人間の生活で最も欠かせない要素と言えばです。

普段の生活で水道を利用しない人はいないといっても過言ではありませんね。

その水道から水が出る部分の口を「蛇口」と呼びますが、実は他にも「カラン」というカタカナでの呼び名もあるんです。

キャラ2

この前もお風呂に入ったらシャワーと蛇口の切り替えレバーに「カラン」って書かれていたから、どうしてだと思ったよ。

キャラ3

もしかして「蛇口」の英語が「カラン」なの?

ということで「カラン」と「蛇口」の2つの言葉は、何がどう違っているのか凄く気になりますね。

意味の違いやそれぞれの語源について詳しく調べてみたので、ぜひご覧ください!




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「カラン」と「蛇口」の違いとは?

「カラン」と「蛇口」、2つの言葉の違いを簡潔にまとめてみます!

  • 蛇口」とは、水を運ぶ管の出口部分、あるいはその部分の器具のこと
  • カラン」とは、オランダ語が語源になっている言葉で、蛇口の総称

このようになります。

結局「蛇口」も「カラン」も意味する物は全く同じで、違いは日本語かオランダ語というだけだったのです。

これだけだと少し拍子抜けですよね(+_+


だけどそもそも、どうして日本では水が出る部分の事を「蛇口」と呼ぶのでしょうか?

またオランダ語の「カラン」がそもそも何を意味する言葉なのか、凄く気になりますね。

ということで次からは、それぞれの言葉の由来などについて詳しく見ていきましょう!

「蛇口」の語源って?

一般的によく目にする「蛇口」は水やお湯が出る器具を指しますが、そもそもなぜ「」とついているのでしょうか?

金髪の若者

なんとなく形が蛇っぽく見えるからじゃないかな?

確かにこれも納得できそうな回答ですが、実は歴史が大きく関係したんです。

そもそも「蛇口」が日本にやってきたのが、1887年の横浜からとされています。

当時はイギリスから共用栓を輸入していましたが、その時採用されていたのは獅子の顔でした。

通称「ライオンヘッド」と呼ばれていますね。

ヨーロッパではライオンが水の守護神とされていたことが理由にあるのですが、日本でもヨーロッパ同様、自国で水の守護神とされている龍を「共用栓」のシンボルしようと決めたわけです。

それ以降日本国内で作られた「蛇口」には龍が用いられ、名称も『蛇体鉄柱式共用栓』と付けられました。

因みに「蛇」とは龍の元となった動物です。龍の起源や由来については以下の記事をどうぞ!

この長い名称が省略され、やがて「蛇口」となったということです。

つまり「形が蛇に似ていたから」という理由ではなかったんですね。


でもどうして元の名称が『龍体鉄柱式共用栓』にならなかったのかは謎です。

これについては明治時代の人々の名づけのセンスが問われます。

もしかしたら「存在しない空想上の生き物だから」という理由かもしれませんね。

「蛇口」の種類について

さてみなさんが目にする一般的な蛇口は、上水道のものですね。

日常だと洗面所、台所、浴室など、屋外では庭や公園、学校の手洗い場、公衆トイレなどにも設置されているのを目にかけます。

最近ではあまり見なくなりましたが、上のような単水栓の蛇口というのは、特に公園などで設置されていて、これは手で上のレバーを回転させることで水が出ます。

あるいはプッシュ式もあって、押している間だけ水が出る蛇口もありますね。

現在では蛇口といえば、レバーを左右に切り替えることで、お湯も両方出せる混合栓タイプが多くなってきました。

またそもそもレバーやつまみすらついていない、赤外線センサーで手を近づけただけで水が出る蛇口もありますね。

少年

僕の家の台所も昔はつまみを回転させるタイプの蛇口だったけど、リフォームして混合栓タイプになったね。




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「カラン」の語源って?

