子供の頃よく『機動戦士ガンダム』のアニメを見て熱中していた時期があります。
大人になった今でもガンダムが好きではありますが、よく考えたらあれだけ大きな機体なのに軽々動くだなんて本当不思議ですね。
そこで質問ですが、ガンダムの重さってどのくらいあると思いますか?
うーんどのくらいだろう?10トン、いや20トンかな?
恥ずかしながら僕も知りませんでした、これではガンダムマニアを名乗れません(汗)
巷では、「ガンダムはその大きさの割に重さがおかしい!」とも言われていますね。
ということで、初代ガンダムから最新のガンダムシリーズの主人公機まで、その重さと大きさを大特集していきますよ!
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歴代ガンダムの主人公機の重さを紹介!
機動戦士ガンダムがアニメ放送されほぼ半世紀が経とうとしています。この間に放送されたアニメシリーズ作品は、劇場版を含め20作品以上もあります。
全て紹介すると数が多すぎるので、TVシリーズのみに絞って紹介していきます。
作品名 | 機体名 | 全長 | 重さ |
---|---|---|---|
機動戦士ガンダム | 1stガンダム | 18.0m | 43.4t |
機動戦士Zガンダム | Zガンダム | 18.7m | 28.7t |
機動戦士ガンダムZZ | ZZガンダム | 19.86m | 32.7t |
機動戦士Vガンダム | V2ガンダム | 15.5m | 11.5t |
機動武闘伝Gガンダム | ゴッドガンダム | 16.6m | 7.5t |
新機動戦記ガンダムW | ウイングガンダムゼロ | 16.7m | 8.0t |
機動新世紀ガンダムX | ガンダムダブルエックス | 17.0m | 7.8t |
∀ガンダム | ∀ガンダム | 17.5m | 28.6t |
機動戦士ガンダムSEED | ストライクフリーダムガンダム | 18.03m | 80.09t |
機動戦士ガンダムOO | ダブルオークアンタ | 18.3m | 63.5t |
機動戦士ガンダムAGE | ガンダムAGE-2 | 18.3m | 28.7t |
ガンダムビルドファイターズ | ビルドストライクガンダムフルパッケージ | 17.7m | 96.3t |
ガンダム Gのレコンギスタ | G-セルフ | 18.0m | 31.3t |
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ | ガンダム・バルバトス | 18.8m | 30.5t |
これが歴代TVシリーズのガンダムの主人公機の全長と重さです、いかがでしょうか?
全体的に見て、軽すぎだと思いませんか?特に注目せざるを得ないのが、VガンダムからガンダムXまでの4作品の主人公機です。
中でもゴッドガンダムの重さが7.5tとか、軽すぎですよね(笑)
因みに現実の動物で例えると、7.5tというのは、なんとアフリカゾウとほぼ変わらないのです!
ほかには大型トラック、マイクロバスなどがありますが、ゴッドガンダムは全長16.6mあります。歴代主人公機では小さい方ですが、さすがに7.5tでも軽すぎでしょう。
他にもV2ガンダムの11.5t、ウイングガンダムゼロの8.0t、ガンダムダブルエックスの7.8t、これらの主人公機はいずれも1990年代に放送されたガンダムシリーズの主人公機ですが、いずれも重さは10t前後!!
それまでの主人公機が30〜40t近くあったのに、20t以上もの減量に成功しています!
大きさはやや小さくなったものの、それでも1mほどしか小さくなっていません。180cmで体重40kgと170cmで体重10kgの人間がいると考えたら、どれだけ荒唐無稽かわかるでしょう。
一体全体どうしてこんな軽量化したんでしょうか?
またガンダムの重さはそもそも全体的に見て現実的なのか、検証することにしてみました。
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歴代ガンダムの装甲材質
V2ガンダム、ゴッドガンダム、ウイングガンダムゼロ、ガンダムダブルエックス
この4機だけ異様に軽いのはなぜなのでしょうか?
