12月になると昼の時間が一気に短くなります。そしてクリスマス直前は冬至と言って、一年の内で最も昼の時間が短くなります。
昼の時間が短くなるということですが、これは地球の地軸が傾いているがために、太陽の入射光の角度が最小になることを味しています。
こうなると太陽光から得られるエネルギー量が少なくなり気温が下がって冬になるのです。
また太陽の角度が下がってくると、緯度の高い地方になればなるほど一日中太陽が昇らない極夜に見舞われます。
極夜はなぜ訪れるのか、そして極夜とよく混同される白夜について、その違いをわかりやすく解説していきます。
さらに、白夜と極夜が見られる地域の旅行の注意点なども合わせて紹介していきます。
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白夜と極夜の違いとは?
では結論から言いますと、極夜とは一日中太陽が水平線から顔を出さない現象、白夜とは一日中太陽が沈まない現象、となります。
上が極夜の光景です、ご覧のように日中だというのにほぼ夜の状態です。しかしうっすらとですが太陽の光は差し込んでいます。
極夜と言っても、完全な暗闇になるわけではありません。
高緯度の地方でしか見られない特異な自然現象で、北欧のノルウェーやフィンランド、カナダ北部やアラスカでしか見られません。
一体何時に起きればいいんだ?
対して下の画像は白夜の光景です。
こちらは夏の時期にやはり高緯度の地方で見られる現象で、夜になっても太陽が沈まず薄明かりのままです。
うわぁ、これは寝不足になりそう
英語では極夜が「polar night」、白夜は「midnight sun」と言います。
因みに南極でも真夏の時期に極夜、真冬だと白夜が起きます。
なぜ白夜or極夜になるのか?
白夜or極夜が見られるのは北緯66.6度以上の地方です。
なぜ66.6度以上かと言うと、これは地球の地軸が太陽に対して23.4度傾いているのが原因です。
もしも地軸が傾いてなく0度だった場合はこうなります。
これだと地球上の全ての地域で、太陽光が平等に当たって四季がなくなります。
一年中春か秋の気候になるわけです。
そしてさらに全ての地域で朝・昼・夜というサイクルが一年中続きます。
昼の時間も夜の時間も同じになります。
しかし現実は地軸が傾いています。するとどうなるでしょう?
下の図を見てください。丁度太陽の光が当たるギリギリの範囲が北緯66.6度の地点です。
上の画像を見てもらえばわかるように、冬の季節になると北緯66.6度以上の地域では太陽光が当たらなくなります。これが極夜の起きる仕組みです。(90度から23.4度を引いて、66.6度と求めています。)
地球は24時間で自転していますが、昼の時間の時は水平線の下からわずかに差し込む太陽光で薄明りになるぐらいです。
そして夏の季節になれば、当然逆転するので、今度は逆に太陽光が一日中当たるようになります。これが白夜の起きる仕組みです。
これと全く同じことが南半球でも起きます。
北半球とは対照的に66度以南の地域限定になりますが、北半球で極夜なら南半球は白夜、逆に北半球が白夜なら南半球は極夜となります。
極夜は北半球ではまさに太陽の光が差し込みにくくなる真冬の時期に起きます。
昼の時間が一番短くなる12月の冬至の時期がまさに極夜のピークになります、因みに今年の冬至は12月21日です。
フィンランド・ノルウェーにまたがるラップランド地方では、約2ヶ月にわたって極夜が続きます。
一方で白夜が起こるのは反対の夏至の時期です。
しかし夏と冬の日照時間がどんなに極端であっても、3月の春分と9月の秋分の頃には、昼と夜の長さはほぼ12時間ずつで等しくなります。
つまり、白夜・極夜のピークからたった3ヶ月のうちに日照時間が半日分ほど増減するのですから、日本にいるよりも1日ごとの日照時間の増減がはっきりと実感できるかもしれません。
冬至と夏至の太陽の角度については以下の記事でも解説しています。よければどうぞ!
二十四節気の春分・夏至・秋分・冬至について解説します。それぞれ太陽と地球の位置関係によって変わりますが、春分と秋分は昼と夜の長さが等しくなり、夏至は昼の長さが、当時は夜の長さが最も長くなる日です。これらの日は天文学的に特別な日に位置付けられていて世界各地で行事が行われます。
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極夜の時期の野外活動と旅行は要注意!
オーロラ観賞などを目的に冬の北極圏に来る人にとっては、極夜の時期に訪れると一番遭遇率が高まると言えます。
ただし日中でも太陽の光がうっすらとしか当たらないので、本来皮膚で合成されるビタミンDが欠乏してしまい、現地の人でも慢性疲労や鬱症状に悩まされるケースが相次ぐくらいです。
ただでさえ不慣れな外国人ならさらに悪化する恐れもあります。
薬局やスーパーなどでは、秋頃になるとビタミンDのサプリメントが売り出されるそうなので買い溜めしておきましょう。
また冬の時期の極地は気温が氷点下というのはザラ、さらに時差ボケもあるので、生活リズムを調えるのが困難です。
極夜がピークとなる12月中旬頃ではなく、日照時間が伸びてくる1~2月頃に旅行した方がより安全だと言えます。
どうしても極夜が見たい、体験したいという方は年末年始当たりにフィンランドやノルウェーあたりを観光するしかないですが、太陽が昇らないので、初日の出は拝めなくなります、ご注意を!
まとめ
今回は白夜と極夜の違いについて解説してきました。
太陽が一日中沈まないのが白夜、一日中沈んでいるのが極夜となります。
一生に一度でいいから見てみたい人は、ぜひ北欧あたりに旅行しましょう。もちろん防寒対策は忘れずに!
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