我々の日常生活で最早欠かすことのできないのが電気です。
その電気ですが、普段はあまり意識しませんが、そのエネルギー消費量を計算する方法もしっかり確立されています。
電気のエネルギーとは電力となりますが、その電力を計算するのには電圧と電流の2つの要素が必要になります。
だけど具体的にどう計算すればいいか、わからない人もいるのではないでしょうか?
学校の授業で習ったことあるけど、どうするんだっけ?
確か凄く単純な式だった気がするけど、掛け算だっけ割り算だっけ?
我々の生活には欠かせない電力なのですが、このように曖昧なイメージでは、子供達にとても教えられないですね。
また電力と言うのは、家庭用電化製品の消費電力、電気代の計算時にもほぼ必須な知識となりますので、やはり知っておいた方がいいと言えるでしょう。
ということで今回はとっても簡単に覚えられる覚え方も含めて、この3つの要素の関係性と計算方法を紹介していきます!
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電力・電圧・電流の関係とは?
まず電力という言葉の定義について、簡単に説明します。
「電力とは単位時間に電流がする仕事のこと」
物理学の概念で言いますと「仕事率」に分類されます。後半で解説する電力量とはまた異なるので注意してください。
その電力を電圧と電流の2つを使った式で表現しますと、
電力=電圧×電流
となります。とても単純な式ですね!
電力の単位はワット(W)、電圧の単位はボルト(V)、電流の単位はアンペア(A)となりますので、
電力の単位WはV/Aと等しい
という関係も成り立ちます。
この公式を使って、実際に家電製品としてエアコンの消費電力を求めてみましょう。
ある家庭の電圧が通常100V(最近は200Vも多いです)、流れる電流が8Aの時、エアコンの消費電力は
100×8=800W
となります。
ただしここで求めたのは電圧と電流の積に過ぎず、実際の消費電力については、その電化製品ごとに定められた力率という数値によって若干異なってきます。
また電力会社からもらう検針票に記載された電気使用量は、電力に使用時間(h)を掛けた電力量(Wh)となっていることも覚えておきましょう。
これについては記事の後半でも紹介します。
小学校で習うはじきの法則と似ている?
さて電力は電圧と電流の積であることがわかりました。この関係より、電圧と電流もそれぞれ以下のような式で表現できます。
- 電圧(V)=電力(W)÷電流(A)
- 電流(A)=電力(W)÷電圧(V)
上記の電力の式と組み合わせると、何かの関係に似ていると思いませんか?
あ、これって小学校で習う「はじきの法則」じゃない?
小学校の算数で、距離と速さと時間の3つの関係を簡単な円を描いて、図式的に理解できるようにしたのがいわゆる「はじきの法則」です。
小学校の算数で習う「はじきの法則」は、距離と速さと時間を簡単に求めるために効果的な法則です。どうやったら簡単に求まるようになるのか、またその覚え方もわかりやすく紹介していきます。批判が多い理由についても考察していきますよ!
距離を電力、速さを電圧、時間を電流に当てはめると、確かに「はじきの法則」と一致することがわかりますね!
簡単に覚える語呂合わせとは?
「電力は電圧と電流の積である。」
これをそのまま文章として覚える形でもいいでしょう、幸い式の形もそこまで複雑ではありません。
だけどあまりにも単純すぎる故に、はじきの法則みたいに覚え間違いしそうで怖いですね。
いざ本番の試験になると
「電圧を電流で割って変な値になってしまった!」
なんていう苦い経験をしてしまうかもしれませんよ。
「そんな間違いなんかしないよ!」と自信満々で言える人なら別にいいのですが、覚え方に自信がない人は、効果的な語呂合わせもセットで覚えてしまいましょう。
その覚え方ですが、日本人が大好きな野球にちなんで、以下のような語呂合わせがしっくり来ると思います。
ボールをバットで流し打ち!ワッと歓声!
シチュエーションとしては、野手がボールをバットで見事な流し打ちをして、クリーンヒットとなり、観客が「ワッ!」と大きな歓声を上げた、ということになります。
- ボールは電圧Vの単位「ボルト」から
- バットは掛け算の「×」(バツ)から
- 流し打ちは電流の「流」から
それぞれ来ていて、これらを順番通りに組み合わせると
V(ボルト)×電流=W(ワット)
⇒電圧×電流=電力
と繋がりますね。
「ペイの法則」とは?
