1年を通してニュースの天気予報を見続けていると、キャスターが
今日は○○の日ですね!
と言う場面がたまに来ます。
さてこの○○の中には、いろいろな用語が入ってきます。
代表的な言葉が「大寒」、「春分」、「冬至」などがありますが、実はこれらはいずれも二十四節気と呼ばれる特別な日です。
春夏秋冬という大きく4つの季節に分類されるのが日本の1年ですが、さらに細かく24の日で季節の節目を定めているのです。
年中行事や時候の挨拶など、昔から日本人にとっては馴染み深い言葉となっていますが、改めてその二十四節気が何日で意味は何なのか、そして読み方を全部言えますか?
かくいう僕もいざ「二十四節気を全部答えろ!」と質問されて言える自信がありません(;^^
ということで今回は二十四節気の意味と読み方、そして覚え方も全部見ていくことにします!
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二十四節気とは何か?
改めて二十四節気について結論からですが説明しておきますと、
1年を日数あるいは太陽の位置によって24等分し、その分割した日に季節を表す名称を付けたものです。
二十四節気の由来は中国の春秋戦国時代にあり、その頃は太陰暦を用いていたのですが、1年を24の期間に区分する手法が採用されていました。
二十四節気の中でも、特に以下の8つの節気が重要ですね。
- 夏至:一年で昼の長さが最も長い日
- 冬至:一年で昼の長さが最も短い日
- 春分と秋分:一年で昼と夜の長さが同じの日
- 立春:冬至と春分の中間
- 立夏:春分と夏至の中間
- 立秋:夏至と秋分の中間
- 立冬:秋分と当時の中間
夏至と冬至は二至、春分と秋分は二分、立春・立夏・立秋・立冬は四立として、重要な節気として扱われています。
夏至と冬至と春分と秋分は、昼の長さと夜の長さに凄く特徴があります。
一年で最も長くなったり、短くなったり、昼夜の長さが等しくなるのですが、これらは天文学の分野になります。
詳しい説明は省きますが、簡単に言いますと、地球の地軸の傾きが原因で起こるのです。
これについては以下の記事でも解説しています。
二十四節気の春分・夏至・秋分・冬至について解説します。それぞれ太陽と地球の位置関係によって変わりますが、春分と秋分は昼と夜の長さが等しくなり、夏至は昼の長さが、当時は夜の長さが最も長くなる日です。これらの日は天文学的に特別な日に位置付けられていて世界各地で行事が行われます。
太陽の位置と節気
地球は一年365日をかけて太陽の周りを回転します。
仮に360とすると、24等分したら15日の周期で節気が訪れます。
太陽が移動する天球上の道を24等分すると、ちょうど上のような感じになります。
二十四とあるので、文字通り1年で24日ありますが、前項で紹介した二至と二分、四立の間に2つずつ節気を加えている形ですね。
- 春分と立夏の間:清明と穀雨
- 立夏と夏至の間:小満と芒種
- 夏至と立秋の間:小暑と大暑
- 立秋と秋分の間:処暑と白露
- 秋分と立冬の間:寒露と霜降
- 立冬と冬至の間:小雪と大雪
- 冬至と立春の間:小寒と大寒
- 立春と春分の間:雨水と啓蟄
このような分け方がされています、一節が45日間隔でそれが三等分になっています。
冒頭でも軽くお伝えしましたが、これら24の日は農業の目安として大変便利でした。
昔の人達はこの節気をもとに、季節の移り変わりや暦を読んでいたということです。
因みに二十四節気の日にちは毎年同じではなく、年によって1日前後と微妙に変わります。
地球が太陽の周りを完全な円ではなく楕円で公転していること、さらに公転速度も一定ではないことが原因でズレが生じてしまうのです。
これを避けるために単純に日数で分割するのではなく、太陽の位置からもどの日が二十四節気なのかを割り出して修正しています。
具体的には、太陽が通る天球上の道で春分点を基準(0度)として、15度ずつに分けているのです。
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二十四節気の意味と読み方