その秘密はどうも装甲材質にあったようです。歴代主人公機の一部の装甲材質に使われている合金名を列挙します。
- 1stガンダム:ガンダリウム合金 ガンダリウムα
- Zガンダム:ガンダリウム合金 ガンダリウムγ
- V2ガンダム:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
- ゴッドガンダム:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
- ウイングガンダムゼロ:ガンダニュウム合金
- ガンダムダブルエックス:ルナ・チタニウム合金
- ストライクフリーダムガンダム:ヴァリアブルフェイズシフト装甲
- ダブルオークアンタ:Eカーポン
こうしてみると、名称に「ガンダリウム合金」と使われている金属類が多いですね。もちろん架空の物質ですよ。
実は1stガンダムとZガンダム、使われている合金は一緒ですが、微妙に名称が違っていて1stがガンダリウムα、Zがガンダリウムγとなっています。
確かにZガンダムになって、全長自体はほぼ1stと変わっていないのに、10トン以上も減量していますね。
それもこれもガンダリウムαからガンダリウムγへ、パワーアップしたことが関係しています。従来の厚さの10分の1で同じ強度を維持できるようになったことが、この軽量化に至った大きな理由です。
もちろん技術の進歩ということもあり得ますが、やはり材質が変わったことも大きいですね。
そしてその流れを引き継いだ最終形態が「ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材」、V2ガンダムは宇宙世紀の未来版ということもあって、技術と材質の進化具合がインフレしています。
一体全体どこまで進歩したらここまで軽量化できるか謎ですが、兎にも角にもほぼ同じ大きさでV2ガンダムは1stガンダムに比べ、実に30t以上の軽量化に成功しました!
その次のゴッドガンダムは7.5tとさらに軽量化できていますが、この作品については他のガンダムシリーズと作風がまるで違う(ロボットを主体とした格闘アニメに近い)ので比較の対象外にします。
同じ作風で例えるなら、ウイングガンダムゼロとガンダムダブルエックスの重さですね。
2機とも重さは10t未満と、もはやアフリカゾウや大型トラックとほぼ同じ重さと言っていいですが、やはり見てみると材質が違っています。
ウイングガンダムゼロは「ガンダニュウム合金」になっています。これはこの作品にしか登場しない架空の材質で、月面にある隕石分しか存在しない限られた「GND原石」という物質からしか精製されない貴重な合金という設定です。
人類の理解が及ばないオーバーテクノロジーの要素まで含んでいますよね。
そしてガンダムダブルエックスは「ルナ・チタニウム合金」になっていますが、実はこれ1stガンダムの「ガンダリウム合金」の別名という扱いで、全く一緒です。
ただし宇宙世紀に登場するそれと関連性はないという設定なので、宇宙世紀の主人公機とは比較できないと言っていいでしょう。
兎にも角にも、歴代ガンダムの中で重さが10t前後しかないのは上記に挙げた4作品だけです。
実はそれ以降の作品に登場する主人公機は、逆に重くなっていきます。
特に『ガンダムビルドファイターズ』のビルドストライクガンダムフルパッケージに至っては、重さが90t以上もあって、逆に重すぎるくらいです。
1990年代のガンダムが大きさの割に軽すぎるという、もはやファンタジー並の設定に批判があったことが背景にあると思われます。
その反省を踏まえ、近年のガンダムは重量化が進んだようです。
逆にそこまで重くなったら、機動性が損なわれるだろうという批判もありますが、やはり重さはある程度現実的な数字にしようとしたみたいです。
1stガンダムの重さは現実的か?
ガンダムと言えば、やはりアムロ・レイが登場する1stガンダムが有名ですね。
その全長と重さは
- 18.0m
- 43.4t
です。もはやガンダムマニアにとっては、暗記しているレベルでしょう。
この数字を見てもらえればわかりますが、初代ガンダムは歴代主人公機の中でも平均的な重さです。
しかし実はこの数字ですら、非現実的なように思えるのです。
というのも、現実世界で最も体重が大きいとされる動物、または戦車と比較すると一目瞭然です。
例えば海に生息する最大級の動物がシロナガスクジラですが、そのシロナガスクジラの体長は平均で25m、体重が約90t近くあります。
ガンダムはこれより小さいですが、それでも43.4tというのは軽いと思いませんか?
