ガスコンロやマッチ、ライター、ストーブ、キャンプファイヤーなど、身近な生活で火を見かけることが多いですね。
だけど似たような言葉で炎もあります。
「炎」は「火」が2つ重なっている漢字ですが、どちらも似たような意味ですよね。
一体何がどう違うのでしょうか?
しかもさらに調べてみたら、「焔」という言葉もあります。
何となく知っているようで知らない人は多いはず。学校でも単に「同じ意味だよ」とだけ習っているだけで、いざ「説明せよ。」と言われても説明できない人も多いでしょう。
ということで、今回は火と炎と焔の違いを徹底特集していきます!
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火と炎と焔の違い!
火と炎と焔、どれも「高温で赤熱し燃えているもの」という意味合いでは共通していますね。
だけど違いを「一言で簡潔に!」と言われると、困る人はたくさんいるはず。
ということで早速結論からになりますが、3つの違いをまず端的にまとめてみます。
- 「火」とは、物質が燃焼することによって発生する現象、高温で赤熱しているもの
- 「炎」とは、気体が燃焼する時に生じる光と熱を発している穂のような部分
- 「焔」とは、炎と同じ意味で、由来は「火群」から来ている
このようになります。
「火」というのはあくまで物が燃えて高温になった状態を指すのですが、「炎」というのは気体が燃焼する時に生じる現象を指すのです。
つまり包含関係としては以下のようになります。
言葉の意味の違い!
ここで火についてさらに詳しく調べてみたら、古代では火を「ほ」と呼んでいたようです。
一般的には「熱と光を発して燃えている状態、高温で赤熱した物」全般を指す言葉で、英語では「fire」となります。
火を発することを「発火する」と表現しますが、単に熱を出すだけでは「発火する」とは言わず、火傷をするくらいの温度でないと発火とは言えないんですね。
そして炎は漢字の意味としては「火が2つ重なったもの」なので、火がさらに大きくなったものという解釈もできます。
ただし日本語の意味の成り立ちとしては少し違った解釈となります。
これはロウソクが燃えて炎を出している状態です。
ロウソクの先端に刺さった綿糸にライターやマッチの火を点けると、炎を出すのですが見てみると稲穂のような形をしていますよね。
これをそのまま喩えた言葉が語源となっています。つまり炎とは、「火(ほ)の穂(ほ)」から来ているんですね。
実は他にも「火の尾」という説もあるんだよ。穂と尾は形が似ているから、どっちでもいいと思うけれど。
「火」をつける言葉には、他にも「蛍」があるんだ。これは「火(ほ)垂(た)る」が由来となっているよ。蛍が発光している状態をそのまま表現しているんだね。
さて言葉の意味的にはこのような違いになるのですが、実は物質が燃焼するからといって、必ずしも火や炎を出すとは限りません。
これからは化学的な観点で、火と炎の2つの違いを見ていきましょう。
ただその前に物が燃える「燃焼」という現象について、少し説明していきます。
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燃焼について解説!
そもそも「燃焼」とは一体どういった現象なのでしょうか?
この言葉については、学校の化学の授業で詳しく学ぶ機会が出てきますが、詳しく説明するとさすがに長くなるのでここでは簡単に紹介します。
燃焼の定義を一言で説明しますと、「可燃物が酸素のある場所で光や熱を出しながら、酸素と反応する反応」となります。
赤い光がメラメラと燃え広がる様子を燃焼と想像する人が多いですが、化学的には
- 生体内でブドウ糖が酸化されて水と二酸化炭素になる反応
- 鉄が錆びる酸化反応
- 酸素以外の物質との反応(塩素やフッ素と結合する)
などの反応も全て燃焼に含まれます。
実は鉄が錆びる現象も全て燃焼となるんですね、反応の度合いが激しいか激しくないかの違いです。
火と炎の違いを化学的に解釈!
