子供の頃から親や先生からしつこく摂取しろと、耳にタコができるほど言われた「カルシウム」!
化学の授業でもよく登場しますが、牛乳や小魚など身近な食べ物に豊富に含まれます。
最早見かけない日はない「カルシウム」というカタカナ5文字ですが、漢字だとどう書くわかりますか?
うーんわからないな。当て字で「化瑠歯卯武」かな?
「軽子有無」でしょ、違うかな?
いろいろな当て字表記が出てきましたが、さすがに分かる人は少ないですね。
そもそも漢字表記があるのかさえ疑問になりますが、本当にあるのでしょうか?
今回は「カルシウム」の漢字表記を詳しく見ていきましょう!
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「カルシウム」を漢字で書くとこうなる!
「カルシウム」とは原子番号20の元素で、記号で「Ca」と表記されます。
そもそも漢字表記があるのか疑いたくなりますが、実はちゃんとあったんです!それもかなり意外な表記でした。
え?もしかしてこれって当て字じゃないの?
かなり難しい表記ですね。一体全体どうしてこんな表記になるのか凄く疑問です。
実はこの表記、昔のとある物理学者によって考案された漢字表記となります。
「カルシウム」がどうして「加爾叟母」になるのか、詳しく見ていきましょう!
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「加爾叟母」の由来は?
「加爾叟母」という表記ですが、これは明治時代と大正時代に活躍していた宇田川純一という物理学者によって記された表記です。
今ではほとんど見ませんが、明治時代は外来語に馴染みのない日本人に向けて、外来語に漢字表記を当てることを生業としていた人もいます。
「加爾叟母」の漢字をそれぞれ分けて考えますと、
- 「加」は音読みで「カ」
- 「爾」は音読みで「ジ」
- 「叟」は音読みで「ソウ」
- 「母」は音読みで「ボ」、「モ」
全て音読みで繋げても「カ・ジ・ソウ・モ」となるだけで、全然「カルシウム」と聞こえませんね。
これは英語での発音に基づいて作られた当て字となります。
英語だと「カルシウム」は「calcium」となり、発音は「カーシウム」で、2文字目の「ル」はほぼ発音しません。
また「シ」の部分を「ジ」とほぼ同じ音で考えると、「カージウム」とやや近くなりました。
3文字目の「叟」の「ソウ」ですが、「ソ」を外せば「ウ」となります。
これで「カジソウモ」が「カジウモ」となり、だいぶ英語の発音と近くなりました。
もちろんコレでもかなり無理矢理感のある当て字ですけどね。
因みに4文字目の「母」はこの場合「ム」と読むわけですが、実は同じような当て字で「リチウム」は「利知烏母」、「アルミニウム」は「亞爾密紐母」と書きます。
「母」を「ム」と読むことで「カジウム」となり、確かに「カルシウム」っぽくなりましたね。
このように元素記号で最後に「ム」で終わる名前の漢字表記は、最後は漢字の「母」という謎の規則があります。
元素番号11の「ナトリウム」は漢字で「曹達」と書くんだ、詳しくはコチラの記事をどうぞ!
食塩を構成する元素としてもお馴染みの「ナトリウム」ですが、漢字でどう書くかわかりますか?実はちょっと意外な2文字になるんです!その漢字表記の由来と中国語での意外な表記も紹介します!
「爾」は「ブラジル」の漢字表記にもある?
2文字目の「爾」については、音読みが「ジ」になるわけですが、「カルシウム」の「ル」の部分に該当する漢字とは思えないですよね。
ただほかにもこれと似たような規則で付けられた漢字表記が合って、それが国名の「ブラジル」です。
国名の「ブラジル」の漢字は「伯剌西爾」となりますが、見ての通り最後が「爾」になっていますね。
最後はカタカナの「ル」で、漢字だと「爾」になっています。
正直どうして「ル」の部分が「爾」になるのかは不明です。
ただ「ブラジル」の「ル」の部分が「爾」になることから、「カルシウム」の「ル」も確かに「爾」になると考えれば割と納得がいきます。
「アルゼンチン」も「亜爾然丁」って書くよね、確かに「爾」になってる
「カルシウム」の語源とは?
今でこそ「カルシウム」という単語は、日常でもよく聞く言葉ですが、そもそも何が語源となっているかご存知でしょうか?
英語で「calcium」と書きますが、実はラテン語で「石」を意味するcalxに由来しています。
石灰(炭酸カルシウム)を主成分とする石灰岩や大理石として、ピラミッドや神殿の石材として、そして現在ではセメントにも利用されています。
それだけでなく動物の骨にも多く含まれています。
カルシウムは、建物だけでなく体の骨格をも支える超大事な元素なんです。
「カルシウム」の中国語表記は?
「カルシウム」の漢字表記について解説してきましたが、実はお隣の中国でも独自の漢字表記があったのです。
中国では「カルシウム」は「钙」と書きます。
発音は「ガイ」、確かに「カルシウム」の「カ」と対応していますね。
しかも漢字一文字だけの表記とは、なかなかシンプルです。
因みに「ナトリウム」は中国語で「钠(鈉)」と表記します。
まとめ
今回は「カルシウム」の漢字表記について紹介しました。それではまとめといきましょう。
- 「カルシウム」を漢字で書くと「加爾叟母」
- 「加爾叟母」は物理学者によって考案された当て字
- 「カルシウム」の語源はラテン語の「calx」から
- 中国語では「钙」、「ガイ」と発音する
中国語表記を見かける機会も増えたので、中国語の「カルシウム」も覚えておけば何かと役に立つでしょう。
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