サッカーの試合は前半45分、後半45分の計90分というのが公式ルールになっています。
しかし現実的に90分ピッタリで終わることはほとんどないんですよね。
必ずと言っていいほど前後半それぞれの最後の方にロスタイムと言う時間が設けられます、しかもその時間はほぼバラバラです。
ただし最近では少し呼び名が変わってきているようで、実況や解説者らは”アディショナルタイム“という言葉をよく口にします。
筆者が子供の頃によく遊んだファミコンのサッカーゲームでも、ロスタイムという用語が使われていました。
なのになぜか知らない間にアディショナルタイムを使う頻度が増えたのかなぁと思っています。
改めていつ頃からこう言われるようになったのか、またどっちが正式名称なのか?
サッカー観戦でも役に立つ知識かなと思いますのでぜひ参考にしてみてください!
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アディショナルタイムとロスタイムはどう違う?
結論から言いますと、ロスタイムとアディショナルタイムと言うのは意味は全く一緒です。
国際的に正しい用語がアディショナルタイムで、ロスタイムとは「loss of time」から来た和製英語です。
和製英語なのでロスタイムは日本でしか通じません。
日本でしか通じない和製英語って探してみると本当に多いですね、身近な所で言えばアルバイト、コンセント、ノートパソコンとかがそうです。
最近のサッカーの試合しか観ていなかったり、10代や20代と言った若い世代の人はロスタイムって言葉があること自体知らない人もいるのではないでしょうか?
筆者もどちらかと言えばロスタイムの方がしっくり来ます、ただ最近の傾向で言えば人前(特に若い人)ではロスタイムっていうのも憚られますねwww
いつから呼び名が変わった?
でも国際的に正しいと言っても確かに昔の日本のサッカーではロスタイムと当たり前に用いられていました。
いつからこうなったのでしょうか?
あれこれWikipediaなどを中心に調べていたら、どうやら2000年代半ばに遡るようです。
この頃から普及し始めた衛星放送の「スカパー!」のサッカー中継などは全て「アディショナルタイム」という表記で統一されています。
サッカー好きの方は見たことあるのではないでしょうか?
またこれに伴ったのか2008年の北京五輪の試合の時でも「アディショナルタイム」という呼び名が使われ始めました。
正式にアディショナルタイムという呼称で統一されるようになったのは2010年の時です。
ちょうど南アフリカ大会が終わった直後の時で、日本サッカー協会の審判委員会からJリーグ宛てに「アディショナルタイムの表記で統一するように」という通達を送りました。
これ以降でようやく各メディアでも正式にアディショナルタイムが使われるようになったわけです。
逆に言えばそれほど日本のサッカーも国際標準からズレていたという証拠でもあるんですよね。
以前当ブログでも日本サッカー界の歴史について触れましたが、プロリーグであるJリーグが発足したのは1993年のことでした。
日本サッカーの歴史を解説!W杯までの道のりは険しかった!
2018年でJリーグ発足から25年の節目を迎えましたが、プロ野球に比べると70年以上も遅れていますし、ワールドカップに出場できるようになったのも最近のことです。要するに歴史が浅かったということでしょう。
国際試合の機会が増えると日本チームとの試合を観戦する外国人も増えます。
日本に住む外国人が自分の母国と日本チームとの試合中に「ロスタイムは3分です。」なんて言われても誰もピンとこないです。
英語で「Loss Time」と表記しても同じです、むしろ「Loss Time」=「失われた時間」と解釈する人もいて、
ゲームが終わる時間が3分短くなるのでは?
などという誤解が生じかねません。
またロスタイムという言葉は、”失われた時間”という意味にも捉えかねないのでどことなくマイナスなイメージが付きまといます。
それとは逆にアディショナルタイムは、”時間が追加される”という意味にも捉えられるのでプラスなイメージになります。
- 積極的にサッカーを楽しむためにも、マイナスなイメージが付きまとうロスタイムではなくプラスなイメージが大きいアディショナルタイムを使おう!
- サッカー教育の場面でも子供たちにロスタイムという後ろめたい言葉を使うのは良くない!
なんていう流れになったのかもしれませんね(;^^)
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そもそもアディショナルタイムって何?
