人気のある国家資格として定番と言われているのが日商簿記ですね!
経理や財務についての知識がついて、取引先企業の経営状況を数字で理解できるようになるので転職・就職をする人にとってはかなり有利な資格となります。
一番難易度の高い1級に合格すれば税理士の資格取得にも繋がりますが、初めて学習する人の大半は3級から受験します。
その気になれば独学でもテキスト一冊である程度の期間本気で勉強すれば合格することも十分可能と言えます。
難易度も1,2級に比べて易しいこともあって、毎年27万人前後の人が受験されています。
しかし易しいとは言うものの、経理や財務のことに関して無頓着な人も多く、そもそも簿記という言葉の意味自体よくわかっていない人も多いのが実態です。
さてあなたは簿記の正確な意味を理解していますか?また受験して合格する予定ならどのくらいの勉強時間を目標に掲げていますか?
今回はこれから日商簿記3級を受験しようという方のために、独学におすすめのテキストの紹介、さらに簿記についての基本的な知識から、試験の難易度・範囲、理想の勉強プランをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください!
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簿記3級を独学で合格するためのテキストは?
簿記3級を独学で合格したい!
そんなあなたにおすすめのテキストを紹介したいと思いますが、本屋さんに行くと簿記3級についてのテキストはたくさん売ってあります。
一体どれがいいの?と迷う人は多いですが、中でも特に良書と評されるのが以下のテキストです。
『みんなが欲しかった簿記の教科書 日商3級』
独学で合格ということになりますと、やはり内容的にイラストが充実している方が視覚からもわかりやすく情報が入りやすいです。
そういった意味では上に紹介したテキストはテキストは充実していますし、何より全体的にカラフルで説明もわかりやすいです。
簿記初心者にとっても相性が良く総じて完成度が高いと言えるでしょう、何冊も購入するよりこれ一冊を何度も丸暗記するくらい何度も読めば基礎に関しては完璧です。
ただしこのテキストのネックとなるのが本番の試験に対応した問題集がないことです。
基礎的な部分はこのテキストで抑えつつ、それでも本番の試験に対応した応用力や知識まで網羅するには以下の問題集を購入することをおすすめします。
『スッキリわかる 日商簿記3級』
また上で紹介した同じ滝澤ななみさんのテキストですね(;^^)
この人のテキストはかなり好評のようです、Amazonのレビューも高いですね。
教科書と問題集を交互に!
基本的にはまずテキストを一通り読み終えて、全体像をざっくりと理解してから問題集で簡単な基礎問題を順番に解いていきます。
そしてわからなかった部分、間違えた部分をもう一度テキストで読み返しましょう。
自分で要注意だなと思った部分や理解しづらい部分は赤いマーカーや印などを極力つけていきます、こうすれば後で読み返す時にも効果的です。
最近ではYouTubeなどのチャンネルも開設して動画を視聴できるようなテキストも増えてきました。
イラストよりも動画から理解するというのはより効果的です。
そういう意味では以下のテキストもオススメですよ♪
以上でお勧めのテキストと勉強法に関しての解説は終わりですが、合格するにはどのくらいの勉強時間必要なのか?
初心者にとってはこうした部分も気になる所ですね。
次章からは簿記の基礎的な意味を絡めて試験範囲や試験日程、具体的に必要な勉強時間と理想の勉強プランも解説していきます!
簿記ってそもそも何?意義や目的とは?
まずは簿記についての基本的なことからおさらいしておきます。
簿記と言うのは簡単に言えば帳簿記録の略です、真ん中の2文字をとれば簿記となりますね。身近な例で言いますと、一般の家庭でも主婦が家計簿に出費などを記録していますがあれも簿記の一種です。
ただし簿記と言いましても、大きく分けて単式簿記と複式簿記の2種類があります。
家庭で記録する家計簿やお小遣い帳などは単純に現金の増減についてのみ記録していくので単式簿記となります。
これに対して複式簿記とは現金だけでなくその他のもの、例えば商品や借入金などでもその増減を記録していくので複雑な形式になります。代表例が会社で用いられる帳簿があります。
さらに会社の簿記についても業種によって形態が異なり、小売業や卸売業で取り扱う商業簿記と製造業などで取り扱う工業簿記の2種類に分けられます。
この内簿記3級の試験では商業簿記のみを取り扱うことになっています。
簿記の仕事は社会的に必要不可欠!
では複雑な形式で簿記をする目的は一体何にあるのでしょうか?
帳簿記録を行うと、貸借対照表と損益計算書という2種類の重要な表を作成することになるのですが、この2種類の表が会社の現在の状況を知る上で重要になってくるのです。
日商簿記3級の勉強にとって欠かせない2種類の表の意味について把握しておきましょう!
