いです!

ただ1日の正確な時間の長さを調整するために設けられた秒ですが、実は最近になって廃止論も出てきています。

特にGPS系や航空管制システムなど、正確な時刻を計測しないと大きなトラブルに繋がりやすいので、その度に手動で調整を直す手間が大きくかかるからです。


科学が発展すると人類の生活はより豊かになると想像しがちですが、発達しすぎた科学で逆に不便になったり予期せぬトラブルも起きるとも言えます。

うるう秒と言うのはまさに発達しすぎた科学で登場したなんとも複雑で悩ましい問題と言えます(;-_-)

時間に縛られて生きる現代人にとって、うるう秒は今後どう扱っていけばいいのかについては未だに効果的な解決策が見つかっていないのが現状です。




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