有史以前に生息していた巨大な陸上動物といえば、恐竜以外にも「マンモス」がいます。
大勢の生徒がいる学校を「マンモス校」と呼んだり、何かと巨大で規模が大きい時に「マンモス級」という修飾語としてよく使われます。
そんな「マンモス」ではありますが、漢字でどう書くかご存知ですか?
「マンモス」を漢字で?多分「原始象」じゃないかな
当て字で考えて「万模素」かな?
そもそも「マンモス」の漢字表記があるのかどうか、それすら怪しいですね。
調べてみたら「マンモス」の漢字表記はちゃんとあったんです。
さらに中国語でもどう表記するか気になったので、詳しく見ていきましょう!
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「マンモス」を漢字で書くと?
では答えの発表です。「マンモス」を漢字で書くと
となります。
この2つの表記ともに「マンモス」を意味するわけですが、2つ目は見たこともない漢字があって戸惑った人もいると思います。
実はこの表記は日本語ではなく、中国語表記になります。それぞれどういう意味か、そしてどう発音するのか、詳しく見ていきましょう!
「毛象」の意味・発音とは?
「マンモス」とはご存知最終氷河期に絶滅した象の近縁種にあたります。体高約3.5メートル、長く湾曲した牙を持ち、さらに全身が30〜40センチほどの長い毛で覆われています。
原始時代が舞台のアニメや映画にもよく登場します。
やはりその外見から「毛が生えた巨大象」というイメージが強いですね。
だから中国語の漢字が「毛象」、となるのも頷けます。
発音は「マァオシィアン」となりますが、「マンモス」とやや近いので覚えやすいでしょう。
「猛犸」の意味・発音とは?
次は「猛犸」です、こちらもやはり「マンモス」を意味します。
漢字2文字をそれぞれ分解するとこうなります。
- 猛:発音は「マァン」、意味は「激しい、荒々しい」
- 犸:発音は「マ」、意味はなし
この2文字を並べて発音は「マァンマ」、意味は「マンモス」となりますが注目すべきは2文字目の「犸」という漢字。
実はこの漢字は単独では意味を成さない特殊な漢字です。正確には「付属形態素」と呼ばれる漢字ですが、この類の漢字は単独では意味を成さず、常に何か別の漢字と熟語を作ることになります。
今回の例だと「犸」が一文字目の「猛」と繋がり、「猛犸」となって「マンモス」という意味になります。
そして発音は「マァンマ」ですね。
つまり熟語の発音を「マンモス」に近づけるために「犸」という漢字が採用された、ということになります。
敢えて意訳するなら「荒々しい象(のような動物)」となるでしょうか。中国語は奥が深いです。
中国語にはこういった漢字が多いみたいだよ
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「巨象」という表記もある?
ここまで「マンモス」の中国語表記について解説してきました。
ところで日本語での漢字表記はないものか、やはりそこが気になりますね。
実は正確にはないことはないのですが、なんと文学作品の中にその表記があったんです。
明治から大正、昭和にかけて活躍した作家与謝野晶子の小説『巴里より』の中に「巨象の様な大機関車」という記載があります。
機関車を巨象に喩えていますが、この巨象が「マンモス」と読むわけです。
確かに「巨大な象」だから、わからなくはない漢字表記です。
しかし「巨象」を「マンモス」と読むのは、文学作品以外だと例がありません。
「ナウマンゾウ」を漢字で書くと?
マンモスではありませんが、日本列島に生息していた巨大な象として、「ナウマンゾウ」もいます。
歴史の授業で習ったことのある人も多いでしょうが、この「ナウマンゾウ」を漢字でどう書くと思いますか?
実は調べても、どうも日本語での漢字表記はないみたいです。
日本語での漢字がないなら、やはり中国語になりますね。中国語で「ナウマンゾウ」は
纳玛象
と表記します。
因みに発音は「ノーマーシィアン」、日本語の「ナウマンゾウ」の「ナウマン」の部分の発音を近づけています。
「ナウマン」とは「ナウマンゾウ」を発見したドイツ人の地質学者「ハインリッヒ・エドムント・ナウマン」から取っています。
まとめ
以上「マンモス」の漢字表記について解説してきました。では今回の内容のまとめです。
- 「マンモス」を漢字で書くと「毛象」か「猛犸」
- 「毛象」は「マァオシィアン」、「猛犸」は「マァンマ」と発音、「犸」は「付属形態素」
- 文学作品の中には「巨象」という表記もある
- 「ナウマンゾウ」の漢字は「纳玛象」、「ノーマーシィアン」と発音
「マンモス校」を「猛犸校」なんて表記すると、単にカタカナで表記するより凄く迫力というか威圧感がありますね。
同じく巨大な動物で、恐竜の王者とも言われる「ティラノサウルス」の漢字についても紹介しています。
詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も御覧ください!
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