地球には月と言う衛星がありますが太陽系を見渡せば2つかそれ以上の数を誇る惑星が多くあります。

中でも地球のすぐ外側を回る火星にはフォボスダイモスという2つの衛星があるんですよね、ご存知でした?

昔放送されていた人気アニメ『セーラームーン』のメインキャラクター火野レイが神社で飼っていた2話のカラスとしても有名ですが、これは火野レイがセーラーマーズ、火星を守護星に持つ戦士だというのも関係していたんですよ。


このフォボスとダイモスについてですが改めてどんな衛星なのかを解説していきます。

またこの2つの衛星の名前の由来となった神話についてもおまけで触れておきたいと思います、ぜひご覧ください!




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火星の衛星フォボスとダイモスについて

火星の2つの衛星フォボスとダイモスについて、箇条書きで簡単に紹介します。

  1. フォボスの特徴
    • 直径:22.2km
    • 平均軌道半径:9,378km
    • 公転周期:7.66時間
    • 火星から見た動き方:西から昇って東に沈む
    • 名前の由来:ギリシア神話のポボス
  2. ダイモスの特徴
    • 直径:12.6km
    • 平均軌道半径:23,400km
    • 公転周期:30.35時間
    • 火星から見た動き方:東から昇って西に沈む
    • 名前の由来:ギリシア神話のデイモス
火星の衛星の位置

2つの衛星に関して共通して言えることは、月と違って球体のような形をしておらず、ジャガイモのような形をしているということです。

大きさについても月の直径3500kmと比べると100分の1未満しかないので、衛星とは言っても大昔に火星に引き寄せられた小惑星が有力な説となっています。

潮汐力でフォボスがなくなる?

2つの衛星の内フォボスについては太陽系の衛星の中で、最も主星との距離が近い位置を公転しています。

その距離は6000kmほどしかなく、地球と月との距離38万kmに比べれば以下に小さいかわかりますね。


ここまで距離が短くなったのはフォボスの公転スピードが火星の自転速度よりも大きく、潮汐力も非常に大きく働くためだとされています。

さらに現在でもフォボスは毎年1~2cmくらいのペースで火星に近づいています。

100年で換算すると約2m、火星の表面とフォボスとの距離が6000kmですから約3000万年後くらいには火星の表面に激突すると言われています。


仮に激突が免れたとしてもロッシュ限界に達して粉々に破壊されるという悲しい運命にあります。

もちろん人類の尺度で考えれば数千万年と言うのは気の遠くなるほど長い年月になりますが、宇宙全体で考えたら1億年でも短いと言えるでしょう。

【ロッシュ限界について】

ロッシュ限界とは簡単に言えば大きな星に小さな星が近づける限界の距離を意味します。

地球で例えるなら月が地球に近づけるまでの限界の距離は地球から約1万9000kmとされていて、この内側に入ってしまうと月は地球の重力の影響を強く受けて粉々に破壊されます。

誕生初期の月はこのロッシュ限界の外側ギリギリの場所に位置していたそうですが、長い年月を経て現在の距離まで離れました。


ただしロッシュ限界の内側にあったとしても、破壊されるとは限りません。

衛星の質量が十分に小さければ潮汐力の影響も小さくなるので破壊されず周回できます、木星の衛星メティスアドラステアがその例に当たります。




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名前の由来はギリシア神話のアレスの息子

フォボスとダイモスの2つの衛星はアメリカの天文学者であるアサフ・ホールによって、1877年に発見されました。

太陽系にある衛星の名前は地球の月を除けば、ほぼ全てギリシア神話に出てくる神々の名前が由来となっていることが多いです。

当然火星にある2つの衛星も、ギリシア神話の神々の名前が付けられることになりました。


火星は英語で”Mars(マーズ)”と呼びますが、このマーズと言う言葉はローマ神話に出てくる”Mars(マルス)“が由来です。

しかしローマ神話のマルスはギリシア神話に出てくるアレスと同一の神であるとされています。そのため火星の2つの衛星は、このアレスの息子であるポボス(=フォボス)とデイモス(=ダイモス)の兄弟の名前が付けられたのです。
(ローマ神話とギリシア神話との密接な関係についてはここでは省くことにします。)

ギリシア神話ではアレスが戦いの神として知られており、昔から火星が地球に接近した時には夜空に赤色に輝いていました。

この赤く輝いた様子が血なまぐさい戦争や炎、恐怖を連想させたことからアレスの名前が付けられたのです、確かに不気味に見えますねwww

またアレスの息子であるポボスとデイモスは両者とも「混乱、狼狽、恐怖」を表す神として扱われています。

火星が今のような星になったのは、父親(マーズ)が引き起こした戦争で恐怖(フォボス)と混乱(ダイモス)が長年続いたからなのでしょうか?もちろん都市伝説ですけどね(;^^)

まとめ

今回は火星の衛星の名前の由来となったギリシア神話についての紹介でした、参考になりましたら幸いです。

もしも火星に古代文明が存在していたとするなら、どんな恐ろしい戦争が起きていたのでしょうか?

もちろん今の地球でも同じように世界各地で血なまぐさい争いが起きてはいますがね。願わくば地球が火星と同じ赤色にならないように。


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