イギリスが離脱したEUでありますが、そのEUに元から入っていないヨーロッパの国の一つに、永世中立国のスイスがあります。
そのスイスという国ですが、漢字で表記するとちょっと意外な字になるんですよね。
スイスだから「水巣」とか、「巣椅子」かな?
いや、もっと難しい漢字だったと思うよ
今回はスイスがどんな国なのかという簡単な説明も併せて、漢字表記を詳しく見ていくことにします!
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スイスを漢字で表記すると!?
では早速答え合わせになりますが、スイスを漢字で表記すると以下の2文字になります。
瑞西
どうです、全然予想と違っていたのではないでしょうか?
そもそもこの2文字がどうして「スイス」になってしまうのか、少し疑問ですね。
ということで、漢字1文字ずつ詳しく調べていきましょう!
「瑞西」と書いて何で「スイス」?
前半の漢字が「瑞」、後半の漢字が「西」になっていますね。
まず前半の「瑞」ですが、これは音読みで「ズイ」と読みます。
熟語としては「瑞雨(ズイウ)」、「瑞雲(ズイウン)」、「瑞応(ズイオウ)」などありますがいずれも聞いたことない難しい言葉ですね。
ただし国名には「スイス」以外でも、「スウェーデン(瑞典)」で使われています。
そのままの読みでは「ズイ」と濁点が付いていますが、国名との結びつき上濁点を省いて読むようにしています。
では後半の漢字ですが、こちらは馴染みのある「西」なのでわかりやすいでしょう。
文字通り方角の「にし」を意味しますが、これが「ス」と読むのかと思うと少し意外ですね。
しかし実は「スペイン(西班牙)」や「フランス(仏蘭西)」など、同じヨーロッパの国で「ス」の読みに当てられる漢字にもなっています。
これはヨーロッパの国々が日本から見て西の方角、言ってしまえば「西洋」に当たるのでこうした規則になっているということです。
「ロシア(露西亜)」、「ニュージーランド(新西蘭)」、「メキシコ(墨西哥)」などがあります。
以上からスイスの漢字表記が「瑞西」となりました。
英語名との関係は?
漢字で表記されたら「瑞西」となるのですが、これはスイスの英語名と関係あるのでしょうか?
実は同じ「瑞」を用いるスウェーデンとの意外な関係も見えてきました。
スイスの英語名は「Switzerland(スウィツァランド)」、スウェーデンの英語名は「Kingdom of Sweden」、通称「Sweden(スウィードゥン)」となります。
ご覧いただけるとわかるように、両者ともアルファベットの「Sw」から始まっていますね。
英語の発音だと「スウィ」と「スウェ」でかなり似ています。この部分だけ見たら、確かに両者とも漢字の「瑞」で始まるのも納得いきますね。
因みに漢字表記を略すときは、スイスは「瑞」、スウェーデンは「典」になるよ!
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スイスはどんな国?
さてこれまでスイスの漢字表記と英語名について解説していきましたが、ここからは改めてスイスがどんな国か軽く解説していきます。
まずはスイスの国について簡単に説明しておきます。
名称:スイス連邦
首都:ベルン
主要都市:ジュネーブ、チューリヒ、ローザンヌ
人口:約790万人
公用語:ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語
地理:ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれた内陸国家です、海はありません。
またスイスとイタリアの国境にアニメ『アルプスの少女ハイジ』で有名なアルプス山脈がそびえ立っています。
産業、経済規模など:スイス銀行が有名ですが、欧州屈指の金融センターでもあるチューリッヒが有名で国民一人当たりのGDPが8万ドルもあり、世界トップクラスです。
世界遺産:ベルン旧市街が特に有名です。
スイス言語問題とは何か?
スイスでは、何と4か国語(ドイツ、フランス、イタリア、ロマンシュ語)が使われています。
割合としてはドイツ語が最も多く約6割、次いでフランス語が約2割、その次にイタリア語が7%で、ロマンシュ語が1%未満という分布になっています。
これが、それぞれの言語を第一言語として使う人の割合です。
ドイツとフランス語が圧倒的多数を占めています。
そしてスイスの公用語のひとつであるロマンシュ語はわずか1%未満です。
また、スイスでは、英語を話す人の割合は1%と言われここ数年のグローバル化の後押しもあり年々増えてきています。
何故複数の国の言語が入り乱れたのか?
なぜこのような言語問題が生じてしまったのでしょうか?
一つ目の理由が地理的理由です。
先ほどの説明でもありましたが、スイスはドイツやフランス、イタリアに囲まれています。ちょうど国境近くに言語分布ができていますね。
まず、ドイツ語についてですが、これは、ナチスのユダヤ人迫害により永世中立国であったスイスに亡命してきたことがドイツ語を話す人口を増加させた原因でもあります。
そしてフランスはというと、ナポレオンの時代にフランスから移住したフランス人が多くいたのです。
これもフランス語人口を増やした原因です。
これらの歴史があり、今日のスイスの言語問題に発展しました。当然、国際化に伴い年々英語の需要が増えてきています。
しかしスイスはEUにも属しない永世中立国であるためか、それほどグローバル化を推し進めない人が多いと言えます。故に学校教育の場でも英語を第1言語として教える比率がまだ少ないのです。
外国の人の立場からしたら英語で統一しろと言いたいのはわかりますがそう簡単には行かないのが現状ですね。
まとめ
それでは今回の内容を振り返りましょう!
- スイスの漢字表記は「瑞西」
- スウェーデンの漢字表記は「瑞天」
- スイスの英語表記は「Switzarland」
- スイスの漢字略称は「瑞」、スウェーデンの漢字略称は「典」
- スイスの公用語は4か国語、英語はなく言語問題が存在する
ヨーロッパの中でもかなり異色な国ともされていますが、自然が豊かな場所でもあるので、ぜひ一度は訪れてみたいですね。
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