では続いて「カラン」の語源について見ていきましょう。

改めての説明になりますが、「カラン」とはオランダ語で「蛇口」を意味します。

綴りは「Kraan」ですが、実は元々の意味は動物の「」を意味する言葉でした。

※因みにヨーロッパに生息している主な鶴は“クロヅル”です。


蛇口から伸びた水道管が鶴の首の様に見えることから、蛇口のことをオランダでは「Kraan」と呼んでいたんです。

歴史を遡ると、日本でオランダ語が本格的に流入したのが江戸時代の頃です。

時代はまさに鎖国で、まともに交流していた外国といえばオランダだけでした。

西洋の学問はオランダからしか学べなかったので、その時代の学者はオランダ語を学ぶ必要があり、それに伴って多数の言葉が日本語に取り入れられました。

「蛇口」以外でも「カラン」と同じ語源の言葉がある?

実は調べてみたら「カラン」と同じ語源の言葉が「蛇口」以外でもあることがわかりました。

それが工事現場でよく見かける「クレーン」です。

日本語で「起重機」にあたりますが、確かに鶴の首と似ていますね。そして言葉もどことなく「カラン」と似ています。

似ているのは偶然ではなく、語源はやはりオランダ語の「カラン」と同じなんです。

ただ両方とも「カラン」と呼んでしまうと紛らわしいので、工事現場の「起重機」は「クレーン」とやや表現を変えています。

外国人男性

「蛇口」と「クレーン」、同じオランダ語が用いられていただなんて!

「蛇口」を英語で言うと?

「カラン」というのが「蛇口」のオランダ語というのはわかりましたが、それでは英語ではどう表現するのでしょうか?

試しにWeblio辞書で「蛇口」と検索してみますと、以下のような単語が引っ掛かりました。

faucet


やはりオランダ語とは似ても似つかぬ言葉でした!

ただこれはアメリカ英語だけの表現のようです。

実はイギリス英語だと、「tap」という別の単語になります。

I fixed the faucet yesterday.

と書かれていたら、「昨日蛇口を修理したよ。」という意味になります。

因みに同じオランダ語を持つ「クレーン」については、英語で「crane」と表現します。

実は「crane」の意味は「鶴」なので、こちらについてはオランダ語と同じ語源です。


おまけ:その他オランダ語が語源の言葉

実は他にもオランダ語が語源となっているカタカナ語があるのをご存知ですか?

ということで「カラン」以外の、主なオランダ語由来の言葉をざっくりと紹介していきます!

オランダ語 英語
ガラス(glas) glass
オルゴール(orgel) music box
スコップ(scoop) shovel
コンパス(kompas) compass
シロップ(siroop) sirup
スポイト(spuit) syringe
ソーダ(soda) soda
タラップ(trap) ramp
どんたく(zondag) なし
ビーカー(beker) beaker
ヒステリー(hysterie) hysteria
ピンセット(pincet) tweezers
ブリキ(blik) tinplate
ポン酢(pons) ponzu vinegar
ランドセル(ransel) randsel
リュックサック(rugzak) knapsnack
レッテル(letter) label
レトルト(retort) retort

いかがでしょうか?

こうしてみると、結構オランダ語由来の言葉って多いですよね。

一部を除けば、ほぼ全て英語だと表現か綴りが変わります。英語にもオランダ語由来の言葉があるってことです。

遠い国でありながら、多くのオランダ語が日本語に違和感なく浸透しているのは驚きです。

鎖国の江戸時代から交流していただけに、やはりオランダというのは遠くて近い国のような感じがします。

男性1

因みに「オランダ」という言葉の由来は、ポルトガル語表記の「Holanda」だよ。この言葉は戦国時代にポルトガル人の宣教師によって持ち込まれたんだ。

まとめ

今回は「蛇口」と「カラン」の違いを詳しく見ていきました。それではまとめといきましょう!

  • 「蛇口」は明治時代に龍のデザインで作られた共用栓の名称を略した言葉が語源
  • 「カラン」はオランダ語で「鶴」を意味する言葉が語源
  • 「カラン」と起重機を意味する「クレーン」は同じオランダ語



最近では赤外線センサーで水が出る「蛇口」も増えてきました。

この手の「蛇口」はセンサーで感知するので、「機械口」と呼んだほうがいいかもしれないですね。


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