パソコンで作業するのが日課な人にとっては、CPUという言葉は身近なものになっていますね。

CPUの周波数の数値の高さで、そのパソコンがどのくらい性能が高いかがわかります。

しかし似たような言葉にGPUというのもあるのをご存知でしょうか?


筆者自身このGPUという言葉を初めて目にした時、一体CPUとどこがどう違うんだろうと疑問に思いました。

アルファベット一文字違うだけですが、実は意味的には大きく異なります。

改めて今回はCPUとGPUの意味の違いについて、パソコン初心者にもわかりやすく解説していきます。一緒に疑問を払拭しましょう!




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CPUとGPUの違いって何?

いきなり結論からになっちゃいますが、一言でCPUとGPUの違いを説明しますと、

  • CPUとは中央演算処理装置のこと、英語で「Central Processing Unit」の略
  • GPUとは画像処理装置のこと、英語で「Graphics Processing Unit」の略

こうなります。

CPUとは人間でいうと脳に当たる部分です、これについてはご存じの方も多いでしょう。

パソコン内部を分解すると、小さくて薄いシリコン基板の表面に数億個近くあるトランジスタが搭載された正方形型の部品が出てきますが、それがCPUとなります。

しかしこれとは別にあるGPUについては、あまりメジャーではなく初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか?

というのも一般的なパソコンに搭載されているのは、ほとんどCPUのみとなります。

通常のパソコン作業やインターネットの閲覧においてはCPUだけでも問題なく行えるので、GPUが必要だと感じる人は少ないかもしれません。

GPUって何?

計算をするという点ではGPUも意味は同じです。

しかしGPUが決定的にCPUと違っているのは、内部に実装されているコア数です。

このコア数が多ければ多いほど、一度にできる処理の数が増えます。

命令の処理の違いを簡単に説明するなら

  • 一つ一つの処理を丁寧に処理するのがCPU
  • 同じ処理を並列に処理するのがGPU

となります。

GPUはゲーマーにとって救世主!

パソコンでゲームを遊ぶのが好きな人にとっては、GPUはなじみ深い言葉です。これがないと話にならないという人もいるくらいです。

なぜこう言えるのかですが、実はゲームにおいてはCPUとGPUの両方がセットになって、初めて快適にプレイできるからです。


GPUは上にも書きましたが、画像処理装置を意味します。

画像ということは動画、すなわち映像関係の処理でGPUは大活躍するわけです!

特に最近のゲームにおいては、映像が3Dグラフィックスで表示されるのが当たり前になってきました。

3Dグラフィックスの画像を、コンピュータが表現するために処理しようとすると、膨大な計算量が必要になります!

1990年代の初代プレイステーションやセガサターンから3Dゲームが誕生してきて、今やメインとなるゲームはほぼ全て3Dゲーム表示と言ってもいいでしょう。


中には2Dグラフィックや単純なアニメーションでのゲームもあることはありますが、それでも映像処理に関しては、容量と負担は大きくかかります。

家庭用ゲーム機というのは、そうした画像処理に特化した構造とシステムになっているので、3Dグラフィックスの映像が滑らかに美しく表示されるわけです。


ところが家で使用する普通のパソコンではそうはなりません

先ほども説明しましたが、通常のノートパソコンではCPUのみしか搭載されていません。

もちろんCPUのみでも画像の処理は行えますし、最近のCPUはそれ単独でも超高性能になっていますので、ゲームはできなくもないです。

3Dゲームの処理はCPUだけでは困難!

ただし3Dグラフィックスが主流となっているゲームとなると話が変わります。

よくパソコンで動画を高画質で観ようとすると、カクカクしたりして全然滑らかになってない映像になりしますよね。

CPUはあくまで通常の計算や1つの命令を複雑に処理するに特化していますが、画像の処理も加わるとそれだけで膨大な処理が必要になってきて、CPUだけでは負担が大きくなってしまいます。


またゲームにおいては何も映像の処理だけではありません。

  • ゲームデータを保存されたハードディスクから読み出すor読み込む動作
  • ユーザーがキーボードやマウス、ゲームパッドで入力したコマンドを内部で処理する
  • 音声の出力(最近は多言語のゲームも多い)

他にもいろいろありますが、主にこれだけの処理が必要となるわけです。

これだけの処理をCPUだけで行おうとすると、内部的に処理が追いつかず最悪ゲームが落ちたりします。

こういった問題を解消するために登場したのがGPUというわけです。

高速なグラフィック処理ともなると、比較的単純な処理に特化したGPUの方が最適なのです。

単純にテキストだけのデータとは異なって、画像のデータというのは容量が大きくなります。


二次元の画像データは「縦のピクセル数×横のピクセル数」で、正方形と仮定すると2乗になり、3次元だとこれに高さも加わりますから3乗になるのです!