またもう一つ考慮すべきは、ガンダムがロボットであるということです。
ロボットであるということは、金属類など固くて重い材質が使われていることに変わりありません。
人間や動物の体には金属類など、比重が大きい物質が含まれることはほぼないので、仮にシロナガスクジラと同じサイズのロボットを作るとしたら、その重さは間違いなく100tはオーバーするでしょう。
またガンダムはロボットであると同時に、軍事兵器でもあります。
そこで現実にある軍事兵器と比較してもよりイメージが付きやすいです。
現実にある軍事兵器だと、戦車がその代表例ですが、戦車はその高さが3mちょっとしかありません。
しかしその重さは、60tは下りません!既に1stガンダムの重量ですら超えています!
アフリカゾウとほぼ同じ大きさなのに、重さは9倍近くあるの!?
これは戦車という軍事兵器が、大量の弾薬を備えていること、そして敵からの砲撃に耐えるだけの厚さを誇る装甲が必要であることが要因となっています。
もちろん戦車の主要材料が鉄や銅といった重金属であることも大きな要因です。
機動性はほぼありませんが、現実に存在する軍事兵器だと、たった3mしかなくてもこれだけ重量化してしまうのです。
いくらガンダムの装甲材質が架空の合金でできているとは言っても、さすがに無理がありすぎる設定だと言えるでしょう。
仮に現実世界における軽量装甲素材の代表格であるチタン合金でガンダムを設計するのであれば、その重量は300t近くまで膨れ上がります!
「ガンダリウム合金」は、もはやファンタジーの物質では?
ガンダムはSF、ファンタジーではない!
もちろんフィクションだから、アニメだからというお話で済むかもしれません。
しかし仮にもガンダムシリーズは、「戦争」をテーマにしたお話がメインとなっています。
それまであったスーパーロボットシリーズは、化け物や怪獣、宇宙人と言った人外のモンスター達と戦う内容が主体となっていました。
そのためそうした存在に立ち向かうために、多少無理のある設定やファンタジー要素を加えるのも、違和感はなかったと言えます。
ところがガンダムシリーズは、そうした人外の化け物や未知の脅威といった敵が存在しません。
シリーズ通して共通しているのが、現実の人と現実の人、現実の国と現実の国との争いです。
そもそも舞台となっている惑星は、“地球”ですからね。
つまりどこにもオーバーテクノロジーや、ファンタジー要素が入る余地がないのです。
もちろんガンダムには宇宙で居住するコロニーがありますので、そういう意味では未来の話を描いているとも言えますが、それにしてもオーバーテクノロジー過ぎると思います。
いくら「ガンダリウム合金」という架空の物質を使っているとはいえ。
人口100万人近くが居住できるスペースコロニーを作るのと、全長20m近くあって重さがたった40tしかなく戦車すら簡単に破壊するロボット兵器、どっちが簡単に作れると思いますか?
難しい質問ですが、恐らくスペースコロニーではないかと思います。
時間とお金さえあればですけど……
終わりに
今回は以上です。
なんかガンダムファンの人からしたら、やや辛口というか悪口みたいな批判に聞こえた部分があったかもしれません。
しかし誤解のないように言っておきますが、僕はガンダムが好きです。
そうした設定上の矛盾や雑さを除いて、普通の人間ドラマ、戦争ものとして見るなら全然楽しめます。
逆に言えば、ガンダムという世界観、個性溢れるキャラクターの多さ、そしてロボットの格好良さや強さなどが、多くの人を魅了させている要因とも言えますからね。
ただそれでも、ゴッドガンダムの7.5tはやり過ぎだなと思いますが……