それではここからは、火と炎の違いを化学的に解釈していきましょう。
まず「火」というのは言葉の意味の項でも取り上げましたが、「熱と光を発して燃えている状態、高温で赤熱した物」全般を指します。
そのため赤いメラメラした炎を立てていなくても、高温で赤熱していればそれも火となります。
要するに「炎を有しない燃焼」ということになるのですが、線香の火や炭の火なんかもこの例になります。
炭の火で思い出したけど、炭火焼鳥なんか凄く美味しいよね!
次は「炎」についてですが、こちらは外見上は熱と光を発して稲穂のような形で燃えるものとなります。
ただし気を付けなければいけないのが、気体が燃えることが条件になっていることです。
だけど気体が燃えると言っても、固体が燃焼する時にも炎が出現することがあります。
これの代表例が先ほども紹介したロウソクの火です。
ロウソクは先端にささった綿糸にライターかマッチの火を当てて燃やすと、メラメラと炎を立てます。
綿糸自体は固体なのに、どうして炎を立てるのでしょうか?
簡単に理由を解説すると、下にあるロウから可燃性のある気体が発生するからなのです。
これはロウソクの原料に関係することですが、ロウソクというのは油脂状のワックスが原料となっています。
室温では固体なのですが、ある程度温度が上がると容易に気化して燃焼しやすい性質を持っています。
化学的に難しくなるのですが、多くのロウは炭化水素であるパラフィン系の物質です。
石油から生成される物質なので、何となく燃えやすいというのも納得できます。
単純に似た感じを重ねて意味を強めているだけで、「岩石」や「森林」、「絵画」と言った2字熟語と構成は一緒です。
焔との違いは?
難しい話もありましたが、ここまでは火と炎の違いについての解説でした。
では同じような言葉である「焔」とはどう違うのでしょうか?
焔は「ほむら」と読むのですが、この言葉の由来を探ると
「ほ・むら」⇒「ほ・むれ」⇒「ほ・群れ」⇒「火・群れ」
なので、「火の群れ」を意味することになります。
また漢字の成り立ちとしては、「焔」の左側が「火」、右側が「落とし穴」を意味する象形文字です。
よって「焔=火が落とし穴に落ちる」の意味となるのですが、これが転じて「火が少し燃え上がる様子」となりました。
火が群れを成している様子でもあり、火が燃え上がっている様子の2つの意味とも解釈できるのですが、いずれにしろ炎とほぼ同義となるわけです。
実際平仮名で「ほのお」と入力すれば、変換候補に「焔」と出てきますね。
焔と言えばFF9に出てきた「焔色のサラマンダー」が有名だよね。その名の通り焔色の髪をしているよ。
- 火:fire(ファイヤー)
- 炎:flame(フレイム)、blaze(ブレイズ)
となります。
flameとblazeの違いは、flameが普通の炎で、blazeがより強く明るい炎となります。
人気格闘ゲームの『ストリートファイター』に登場するダルシムの技で、「ヨガファイヤー」と「ヨガフレイム」がありますね。
ヨガファイヤーが拳大の火の球を口から吐いて飛ばすだけですが、ヨガフレイムはより大きな炎を口から吹き出し続け威力も大きいです。
25年くらい前のゲームですが、既にこのゲームでもファイヤーとフレイムの大きさの違いが学べるんですね!
まとめ
今回は火と炎と焔の違いを詳しく紹介してきました。
それでは今回の内容をまとめます。
- 「火」は固体が高温で赤く熱している状態、英語では「fire」
- 「炎」は気体が燃焼した時に発生する火の穂、英語では「flame」か「blaze」
- 「焔」は「火群」が由来となっている言葉で、意味は「炎」とほぼ同じ
- 炭や線香の火などは、炎を有しない燃焼で、高温で赤くなっているだけ
- ロウソクの炎は、下にロウが溶けたことで生じる気体が燃えて発生する
火と炎、そして焔について、これにて違いがすっきりと理解できましたね!
より強い炎を強調するために火炎を用いたりします。
RPGの世界で「火炎竜巻を放つ!」と表現すると超強力な威力になるでしょう、火属性吸収だと効かないですが(汗)
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