サッカーの試合は前後半合わせて90分のゲームです。
前半45分、後半45分の中でどちらがより多くのゴールを決めるかで勝敗を決するというのが基本的なルールですが、ゲーム中に負傷者の運搬や、プレイヤーの交代、その他諸々のアクシデントなどで時間が空費されることは毎回あります。
例えばAチームとBチームが対戦するとして、Bチームが2人も怪我人や負傷者を出して何分も時間が空費されると、負傷者を一人も出していないAチームからしたら不公平になります。
仮に怪我人が出ていないAチームの方が負けている展開ならなおさらです。Bチームが時間を稼ぐためにわざと痛がっているふりをして、時間を無駄に空費されたらそれこそAチームにおって不利益極まりないです。
そこでこうした空費された分の時間を補うために設けられた制度がアディショナルタイムです。
空費された時間の分を追加(補填)するという意味が込められているので、”additional”という単語をくっつけて、additional time(=アディショナルタイム)という呼称になったということです。
少しでも公平を期するために猶予時間を相手チームに与えてやるというのが目的です、ただしそれでも時間稼ぎと思われるプレーがあるのは今も昔も変わりません。
特にロスタイム中に選手を交代するシーンをよく見かけたりしますが、これは勝っているチームが安全に勝つために一つの戦術(時間稼ぎ)と言えるのです。
ドーハの悲劇で同点ゴールを決められた当時の日本代表もリードしている段階での残り時間の使い方(特にロスタイム)が下手だったなんていう意見もあったりします。アディショナルタイムはたかが2~3分ですが、この数分が物凄く長く感じちゃうんですよねwww
意外かもしれませんが、アディショナルタイムは昔のサッカーでは主審独自の判断で決まっていて表示されるなんて言うこともありませんでした。
しかしこのアディショナルタイムが表示されるようになったきっかけは意外なことに日本にあったようです。
事の発端は1998年のW杯アジア予選の時です。
日本とアラブ首長国連邦との試合で多めに取られるはずだったアディショナルタイムが極端に短く、日本代表の応援団が大ブーイングを起こしました。
これ以降国際試合でアディショナルタイムが正式に表示されるようになったわけですが、アディショナルタイムを和製英語で表記していた日本なだけに少し複雑な気もしますね(;-_-)
ラグビーではどうなってる?
サッカーのゲームでは、競技者の交代や負傷者が出た時に空費された時間としてアディショナルタイムが設けられます。
しかし一方でアディショナルタイムというのはあくまでサッカーでの名称に過ぎない訳です。
実は同じようなスポーツでラグビーにもロスタイムという制度がかつて存在していました。
ラグビーもサッカー同様相手陣地(ゴールポスト)にボールを入れることで得点を競う点で共通していますが、やはりサッカー同様時間制で前後半それぞれ40分ずつとなっています。
当然ラグビーにも選手の交代や負傷者が出ることはあります、ましてやラグビーはタックルが激しいスポーツなのでサッカー以上に負傷者が出ます。
そうなると必然的に負傷者の交代で時間が空費される場面が多いわけで、サッカーと同じようにアディショナルタイムを設けると多分10分とか20分とか平気で出されます(-_-;)
そこでラグビーでは選手の交代や負傷者の運搬中などは時間を計測しないようにしています。
つまりロスタイムをなくしたということです!
ラグビーでは電光掲示板に表示されている時間=オンプレータイムとなります。ロスタイムなしで前後半きっちり40分で終了するようになっているのです。
サッカーでは主審がタイムキーパーの役割も担っていて、主審がオンプレータイムを計測すると同時にロスタイムも計測して算出します。
しかしロスタイムのないラグビーでは主審とは別に時間の管理のみを行う専門担当者(タイムキーパー)を置いて、同時に時間を計測するようにしています。
こうすることでオンプレータイムがより正確に計測できるようになりました、ゲーム中に選手がわざと痛がったり選手を交代させて時間を稼ぐなんていうことも出来ません。
アディショナルタイムはサッカー独特のルールですが、そもそもアディショナルタイム自体が主審独自の判断で決められるケースも少なくないという批判もあるので、サッカーもタイムキーパー制にするべきだという声も少なくないです。
まとめ
以上ロスタイムとアディショナルタイムの違い、及び意味などについて解説してきました、参考になりましたら幸いです!
ドーハの悲劇も同点ゴールを決められたのは後半のアディショナルタイムでした、終了ギリギリになってもドラマが起きるのがサッカーの怖い所です。
もしかしたら今年のワールドカップもアディショナルタイムで何かしらの奇跡が起きるかもしれませんよ(^▽^)/
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