地球の中で最も緯度が低い、即ち緯度0度の地点と言ったらどこでしょうか。
答えは赤道が通っている場所です。
赤道とは実際にそういった線があるわけでありませんが、便宜上緯度0度になる線を赤道と定めています。
さて地球には200以上の国々があるのですが、その中で赤道が通っている国はどれだけあるでしょうか?
赤道が通っている=緯度が0、なので日本の沖縄よりも南にあって、当然熱帯になるでしょう。
ただ緯度が0度ということもあって、ちょっと不思議な現象も起きるようです。
赤道直下の国ではどういった現象が起きるのか、そもそも赤道ってどんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう!
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赤道が通っている国々
赤道とはご存じ緯度がゼロの地点を通っている架空の線のことです。
もっと正確に表現するなら、自転する天体の重心を通り、かつ天体の自転軸に垂直な平面が天体の表面と交わる線のことです。
※因みに「赤道」の言葉は、古代中国の天文学に由来しています。
言ってみれば、地球の直径を表しているとも表現できます。
ではこの赤道が通っている国はどれだけあるのでしょうか?
まずは以下の地図をご覧ください、赤い直線が赤道です。
全部で14カ国あります、それぞれリストとして表示しておきます。
- インドネシア(東南アジア)
- モルディブ(南アジア)
- ブラジル(南アメリカ)
- コロンビア(南アメリカ)
- エクアドル(南アメリカ)
- キリバス(オセアニア)
- サントメ・プリンシペ(アフリカ)
- ガボン(アフリカ)
- コンゴ共和国(アフリカ)
- コンゴ民主共和国(アフリカ)
- ウガンダ(アフリカ)
- ケニア(アフリカ)
- ソマリア(アフリカ)
- アメリカ合衆国のジャーヴィス島
パトゥ諸島、スマトラ島、リンガ諸島、カリマンタン島、スラウェシ島、ハルマヘラ島、カヨア島、ワイゲオ島、グベ島
フヴァドゥ環礁とフヴァンムラ環礁の間
イサベラ島
ロラス島
マクアの町
ビクトリア湖
南太平洋にある無人島
こうしてみると、アフリカ大陸が6か国と最も多いことがわかります。
また名前に赤道がついている“赤道ギニア”は、赤道が通っていません。ただし赤道を挟んで位置するアンノボン島も赤道ギニアに属しています。
他にも赤道は通っていませんが、シンガポールとナウル(太平洋南西部の国)の首都は、緯度2度以内に位置しています。
因みに最も赤道に近い位置に位置する首都はエクアドルのキトです。
ではそのエクアドルについて詳しく解説していきます!
エクアドルについて解説!
赤道が通っているということで最も有名な国と言えば、エクアドルですね。
エクアドルは国名がスペイン語で「Ecuador」で、ズバリ“赤道”を意味します。
因みに赤道に最も近い位置(南緯0度13分)にある首都のキト(Quito)は、原住民の言葉で“地球の真ん中”を意味します。
この首都のキトには赤道に最も近いということで、赤道や太陽がらみの施設やモニュメントが多くあります。
キトはエクアドルの中ではグアヤキルに次いで人口が多い都市で、かつてはインカ帝国の第二の首都でした。
キトといえば北23㎞にある赤道記念碑『ミッター・デル・ムンド』(スペイン語で“世界の真ん中”という意味)が建てられていることで有名です。
北半球と南半球を分ける赤道が、フランスの科学アカデミーによって計測され指定されました。
巨大な赤道モニュメントがあって存在感があります、エクアドルを旅行してここを訪れない理由はないといってもいいでしょう。
しかし後になってわかったことですが、実はこの地点は現在のGPS技術で計測すると、本当の赤道の位置ではありませんでした!
何と本当の赤道はここから250m離れた地点にあるということです!
現在のGPSで測定された真の緯度0度の地点は、赤道記念碑公園から歩いて5分ほどの場所にあります。
ここには「インティニャン太陽博物館」があって、各国の太陽のモニュメントが飾られていたり、エクアドルの原住民の暮らしの様子などが紹介されています。
もし余裕があるならここも訪れてもいいでしょう。
「ズレているじゃないか!」と言われてもしょうがないですが、逆に言えば18世紀の技術で250mしか誤差がなかったのって凄いと思いませんか?伊能忠敬もビックリです(;^^
赤道を通る最も高い山もエクアドルにある!
またエクアドルにはカヤンベ山という、赤道が通る世界で最も高い山があることでも有名です。
世界一高い山はエベレストですが、実は太陽から近い位置にあるという意味では、カヤンベ山に軍配が上がります。
カヤンベ山はキトの北東70kmにある山で、標高は5790m、南斜面の4690m地点に赤道が通っています。この山も訪れてみたいですね♪
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赤道直下で起きる現象とは?
