日本は世界的に見てもかなり歴史が古い国だと言えます。
日本史の授業では日本の歴史区分で最初に出てくるのは縄文時代ですね。
縄文時代の次が弥生時代、弥生時代の次が古墳時代…と続いていきます。
ところがふと見ると『日本』という国がいつ頃誕生したのか?
そのルーツについてはあまり知られていないようでして、学校の授業でもそこまで詳しく習わない人もいるみたいです。
日本国民なら知ってて欲しい!というか知っていないとおかしい事実だとも言えます。
実は起源をいろいろ調べてみましたら、ギネスブックで「世界で最も歴史の古い国」という事実が記載されているみたいです。
しかしこれには異論があります、厳密な解釈ではちょっと違っているようです。
またその日本の建国の日を祝う祝日で有名なのが2月の『建国記念の日』ですが、この建国記念の日は戦前に定められたある祭日に由来しています。
日本の建国に関しては様々な意見があるようですが、改めて日本と言う国がいつ頃誕生したのか?
なぜギネスブックで「最も歴史が古い国」と言われているのか?
その真偽を探るとともに他の国の建国記念日と日本とを比較しながら詳しく紹介していきたいと思います!
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日本は最古の国って本当?
冒頭でもお伝えしましたが、日本という国は実は最も歴史がある国のようです。
この事実はギネスブックにも掲載されているという噂がネット上では広まっているみたいですが、厳密に言えばギネスブックに認定されているのは、あくまで『世界最古の王家』の項目だけで、『世界最古の国家』という項目ではありません。
王家と言いましても、日本の場合は皇室にあたりますね。
現在の日本の天皇陛下は125代目にあたりますが、初代天皇は神武天皇と言いまして、その神武天皇が即位したのが今から2600年も前になります。
2600年前、即ち紀元前660年2月11日に初代天皇が即位して、これ以降ずっと日本の皇室は途絶えることなく続いています。
この神武天皇が即位した紀元前660年2月11日こそが後に説明する建国記念の日の由来になっています。
(因みに王室を除くと最も長く続いている古い家系は、中国の思想家孔子の家系にあたるそうです。実際孔子の子孫とみられる者は数多く、現在は400万人以上と推計されていますwww)
つまりギネスに「日本が世界最古の国と掲載されている」という噂は、
「日本の皇室が世界最古の王家・皇室」と掲載されているという事実が独り歩きして、世界最古の国という結論に至ったというだけに過ぎません。
もちろんこれ自体は強ち間違っている理論ではありません。
現に中国の歴史を見ても王朝は度々入れ替わっていますが、新しい王家が誕生するたびに国名は変わっていきました。
そう考えると政治体制として古代から現代まで天皇制が続いているのは、日本史を勉強しても紛れもない事実なので、そうした理論に結び付くのもある程度納得はできます。
ただし何をもって正式に国家と定義するか、それによってかなり議論が分かれることになります。
仮に紀元前660年に神武天皇が即位したのが事実だったとしても、それはただ天皇が即位しただけに過ぎません。
現在の国家で言うところの立派な政治機構(政府)や法律といった概念は恐らくなかったでしょう。
ましてや軍隊や領土、主権と言った概念もなかった時代で果たして本当に日本と言う国が誕生したと言えるのか?
こうした理由を考えると、日本が欧米諸国と同じような政治体制を持った主権国家として誕生したのは明治時代に大日本帝国憲法が施行された1890年11月29日であるという見方もあります。
事実アメリカのCIAによってまとめられた『ザ・ワールド・ファクトブック』という刊行物にも、この大日本帝国憲法の施行日が日本国の誕生した日の候補として挙げられています。
ただ現在の日本が成立したという条件で考えますと、日本国憲法が施行された1947年5月3日であるという見方も多いみたいです。
もちろん前提条件にある神武天皇が即位したというのもあくまで『日本書紀』に記載されているだけで、どこまでが本当か、その信ぴょう性については歴史学者の間でも大きく意見が分かれます。
今でこそ2月11日は『建国記念の日』という祝日で一般にも広く知られていますが、実は祝日制定には紆余曲折ありました。
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建国記念の日の由来とされる『紀元節』とは?
『建国記念の日』は1966年に制定された祝日で、国民の祝日に関する法律では、この祝日の趣旨は
「建国をしのび、国を愛する心を養う。」と規定されています。1967年から適用されて今年で50年目となります。
また通常は祝日法で日付が明記されているのに対して、この祝日だけは”政令で定める日”と定められています。
そもそも国と言うのは何をもって誕生、または建国と定義するのか?