「1000ピクセル=1000ビット」とするなら、一辺が1000ピクセルの立方体の場合、10⁹(10億)ビット=10Gビットとなります。


これだけの容量をCPUだけで処理すると恐ろしく時間がかかりますが、GPUの場合は先ほども説明しましたが、数千個近くのコアが搭載されていて、一度に大量の処理が可能です。

ゲームにおいて映像の処理というのは「敵の攻撃を喰らったら転倒する」、「ドアの前で決定ボタンを押せば開く動作をする」など、常に答えが同じになるような処理を大量に繰り返すだけです。

GPUは映像を描写するために、大量のデータを行列演算して行うよう設計されていますので、こうした単純作業を一度に大量に行うのに最適なわけです。


CPUはあくまで一つの複雑な処理を丁寧に迅速に行うのに最適なわけで、膨大なデータ量を一度に並列で処理するのには向いていません。

そのため「CPUだけでは処理が追いつかず、3Dゲームが快適にプレイできない!」となるわけです。




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グラフィックボードとは違うの?

GPUと意味は一緒と思われがちですが、グラフィックボードという部品もあります。

GPUの構造や仕様について詳しく見ていくと、実はこのグラフィックボードという部品に組み込まれています。

対してCPUはマザーボードという基盤に組み込まれたプロセッサです。

GPUがマザーボード上のCPUからの情報や命令を受けて、画像に関する処理を行って描写している、という流れになります。

グラフィックボード(略して“グラボ”)は必須の部品ではありませんが、GPUが内部にあるということなので、これがあるのとないのとでは画像の処理速度が格段に違ってきます。

GPUがマザーボードの中に組み込まれている場合もあります。

正確に言えばCPUの中の一部として組み込まれていて“内蔵GPU”として利用されていることになりますが、グラフィックボードに比べると省電力・省スペースという利点があります。



しかし性能的にはグラフィックボードに及びません。

もし3Dゲームを快適に楽しみたいなら、やはりグラボが別に搭載されているパソコンを選ぶのがいいでしょう。

そのためにもGPUが内蔵型なのか、グラボに搭載されている形式なのか、購入する際には要チェックしましょう!

コアなPCゲーマーにとっては最新のグラボを準備し、パソコンに搭載することは必須の作業なのです!


デスクトップ型ソコンだと最初からグラフィックボードが搭載されていますので、3Dゲームを快適に楽しむならデスクトップ型パソコンをおすすめします。 

しかし消費電力が高いのがデメリットになります。

夏場でエアコンをつけたままゲームしていると、停電のリスクも高くなるので注意してください!

GPUは機械学習でも活躍が期待できる?

GPUはCPUよりもはるかに高度な演算能力がありますので、それを利用したGPUサーバーも注目されています。

このGPUサーバーが特に役立つと言われているのが、AI(人工知能)、機械学習の分野です。


囲碁の世界チャンピオンを破ったことでも有名な「AlphaGo」も機械学習の一種です。

機械学習(またの名を“ディープラーニング”)は膨大なデータ量を取り扱い、無数の行列演算を行いますが、この一連の動作はコンピュータで3Dグラフィックスを描画し処理する動作と似ています。


すなわち機械学習ではGPUが最適なプロセッサとなるわけです。

実際GPUの先駆けであるNVIDIA社も、膨大な計算処理ができる機械学習向けのGPUサーバーとしてTeslaモデルを提供中とのことです。詳しくは以下のページをどうぞ!
Tesla GPUサーバー

まとめ

今回はCPUとGPUの違いを詳しくまとめてみました。

CPUもGPUも結局はコンピュータ内部で計算し処理する機能がある、という意味では一緒です。

わかりやすく言えば、CPUは普通のコンピュータ向けの複雑な処理を得意とするのですが、GPUは

  • 並列的な計算処理を得意とする(CPUは連続的)
  • コア数が数千個もある!
  • 計算速度はCPUの100倍以上!

といった特徴があります。

これだけ見ると、GPUの方が遥かに高性能とわかりますね。次元が違います(笑)


しかし高性能ということは、それだけコンピュータの消費電力も大きくなることを意味します。

今回の記事の半分近くは、パソコンでゲームを遊ばない方にとってはどうでもいい内容かもしれません。

実際3Dゲームをパソコンでやらないということであれば、GPUが必要と感じることもないからです。


ただしGPUの性能だけで全てが決まるというわけではありません。

性能が高いGPUには、それ相応の性能を誇るCPUが必要となります。

例えばIntel Core i5やCore i7でマルチコアとマルチスレッドがあるCPUなら、最新の高性能なグラボにも対応できるでしょう。

本当に負荷の高いゲームでは高性能なCPUも、パワフルなGPUも両方必要になってきます。

安易にグラボだけ差し替えればいいだろと判断はしないようにしてください!


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