さらにもう一つ「ペイの法則」と呼ばれる覚え方もあります。
アルファベットで『PEIの法則』と表記します、決して「お金を支払う」という意味の「Pay(ペイ)」ではありませんよ。
この言葉の由来は、電力・電圧・電流の言葉をそれぞれ英語で表現した時の、頭文字から来ています。
- P:Electric PowerのPから
- E:Electric PotentialのEから
- I:Intensity of Electric CurrentのIから
これら3つのアルファベットで置き換えてやると、「電力=電圧×電流」は
P=EI
となります。
左から順番にローマ字読みすれば、「ペイ」になりますね♪
今流行りのQRコード決済にちなんで、「お支払いは電力ペイで。」と覚えておきましょう!
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抵抗も使って電力を計算してみよう!
ここまでは、電力と電圧と電流との関係性についての解説でした。
だけど電圧と電流ときたら、忘れてはいけない知識が『オームの法則』ですね。
このオームの法則も、理科の授業で習う超大事な法則です。
電気工学において超重要なオームの法則ですが、覚え方がいくつかありました。代表的な語呂合わせと、視覚的に覚える画期的な方法についても紹介しますので、試験対策などにぜひお役立てください!
この法則を簡単に解説しますと、電圧Eが電流Iと抵抗Rの積で表されるという関係ということでした。
ということは、電圧は電流と抵抗(E=IR)で、電流は電圧と抵抗(I=E/R)の2パターンでも置き換えられるということです。
すなわち、オームの法則を用いれば、電力の式は抵抗Rで置き換えて以下の2つの式とイコールとなります。
- P=I²R
- P=EI=E²/R
これら2つの関係式から、電力は電流の2乗と抵抗の掛け算、または電圧の2乗と抵抗の割り算、ということにもなります。
では、試しに以下の例題を説いてみましょう。
回路図としては上のようになりますね。
上で説明した公式を用いれば、
P=EI=E×E/R=5(W)
となります。
電力量との違いは?
改めて説明しますが、電力と言うのは我々の生活においてとても身近な言葉です。
何と言っても、家庭にある家電製品を全て動かしてくれるエネルギーなわけですから。
でも電気をつけるとどの家庭でも電気代がかかりますが、その電気代を計算する指標は「電力量」と呼ばれる数値です。
先ほども説明しましたが、電力と電力量は意味が違います。
- 電力(Electric Power):ある電気回路において、単位時間当たりの電気がする仕事
- 電力量(Electric Energy):ある電気回路において、一定時間に電気がした仕事
すなわち「電力量は電力を時間で積分したもの」と言い換えることもできます。
正直名前も似ていて凄くややこしいですね(*_*)
簡単に言えば、「電力量の方が文字数が多いので、必然的に電力よりも大きな数値になる」と思ってもらえればいいです。
数学的にもっと正しく表現するなら、電力量とは電力と時間の掛け算になるので、「ワット時」とも言います。
電力量=電力P×時間t=Pt
なので、単位は[W・時]です。
通常はtの単位は、時間h(アワー)となるので、ワット時は「ワットアワー」とも呼びます。
さらに実際の電力計においては、ワットは1000倍を表す接頭辞キロ(k)を一緒に用いて、「kWh(キロワットアワー)」とすることが一般的です。
自宅に送られる検針票を見てもらえれば、電力使用量の欄に「kWh」という単位が書かれているはずです。
因みに、4人世帯の一日の平均使用量はだいたい13kWhだよ。
まとめ
以上電力について詳しく説明して参りました。では今回の内容のおさらいです。
- 電力は電圧と電流の掛け算で求められる
- 電力と電圧と電流の関係は、はじきの法則と似ている
- オームの法則より、電力は電圧と抵抗、または電流と抵抗の2パターンでも表現できる
- 電力は単位時間当たりの電気の仕事、電力量は一定時間で電気がした仕事
- 電力量の単位は一般的にkWh(キロワットアワー)で、検針票にも記載されている
今回の記事で、改めて電気についての理解が深まれば幸いです。
だけど極力電気に頼らず、節電する生活をして生活費を減らすことも大事になってきますよ。
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