建国と言うのは、国家の基礎が確立して主権国家としての態が成り立つこと、国家として創建されるという意味ですが、日本の場合は言わずと知れた立憲君主制の国で、行政のトップは総理大臣ですが、国家元首的な立場として天皇がいます。
日本では約2000年以上皇室制度が続いていますが、この2000年以上続く皇室の礎を築いた人物、即ち初代天皇が即位した日が、日本の建国記念日だと考えられています。
では初代天皇が即位した日はいつなのかと言うと、実は戦前の日本で既に『紀元節』という祭日で定められていました。
この『紀元節』とは紀元前660年に初代天皇の神武天皇が即位した日付、すなわち2月11日ということになります。
ただこの説は前述したように古事記や日本書紀などにより解釈されていますので、一部の専門家は「神話色が強く不明確だ!」と批判しています。
実際この祝日の制定の際にも、こういった批判が相次いで、議員立法で2月11日を建国記念の日として制定しようとした際も何度も廃案を繰り返していて、1963年の衆議院内閣委員会では当時の社会党議員らが猛抗議する中法案が採決された経緯があります。
現在でも一部の民間団体が2月11日に反対集会を開いています。
神武天皇の即位日は神話的要素が強く曖昧な点が多いから、別の日を建国記念日にした方がよいと言われています。
例えば先述した5月3日の憲法記念日、もしくは4月28日の主権回復の日を建国記念日にするべきだという意見もあります。
しかしそもそも建国と言う定義が曖昧なこともあるので、イギリスのように法律で建国記念日を決めていない国もあります。
『紀元節』の歌とは?
紀元節は戦前の日本では祭日として扱われ、全国の神社でも紀元節祭が行われていました。
紀元節が祭日として決まったのは1873年の時でしたが、その15年後には『紀元節』という名の唱歌が作られました。以下にその歌詞を載せておきます。
一、雲にそびゆる髙ちほの髙ねおろしに艸も木も
なびきふしけん大御世を仰ぐけふこそ樂しけれ
二、うなばらなせるはにやすの池のおもよりなほひろき
めぐみのなみにあみし世を仰ぐけふこそたのしけれ
三、天つひつぎの髙みくら千代よろづに動きなき
もとゐ定めしそのかみを仰ぐ今日こそたのしけれ
四、空にかがやく日の本の萬の國にたぐひなき
國のみはしらたてし世を仰ぐけふこそ樂しけれ※Wikipediaより
各国の建国記念日と年号を紹介!
建国記念の日は日本では2月11日と定められていますが、日本以外の国にも当然建国記念日は定められています。
以下に主な国の建国記念日と年号を紹介していきます。
- アメリカ合衆国:7月4日
- ロシア連邦:6月12日
- 大韓民国:8月15日
- 北朝鮮:9月9日
- 中華人民共和国:10月1日
- 台湾(中華民国):10月10日
- イギリス:4月23日
- フランス:7月14日
- ドイツ:10月3日
- イタリア:6月2日
- カナダ:7月1日
1776年に制定、いわゆる独立宣言が署名された日で独立記念日と呼ばれています。
1991年にソビエト連邦から独立を宣言した日となっています。
植民地支配していた日本がポツダム宣言を受諾し無条件降伏した日で、日本では終戦記念日となっていますが、韓国では植民地解放の記念日となっています。
光復節と呼ばれています。
1948年に南北分断し建国を宣言した日となっています。
1949年に毛沢東主席が天安門で建国宣言をした日です。
国慶節と呼ばれています。
1911年に発生した武昌起義の記念日で、この事件をきっかけに辛亥革命が起き、アジア初の共和制国家”中華民国”が誕生しました。
双十節と呼ばれています。
イギリスの建国記念日は法律では決められていません。
4月23日は宗教的な色合いが強いナショナルデーとなっています。
1789年バスチーユ牢獄を襲撃してフランス革命が起きた日で、パリ祭と呼ばれています。
1990年に西ドイツと東ドイツが再統一した日です。
因みにベルリンの壁が崩壊したのは前年の1989年で建国記念日とはなりません。
1946年の国民投票で、王政から共和制へと移行することが決まった日です。
1867年にイギリスから自治権を獲得した日です。
以上が日本以外の主な国々の建国記念日です。
こうして見ると、独立宣言の記念日だったり、革命が起きた日だったりなど、ほとんどの国の建国記念日が政治的色合いが強いことが伺えますね。
その中でも日本は紀元前660年の初代天皇が即位した日で、他の国とは一線を画していることがわかります。
神話色が強いとか信憑性が薄いという話は置いといて、やはり他の国とも比較しても日本と言う国の歴史が本当に深いことが伺えます。
ほとんど学校で習わない、もしくは習ってもそこまで深くは教わらない人も多いと思いますが、特に日本人であるなら日本と言う国がいつ誕生したのか?
どういった経緯があったのか、その歴史については深く知る必要があります。
今回の記事で得た知識を2月11日の建国記念の日について語る時に大いに役立てていただければ幸いです!
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