オフィスで欠かせない機械と言えばいろいろありますが、中でも書類や資料などを大量に印刷するコピー機はその筆頭ともいえます。

オフィスだけでなく日常の生活でも重要な書類やメモ書き、証明書などがいろいろな手続きに必要だったりで、その際にコンビニにあるコピー機などを使う機会もあると思います。

ではそのコピー機はどういった仕組みで動いているのでしょうか?

精密機械の仕組みと言うと一見複雑そうに聞こえるかもしれませんが、その原理にはとある物理現象が関係していたことがわかりました。

ということで今回はコピー機がどうやって動いているのか、その仕組みを物理の観点から簡単に解説していきます!




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コピー機の原理は静電気が関係していた!

結論から言いますと、皆さんが普段よく使用するコピー機の原理には静電気が大きく関係しています。

静電気とは皆さんも普段の生活で体験することはあるでしょう。

下敷きで髪を擦ると髪が物凄い勢いで逆なでしたり、金属のドアノブに触れようとすると手がバチっとしたりするやつです。

僕自身もよく経験がありますが、静電気というのは本当に厄介な奴ですよね、特に冬の時期は(;-_-)

ではこの静電気が一体全体どうやってコピー機と関係しているのか、それについて順を追って解説していきます!

紙はなぜ白く見えるのか?

まずコピー機がどのようにして原稿を読み取るかを説明します。原稿に使う紙は普通のコピー用紙で真っ白ですが、当然文字がある程度書かれている場合がほとんどです。

 
そもそも紙が白く見える理由というのは、紙が光をよく反射するからで、逆にペンなどで書かれた字が黒く見えるのは、光を反射しないからです。

 
そしてコピー機が紙を読み取る際には、光を紙に当てた際に反射する強弱を測っているのです。こうすることで紙のどこにどのくらいの濃さで字が書かれているかを判別しているのです。




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コピーは静電気をどう利用している?

では本題に入ります。

先ほども説明しましたがコピー機は静電気を利用しているとのことでしたが、どうやって関係しているのでしょうか?

より具体的にわかりやすく解説していきます。

 
コピー機の中で静電気が密接に関係しているのは、感光体と呼ばれる物質です。

感光体(または感光ドラム)自体は電流を通しにくい絶縁体なのですが、なぜか光を当てると導体になる性質を併せ持っています。

この感光体はコピー機の中で欠かせない部品です!

 
絶縁体の方は、電気を通さないので静電気のもとである電荷を表面に溜める性質を持っているのですが、導体は溜められません。

この性質こそが、紙の情報を再現する上で最も鍵となるのです!

 
まずコピー機が原稿を読み取る際には、この感光ドラムの表面にマイナスの静電気が付与されます、この過程が帯電となります。

ここで説明を少し戻しますと、紙が白く見えるのは光が反射して、黒く見えるのは光が反射しないと先ほど説明しました。

この性質を利用することで、原稿に文字や図が書かれた部分を感光体が判別するのです。


わかりやすく言えば、紙が白く見える部分は光が反射するので感光体が反応し、黒く見える部分は光が反射しないので感光体は反応しません。

光が当たる、すなわち紙が白い部分は感光体が導体になります、ここで事前にマイナスの静電気を帯電させておくと感光体は導体になっているので、電荷が溜められず去っていきます。

逆に光が当たらなかった黒い部分は、絶縁体のままなので電荷が残ります。

 
これで感光体は、元の原稿用紙の白い部分には電荷がなくなり、文字の書かれた黒い部分には電荷が残っている状態になるのです、この過程が露光となります。

この状態の時に、炭素が主成分の黒い粉(トナー)を吹きかけると粉が静電誘導によって電荷のある所へ引き寄せられます、この過程が現像となります。

これでコピー用紙を感光体に押し付ければ、元の原稿用紙の文字が書かれた同じ位置に粉が写ります、この過程が転写がなります。

 
ただしこのままだと粉がはがれ落ちやすいままなので、粉を紙に写して加熱して強固に密着させることでコピー完了となります、この過程が定着となります。

以上をまとめますと、コピー機が原稿を読み取ってコピーする過程は

帯電→露光→現像→転写→定着

の順番となります。

「コピー機の調子がおかしい!うまく転写できない!」といった症状は感光体がおかしいことがほとんどなので定期的に掃除するなどメンテナンスが必要です。

 

補足:レーザープリンターとLEDプリンター

複合機商品で最近増え始めたのがレーザープリンターとLEDプリンターです。

両者とも基本的な仕組みは一緒ですが、こちらはコンピューターからの情報をもとに精密に制御されたレーザー光線やLEDの光を感光体へ当てて印字する点にあります。

またLEDプリンターの方が、レーザー方式に比べ装置が小型で軽量化であり、なおかつ写す像も鮮明で印刷が速いなどの特徴を備えています。

省エネが叫ばれる時代なので、これからますます需要が高まりそうです。

ただ値段は普通のコピー機と比べてやや高めのようですね(;-_-)

まとめ

今回はコピー機の仕組みについての解説でした。

最後に簡単にまとめさせていただきますと、

  • 静電気はコピー機の感光体と呼ばれる部品に利用されている
  • 紙の白い部分と黒い部分で光が反射されるかされないかで、感光体の表面が電荷がある部分とない部分に分かれる
  • 電荷のある部分に黒い粉が引き付けられる
  • 黒い粉が付着した感光体をコピー用紙に押し付ける
  • 最後に加熱して強固に密着させることでコピーが完了する

となります、参考になりましたら幸いです!


静電気に関しては学校の物理の授業でも習うことですが、こうした基礎科学の知識は身近な生活用品にも多く活用されています。

もっと知りたい方はぜひ以下の記事をご覧ください!

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