ここからは赤道という特異な地点で起きる、不思議な現象や特徴について見ていきます。代表的な例を挙げておきますと
- 水が渦を巻かず直下して流れる
- 卵が釘の上に立てられる
- 体重が軽くなる
- 太陽が真上を通る
- 無風地帯がある
- ロケットの打ち上げに最適である
などがあります、それぞれ順番に見ていきましょう!
水が渦を巻かず直下して流れる
トイレやお風呂で水を流すと、渦を巻きながら流れていきますね。
以前も当ブログで紹介しましたが、これはコリオリの力が働いているためです。台風が渦を巻きながら移動するのも、この力が原因です
フーコーの振り子の原理を解説!コリオリの力との関係とは?
赤道上ではこのコリオリの力が働いていないので、水は渦を巻かないということになります。
しかしトイレや浴槽などの小規模な渦ではコリオリの力はほぼ無関係、というか検知できないとも言われています。
トイレや浴槽の排水時の場合は、どこかに空気の隙間が出来るかによって渦の回転方向が決まるそうで、たとえエクアドルの首都キトで栓を抜いても渦が発生する可能性は十分にあるということです。
これについては実際に試してみた動画があったのでどうぞ!
卵が釘の上に立てられる
これもコリオリの力が関係している現象です。
理屈を簡単に解説しますと、赤道上では地球に働く遠心力が全て地面に垂直に働くからです。
これは高校物理の話になって少しややこしくなります。
要は力の水平成分と垂直成分に分解したときに、水平成分がなく垂直成分しかないということでしょうか。
これが原因で卵を垂直に立てやすい、ということになるのですが、それでも簡単には立てられないようで、かなりコツがいります。
そもそも遠心力といっても重力の1%程度ですから、ほとんど影響は皆無と思ってもいいでしょう。
体重が軽くなる
これも遠心力と関係しています。
要は赤道上では遠心力が地球上で最も大きく作用するので、外側に引っ張られやすくなって、体にかかる重力が減る、ということです。
もちろん体重が減っても質量自体は全く変わりません、あくまで体重計の数値が減るだけです(;^^
太陽が真上を通る
エクアドルの首都キトには太陽に関連する施設があります。
赤道上ということもあって太陽の通過や見え方は、他の地域とかなり異なっていて、1年を通して高い位置に上ります。
特に顕著になるのが春分の日と秋分の日です。
これら2つの日は地球の自転軸が太陽光に対して直行するので、昼と夜の時間が等しくなるのは有名ですね。
赤道ではこの日になると太陽がちょうど真上を通過するのです。
頭上に太陽があるので、なんと影が広がらなくなります!
実際にエクアドルの赤道記念碑では細長い棒が立てられていて、春分や秋分になっても影が伸びません。
太陽光はあるのに影がないなんて凄い不思議ですね。
ロケットの打ち上げに最適である
赤道の近くはロケットを東向きに打ち上げることに向いています。
赤道地点が地球の中で最も早く東向きに自転しているからで、その速度を利用することで、静止衛星打ち上げの燃料を節約できるのがメリットです。
例えばフランス領ギアナのギアナ宇宙センターは北緯5度3分の地点に、日本では最南端の種子島に宇宙センターが建設されています。
赤道は無風地帯ではありますが、北東と南東からの貿易風がぶつかって、台風やスコールが発生しやすいので航海においては難所でした。
そのため昔からこの赤道を通過する際には、通過儀礼として『赤道祭』という祭りがおこなわれています。
今でも日本の海上自衛隊のみならず、世界各国の海軍の間では恒例行事となっているようです。
まとめ
今回は赤道直下にある国と地域の紹介と、赤道直下で起きる特有の現象などについて見ていきました!
赤道付近への興味が湧いてきたかもしれませんが、何といっても一番有名な国はエクアドルです!
しかし「エクアドルは遠い!」と感じる人も多いでしょう。
そこでお勧めはインドネシアです。
インドネシアは日本からも比較的近く行きやすいです。
ただ大人気のバリ島については残念ながら赤道が通っていないようです。
島国なので赤道を跨ぐことは難しいかもしれませんが、それでも日本にいるよりも体重は軽くなるでしょう(笑)
他にも新年が最も早く迎えられるキリバス、また新婚旅行で人気の高いモルディブもいいですね♪
もちろん赤道直下ということでかなりの熱帯なので、暑さ対策は忘れないようにしましょう!
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