十二支の中で「とり」といえば「酉」と書きます。
しかしよく考えたら、どうして漢字の「鳥」あるいは「鶏」と書かないのでしょうか?
変な漢字を使うのって何か特別な意味があったりするのかな?
動物の「鳥」と同じ意味なのかな?
今回は干支の「酉」と「鳥」、さらに「鶏」との違いも含めて詳しく解説していきます。
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鳥と酉と鶏の違い!
3つの「とり」の漢字の違いですが、簡単に言えばこうなります。
- 鳥:動物の鳥類全般を指す
- 酉:干支の10番目の漢字、方角で「西」を指す
- 鶏:キジ科の鳥類「にわとり」を指す
ではここからは3つの漢字について、意味なども含め詳しく見ていくことにします!
鳥は文字通り動物の「とり」
鳥は文字通り、鳥類全般を指します。一般に「とり」と言えば、鳥類を連想しますよね。
そもそもこの漢字の起源は象形文字で、鳥の見た目をそのまま漢字にし、現在でも使われています。
酉について解説!
酉とは十二支の一つで10番目に数えられる干支です。ここで十二支をおさらいしておきます。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い
懐かしいな、国語の授業で暗記させられたよ
酉は10番目ですね。これの本来の意味は、「酒熟して気の漏れる像」ということらしいです。
漢字の「酒」、「酢」などに使われる「さかつくり」、「とりへん」に該当します。
酉年は西暦を数字の12で割って1余る年が酉の年となります。従って2017年と2029年が12で割るとちょうど1余るので、酉年となるわけです。
酉は「鶏」を指していた?
酉という漢字で表されますが、読んで字のごとく動物の「とり」を表しています。
しかし鳥は鳥でも、この酉はなんと“鶏”だそうです。そんなわけで2017年の年賀状には鶏のイラストが施されました。
何で酉が鳥なの?
多くの人が疑問に思うことですが、十二支の酉がなぜ動物の鳥と同じなのか? ということですよね。
実はこれについてはハッキリとした由来はありません。もともと“酉”という漢字は酒を醸す器の象形文字です。
10番目の月が酒作りの季節だから酉の字が使われたようです。十二支というのは、もともと農業の暦を反映した用語です。
それを庶民にも分かり易いような形で覚えてもらおうと、適当な動物を割り振ったというのが始まりです。ですので酉が鳥になったのは特にこれといった深い意味はないようです。
ただし、鳥類の「とり」と区別するため、「ひよみのとり」という特殊な読みをすることも頭に入れておきましょう!
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鶏についての知識、起源、神話など
鶏(ニワトリ)は普通の野生に生息している鳥とは違い家畜化された動物の一種です。
その原種を辿ると、羊やヤギ、豚などと同じ紀元前8000年前頃にセキショクヤケイ(赤色野鶏)というキジ科の鳥を家禽化したものと考えられています。
下の写真がセキショクヤケイです。現在でも中国南部から東南アジアの各地域に生息しています。
色こそ違えど確かにニワトリと似ていますね。
日本に到来したのは弥生時代頃だと言われています。
ただしこの頃の鶏は食用と言う利用ではなく、鳴き声で朝の到来を告げる役割で飼育するのが主流でした。目覚まし時計ならぬ、目覚まし鶏です。
日本の文献で最初に鶏が登場するのは『古事記』です。天照大神が天の岩屋戸に隠れてしまって世界が闇に覆われたとき、
八百万神が常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)を鳴かせて、天照大神を呼び出す話があります。この常世長鳴鳥と呼ばれる鳥がニワトリです。神や太陽を迎えるもので、鶏は神聖な扱いをされていました。
現在でも鶏のいる神社が多くみられるのはこういう神話があるからです。
江戸時代頃になるとニワトリの無精卵が孵化しない事が一般的に認知されるようになって、鶏卵を食しても殺生にはあたらないとしてようやく食用としての利用が広まりました。
まとめ
以上、鳥と酉と鶏の違いについての説明でした。
また元旦の鶏の第一声を”初鶏”といい、新春の季語になっています。
1月1日の元日は鶏の鳴き声で目覚めたら、さらに縁起がよくなるかもしれません。もっとも近くに鶏がいればの話ですが(;^^)
※実は干支には動物の猫が入っていません。気になる方は以下の記事をどうぞ!
十二支に猫がいないのはなぜ? 理由は諸説あった!
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