- 貸借対照表
- 損益計算書
会社に現在どれくらいの資産と借金があるのかを示した表、すなわち財政状態が一目でわかる表です。
会社がどれだけ儲かったのか、あるいは損をしたのかを示した表、すなわち経営成績が一目でわかる表です。
これら2種類の表があることで会社の財政状態と経営成績がわかるので、会社を経営する人やその会社の株を購入しようとする投資家にとっては非常に重要な指標となります。
またそれだけではなく、その会社に勤めている従業員、銀行、税務署にとっても重要な判断材料になります。
従業員にとっては自分たちの賃上げ交渉で役に立つ可能性がありますし、銀行にとってはその会社が融資するにふさわしいか・どのくらい融資すべきかを判断する時にも役に立ちますし、税務署にとっては、その会社の当期純利益をベースに支払う税金を計算する際に必要となります。
このように貸借対照表と損益計算書は現在の資本主義社会を支える上で重要な表ということがわかります。故にこういった表を作成する簿記の仕事も必要不可欠だということになるのです。
日商簿記3級の試験概要について
日商簿記3級とは、商店や中小企業の経理事務に必要な基礎的なレベルに到達していることを目標においた資格です。
この検定に合格すれば実務で役立つ経理関連書類の読み取りができるようになって取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになります。近年では営業・管理部門でも大切な知識として評価する企業が増えてきました。
それほど会社の経営が気になる人が増えてきたということですが、日本は資本主義である以上需要がなくなるという仕事ではありません。
この日商簿記試験を実施するのは日本商工会議所という団体です、試験概要について簡単に解説しておきます。
- 試験日程:毎年2月の第4日曜日、6月の第2日曜日、11月の第3日曜日の計3回
- 受験料:2500円
- 受験資格:年齢・性別・学歴・国籍の制限はない
- 試験時間:120分
- 合格基準:100点満点中70点以上
- 出題数:全部で5題
- 配点:第1問が20点、第2問が8~12点、第3問が28~32点、第4問が8~12点、第5問が28~32点
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日商簿記3級の難易度・試験範囲は?
日商簿記3級は毎年27万人前後の人が受験されますが、その合格率は毎年平均40%台半ばくらいです。
つまり2人に1人しか合格できていません、こうしてみると意外と難しそうだなと思うかもしれません。
ただし日商簿記3級の試験自体は1年に3回あるので、1回・2回の試験で失敗しても1年以上ブランクが空くことはありません。そのため他の国家資格に比べて精神的にも気軽に挑戦できるのが強みと言えます、もちろん受験するたびに受験料がかかりますがwww
まずどの資格の勉強にも言えることですが、基本的には予備知識がほとんどない人が初めて勉強する資格というのは総じて合格するのは難しいです。
仮に専門学校に通っていたり、大学で経理や経営学について学習していた人にとってはある程度頭に入りやすい内容だと思いますが、ほとんどの人にとっては簿記と言うのは初めて習う内容ばかりなので、覚えることは非常に多いです。
特に専門用語は非常に多いですが、この専門用語の意味も正しく理解しておかないと勉強は捗らないでしょう。
参考までに日商簿記3級の1~5問までの出題内容について紹介しておきます。
- 仕訳問題
- 補助簿や勘定作成問題
- 試算表作成問題
- 伝票問題と決算仕訳
- 精算表の問題
この中で最も配点が高いのが第3問と第5問です。試算表と精算表の問題は2つ合わせて60点近くの配点を占めるので、日商簿記3級の中でも特にウェイトが大きいです。
この2問で取りこぼしてしまうと合格はほぼできないと言っても過言ではありません、勉強する時にもこの2つの範囲に一番時間をかけるようにしてください!
理想の勉強プランの紹介!
テキストと問題集に関しては最初の章で紹介した滝澤ななみさんの2冊で十分です。
しかし独学となるともう一つ大事となるのが勉強プランですね。
予備校に通うわけではないので自分でしっかりと勉強スケジュールを組み立て管理し、目標も立てながら毎日地道に勉強し続けることが大事となります。
基本的に簿記3級に合格するための勉強時間は一般的には合計で100時間ほどだと言われています。
100時間と言いますと仮に1日5時間の勉強時間を割けるなら20日で終われるペースですが、全ての人が20日で到達できるかと言われればそうは行きません。
そこで時間が多く取れる人・それなりに取れる人・あまり取れない人の3パターンに分けてどう配分していけばいいか紹介していきます。これを参考に自分に合った勉強プランを立ててください!
比較的時間が多く取れるなら1日5時間で約3週間!
学生の方やフリーター、ニートの方などは比較的時間が多く取れるでしょう。
そんな人は本気出せば多くて1日5時間くらいは出来るはずです、もちろんあくまで目安ですがwww
仮に本当に1日5時間のペースで勉強し続ければ、最初の2週間で基礎的な学習を全部済ませて、残りの1週間で適宜問題集を解いて自分の苦手分野を克服してください。
もっと時間が取れるなら2週間でもいけるかもしれません。
それなりに時間が取れるなら1日3時間で約1カ月!
恐らく大半の人がこの勉強プランになると思います。残業や休日出勤の少ない社会人、フリーターでもアルバイトやパートをしている方にとってはこのプランが一番無難になると思います。
目安は1日3時間と謳っていますが、平日は2時間・休日は5時間と分けても大丈夫です。
自分のペースを崩さない限りは勉強時間を極力増やしていきましょう。こちらも残りの2週間くらいは問題集を中心に学習していくのがオススメです。
忙しくて時間が取りにくいなら1日1時間で約3カ月!
忙しくて本当に時間が取り辛い方向けの勉強プランです。残業の多い社会人もそうですが、子育てに忙しい主婦の方にも向いています。
1日1時間という無理のないペースでじっくり勉強していきましょう!
最初の2カ月くらいを基礎的な知識を入れる期間に充てて、残りの1カ月間で問題集を解いていくというスタイルにしていくと良いでしょう。
最後に一言!
今回は簿記3級を独学で合格するためのおすすめのテキストと理想の勉強プランに関しての解説でした。
巷では「1週間程度勉強すれば受かる!」という人がいますが、真に受けないようにしましょう。
そういう人は自分にとってはある程度の予備知識があった状態で勉強しているはずなので簡単だと言うだけです。
また簿記の試験は計算も多いです。高校の数学みたいなややこしい計算はありませんし電卓の持ち込みは許可されていますが、数字が苦手の方はやはり抵抗があるかもしれません。電卓に関しては関数電卓ではなく普通ので十分です。
ただ3級だからと思ってなめて挑むと痛い目を見ますよ、最後まで慢心してはいけません。
また3級合格後はぜひ2級にもチャレンジしてみてください!
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