では二十四節気のそれぞれの意味と読み方、そして具体的な日付がいつになるのか、表でまとめましたのでご紹介します。
節気の名前 | 読み方 | 日付 | 意味 |
---|---|---|---|
小寒 | しょうかん | 1月6日頃 | 「寒の入り」とも言って、寒さが最も厳しくなる頃 |
大寒 | だいかん | 1月20日頃 | 1年の中で最も寒い時期 |
立春 | りっしゅん | 2月4日頃 | 旧暦の元日、春の始まりであり二十四節気の始まりでもある |
雨水 | うすい | 2月20日頃 | 雪が溶け始める時期、農耕を始める目安でもある。春一番が吹く地域もある |
啓蟄 | けいちつ | 3月6日頃 | 冬眠をしていた虫が目覚め始める時期 |
春分 | しゅんぶん | 3月21日頃 | 昼と春の長さが等しくなる日、太陽が春分点を通過した瞬間の日 |
清明 | せいめい | 4月7日頃 | 万物がすがすがしく明るく美しい時期 |
穀雨 | こくう | 4月22日頃 | 田畑の準備が整って春の雨が降り始める時期 |
立夏 | りっか | 5月5日頃 | 春極まって夏が始まるとされる時期 |
小満 | しょうまん | 5月23日頃 | 暖かくなり緑豊かになり始める時期 |
芒種 | ぼうしゅ | 6月7日頃 | 稲の種をまき始める時期、実際にはこれより早い |
夏至 | げし | 6月21日頃 | 一年で最も昼が長くなる日 |
小暑 | しょうしょ | 7月7日頃 | 蝉が鳴き始め、暑さが本格的になる時期 |
大暑 | たいしょ | 7月23日 | 快晴が続いて気温が徐々に上がっていく時期 |
立秋 | りっしゅう | 8月7日頃 | 夏真っ盛りになって秋の気配が漂い始める時期 |
処暑 | しょしょ | 8月23日頃 | 暑さが徐々に後退し始める時期 |
白露 | はくろ | 9月6日頃 | 気温が下がり始め露が出来始める時期 |
秋分 | しゅうぶん | 9月23日頃 | 昼と春の長さが等しくなる日、太陽が秋分点を通過した瞬間の日 |
寒露 | かんろ | 10月8日頃 | 露が冷えて凍りそうになる時期、コオロギが鳴き始める時期 |
霜降 | そうこう | 10月22日頃 | 露が霜に変わって降り始める時期、また紅葉が始まる次期 |
立冬 | りっとう | 11月7日頃 | 秋真っ盛りになって冬の気配が漂い始める時期 |
小雪 | しょうせつ | 11月22日頃 | 少しずつ降雪が始まる時期 |
大雪 | たいせつ | 12月7日頃 | 雪が激しく降り始める時期 |
冬至 | とうじ | 12月22日頃 | 一年で最も昼が短くなる日 |
こうしてみると本来は中国が由来の言葉なので、中国の地域をもとに名付けられています。
そのため日本で体感する気候とはそぐわない名称や時期もあります。
例えば6月から7月の上旬にかけては、蝉が鳴き始めたり快晴が続く小暑や大暑などは、日本は梅雨になる地域が多いので違和感がありますね。
また全て旧暦の時期が目安となっていることもあって、明らかに現在のカレンダーとは気候的に合わない日もあります。
二十四節気の始まりとされる立春は元々1月1日でした。
そのためこの日の前日は旧暦では大晦日で、現在は「節分の日」として特別視されています。
他にも大暑とされる7月23日頃は下手したらまだ梅雨が明けていない地域もあるので、暑さが1年でピークとなる時期とは言えません。
むしろお盆前後の方が暑さが真っ盛りなので、15日くらいはズレている感覚ですね。
白露の9月上旬と寒露の10月上旬に至っては、まだ残暑が続いていますよね。寒くなり始めるのは北海道くらいです。
二十四節気の覚え方とは?
さて二十四節気について全て紹介していきましたが、正直覚えられないですよね(;^^
だけど日本人であるからには、外国人観光客や留学生に聞かれた際にもさっと答えられるようにはなっておきたいものです。
そこで効果的な覚え方はないものかとあれこれ調べましたが、主に2つの覚え方が効率的だという結論に達しました。
- 重要な八節と三大小をまず覚え、残りの10個を語呂合わせで覚える
- 1年の1月から順番に覚える
では順番に見ていきましょう!
八節と三大小と残り10個を分けて覚える
少し回りくどい覚え方になってしまうかもしれませんが、まず二十四節季を重要な八節と三つの大小の節気、残り10個の節気のグループに分けます。
その内訳は、
- 八節:春分・夏至・秋分・冬至・立春・立夏・立秋・立冬
- 三大小:小寒・大寒・小暑・大暑・小雪・大雪
- 残り10個:雨水・啓蟄・清明・穀雨・小満・芒種・処暑・白露・寒露・霜降
です。
まず八節からですが、これらは全て春夏秋冬の単語が入っていますね。
違いは「分」と「至」が最後の文字になっていること、最初の文字が「立」になっているだけです。
また順番にしても、1年の最初から
立春(2月上)→春分(3月下)→立夏(5月上)→夏至(6月下)→立秋(8月上)→秋分(9月下)→立冬(11月上)→冬至(12月下)
というサイクルになっていて、「立○」と「○分or○至」がそれぞれ3か月おきに訪れていることがわかります。
次に三大小ですが、これも共通しているのは最初の文字で「小○」か「大○」となっています。
それぞれが3つずつで計6個の節気になっていますが、その内訳と順番は
小寒(1月上)→大寒(1月下)→小暑(7月上)→大暑(7月下)→小雪(11月下)→大雪(12月上)
となっています。
八節と比べるとやや複雑ですが、基本的に2つの小と大は連続しています。
冬に小と大が4回、夏に2回訪れていますね。
これら八節と三大小の順番と時期を把握すれば、残りの10個の節気を順番に語呂合わせで覚えるだけです。
残りの10個は「啓蟄」とか「芒種」、「霜降」といった難しい熟語が並んでいてかなり覚えにくいですね。
ではその語呂合わせを簡単に紹介します。
薄い 啓ちゃんは 清明に 告る。 消 防 署 は 乾 燥する
何だか凄く変な文章ですね(;^^
それぞれ順番に見ていきますと、
- 薄い→うすい→雨水
- 啓ちゃん→けいちゃん→啓蟄
- 清明に→清明
- 告る→こくる→穀雨
- 消→しょう→小満
- 防→ぼう→芒種
- 署→しょ→処暑
- は→白露
- 乾→かん→寒露
- 燥→そう→霜降
となります。
カレンダーでもこの順番通りに訪れますが、「薄い啓ちゃん」の前には「小寒・大寒・立春」の3つが入ります。
そして「清明に告る」の直前に「春分」、直後には「立夏」が入ります。
さらに「消防署は」の部分は、「消防」と「署は」の間に「夏至・小暑・大暑・立秋」が入り、「署は」の直後に「秋分」が入ります。
最後に「乾燥する」の直後に「立冬・小雪・大雪・冬至」の4つを入れて、二十四節気が完成します。
ただ正直ややこしくて、覚えづらいという見方もあるでしょう。
そこで次に紹介するのは、全部の節気をまとめて1年の最初から順番に語呂合わせで覚える方法です。
1年の1月からまとめて順番に覚える
二十四節気は各月に2つずつあるので、それらをまとめて1月から12月まで順番通りに解説していきます。
節気 | 覚え方 | |
---|---|---|
1月 | 小寒と大寒 | 小さかった寒さが、大きくなった |
2月 | 立春と雨水 | 春が近づいた、薄い服を着てみた |
3月 | 啓蟄と春分 | 啓ちゃん、春本番だ |
4月 | 清明と穀雨 | 生命の雨で、穀物が潤う |
5月 | 立夏と小満 | 夏が近づいた、湘南(しょうなん)へ行こう |
6月 | 芒種と夏至 | 棒で種をまく、芸者(げいしゃ) |
7月 | 小暑と大暑 | 小さかった暑さが、大きくなった |
8月 | 立秋と処暑 | 秋が近づいた、そして少女は帰った |
9月 | 白露と秋分 | 白い結露を、しゅーっと拭く |
10月 | 寒露と霜降 | 寒い路面を、車が走行する |
11月 | 立冬と小雪 | 冬が近づいた、小説でも書こう |
12月 | 大雪と冬至 | 大切なカボチャを、当日までに届けよう |
最後のカボチャは、冬至の日にカボチャを食べる風習から来ています。
いかがでしたか?かなり自分なりにアレンジしてみましたが、参考になりましたら幸いです。
基本は2つの覚え方とも語呂合わせですが、両方とも組み合わせてみてもいいでしょう。
おまけ:五節句とは何も関係がない?
そういえば7月7日の七夕とか5月5日の端午の節句とかあるよね。二十四節気とは関係がないの?
こういう疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか?
かくいう僕自身も二十四節気と節句を混同していました。
よくよく調べてみると意味的にも全く異なっているようで、二十四節気と節句は何の関係もないのです!
節句とは以下の5つの日に該当するのですが、これは古代中国の陰陽五行説を由来としています。
- 1月7日:七草の節句
- 3月3日:桃の節句(ひな祭り)
- 5月5日:端午の節句(子どもの日)
- 7月7日:七夕の節句
- 9月9日:菊の節句
因みに二十四節気だと上の中では1月7日が小寒、5月5日が立夏、7月7日が小暑、9月9日が白露とほぼ同じ日です。
もちろんこれもたまたま日付が重なっただけに過ぎません。
まとめ
今回は二十四節気の意味と読み方と覚え方を一挙に紹介してきました!
長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!
日本は本当に多くの季節の節目があって奥が深いですよね。
それほど自然の恵みというのを大切にしてきた歴史があります。
暦とは若干ずれた感じがあるので、21世紀になって新しい節気を作るという案が出たこともあったようですが、基本的にこのまま残ってほしいと思っています。
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